昨今話題となっている、米投資ファンドの「ブラックストーン・グループ」が中国の不動産大手「SOHO中国」を買収する計画が白紙に戻ったことが明らかになりました。9月10日、SOHO中国は「現時点では買収の前提条件は満たされてなく、ブラックストーンが買収提案を取り下げることに双方が同意した」と発表しました。

画像は東洋経済ONLINEより

 買収計画は今年の6月16日に発表され、ブラックストーンはSOHO中国の発行済み株式約55%を約2018億円相当で取得することになっていました。買収の前提条件には、中国の独禁法の執行機関「国家市場監督管理総局(以降市場監管総局)」からの認可取得が含まれていました。

SOHO中国の情報開示では、市場監管総局はブラックストーンが法規に従って提出した申請書類を受理しました。さらにブラックストーンは市場監管総局発行の審査開始の通知書も受け取っています。しかし市場監管総局はブラックストーン及びSOHO中国に対し追加書類提出を求めるとの見解があり、審査の行方は不透明でした。

SOHO中国は近年所有物件の売却を重ねてきました。現在の中核資産となっているのは首都北京と上海に保有しているオフィスと商業ビル8カ所で、それらの総賃貸面積は約78.5万平方メートルとなっています。

仮に買収計画が試算通りに進捗していた場合、ブラックストーンはSOHO中国の共同創業者である潘石屹氏と張欣氏の夫妻に代わり筆頭株主となって、潘氏夫妻の持ち株比率は63.93%から9%に下がる予定でした。

さらに、潘氏夫妻はSOHO中国の取締役も退任して同社の経営から身を退き、ブラックストーンが取締役会に対し新規役員を決定する予定だっただけに、今後の去就に注目が集まっています。

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