「食べログ」などのインターネット関連サービスを展開するカカクコム(東京都渋谷区)は、同社が運営する不動産住宅情報サイトの「スマイステイ」において「人気上昇駅ランキング」の最新版を発表しました。ランキングはスマイステイにおいて集計時に掲載さ入れている賃貸物件に関してそれらのアクセス数を、2021年1月~3月と前年の同時期において比較し増加率の高いものから順位付けしたものです。対象駅は1都3県に所在する駅です。
画像はYAHOO!JAPANニュース
今回同サイトにおいてアクセス数の増加が最大だった駅は神奈川県の「茅ヶ崎駅」でした。JRの東海道線と湘南新宿ラインが乗り入れるなど、東京品川方面にも渋谷新宿方面にも乗り換えいらずでアクセスできるのが人気の要因の一つです。その一方でサザンオールスターズにも象徴される湘南の海岸線や緑豊かな公園が数多く点在するなど、自然豊かな街並みも支持を受けた要因といえるでしょう。また、これら都心へのアクセスの良さと自然との近接性といった要素に加え、横浜市や川崎市と比べて平均的な家賃が低いのも魅力的です。
2位には小田急小田原線の向ヶ丘遊園駅、3位には前出の茅ヶ崎駅と同路線の辻堂駅がランクインしました。両駅とも駅前の大規模な土地が商業施設に開発されるなど、ファミリー層やカップル層の人気を手にしていると言えます。
1~3位は全て神奈川県所在の駅で占められましたが、4位には埼玉県の京浜東北線が通る西川口駅がランクインしました。また、8位に南浦和駅、9位に志木駅、10位に蕨駅など、さいたま市あるいはさいたま市周辺の京浜東北線沿線の人気が上昇しています。都心へのアクセスが良いことはもちろん、大規模開発などはあまり進んでいないものの駅周辺の整備が進んでおり、徒歩も含めたアクセスのユーザビリティが非常に高い街と言えます。また、昔から比較的治安のいい街であるとも言えますね。
5位には大泉学園駅、6位には用賀駅と、東京都所在駅が立て続けにランクインしています。いずれも閑静な住宅街に位置し、都心へのアクセスも良いという利点が挙げられます。
千葉県で唯一ランクインしたのが行徳駅でした。市川市に位置するこの駅は地政学的にも東京からとても近いと言えますが、何よりの魅力は東西線が乗り入れていることであり、東京23区を東から西に横断する同路線はJR、市営地下鉄など多くの路線と接しており、都内であればどこでもアクセスの良い路線と言えます。
このように、東京都からランクインしたのは大泉学園と用賀の2駅だけであり、いずれも閑静な住宅街であるという傾向から、今回のランキングから都心で暮らす人々は比較的郊外の自然豊かな町に転出しようとしている傾向が推測されます。コロナウイルスによる在宅ニーズが増加していることも影響しているのは間違いないと考えられますが、この流れはいったいどのくらい続くのでしょうか。今後もこうした街の人気傾向には目が離せません。