【賃貸仲介】来店成約率向上のポイント

前回来店成約率の平均値を紹介したが、今回は具体的にその数値の向上ポイントをお伝えしようと思う。

ちなみにこの来店成約率を向上させることはとても基本的な考えが大事になってくる。

これはよく不動産会社向けの研修商材などでも紹介されるところだ。

今回はこのあたりの「基本的な考え」や「基礎的な部分」を改めて紹介し、さらに応用的なテクニックを紹介していきたい。

前回記事:賃貸仲介業の来店成約率の平均値とは?

1.来店成約率を向上させる基礎中の基礎とは?

来店の成約率を高めるためにテクニカルなことをいくら話しても、ベーシックな部分での準備をしなければ何の意味もない。

その部分とは、ひとつは営業スタッフの印象。
そしてもうひとつは、店舗の雰囲気だ。

営業スタッフが清潔感がなく、また挨拶もままならず高圧的な態度だと、いくらセールストークが上手くてもユーザーは不信感を抱いてしまう。

当然といえば当然だが、ユーザーには「明るい雰囲気」「清潔感」「信頼たる雰囲気」で接しなければならない。

また、店舗の雰囲気もとても重要である。

店舗が暗い印象だったり、ゴミが散乱していたりするだけで、ユーザーは大きな不信感を覚える。

また、机の上に個人情報などがわかる書類等が置きっぱなしになっていると信頼度は大きく落ちる。
こちらも徹底していかなければならない。

来店成約率向上をしたいというご相談を受けた際、まずこのユーザーへの「見え方」から手を入れる。

逆にここを改善するだけで成約率が大きく改善した企業は数多くあるのも事実だ。

2.受付時の重要ポイント

もうひとつの基礎的な向上ポイントとして、受付時のヒアリングポイントの整理も重要になってくる。

特に注力してヒアリングするポイントは、

  • 入居の時期
  • 引っ越しの動機
  • 希望の条件

の3点である。

いずれもしっかりとヒアリングをしておかなければ成約率は向上しない。

たとえば、入居時期がだいぶ先のユーザーに対して、無理にクロージングをしても即決を取るのは難しい。

また、引っ越しの動機が転勤などの差し迫ったユーザーには、クロージングを積極的に実行していかなければならない。

このように最重要のこのヒアリングポイントを「ただ聞く」のではなく、「深掘って」ヒアリングすることが何よりも大切である。

ちなみにこの基礎的な上記2点は、オンラインでの紹介の場面でも忘れてはならない項目である。

オンラインでのスタッフ対応が悪かったり、暗い印象をユーザーに与えたりすると成約率は伸びない。

また、チャット上の対応であれ、上記のヒアリングポイントを軽視してチャットを進めてしまうと、やはりこれも成約率は伸びない要因となる。

以上のように、成約率を伸ばす際には、まずテクニック以前に、上記の基礎的な要素を確認しなければならない。

次に、成約率向上のための応用的な取り組み方法を紹介していきたい。

他社の検討物件を聞き出せるかどうか

他社の物件を巻き取って紹介するというよりも、ユーザーが問い合わせ物件以外にどのような物件を検討しているか、またそもそもそういった検討物件があるかどうかを確認することが重要である。

これをヒアリングしてなければ土壇場で他社へ逃げられることになってしまう。

他社の検討物件を聞いてみると、実際ヒアリングしていた希望条件と大きく異なることが多々ある。

こうした「希望条件の確認」としても、しっかりと他社検討物件を聞き出さないといけない。

現在紹介可能なものを提供しきっている、という事実が伝わっているか

ユーザーが申込みをしない大きな理由のひとつとして「問い合わせをした、もしくは紹介してもらった物件以外に他にもあるのではないか」という思いである。

「ヒアリングをした条件で物件を探し尽くして、ベストな物件を提案している」という事実が伝わっているか、否かが重要だ。

このあたりをしっかり伝えなければ、ユーザーは継続的に物件を探し続ける。

ユーザーの引っ越し日からの逆算の提案

応対のなかでユーザーが引っ越す日程を仮設定しそこから逆算的に紹介、内見をしていく。

入居時期が差し迫ったユーザーには当然効果抜群だし、時期が先のユーザーもしっかりグリップができる。

しかし、しっかりと顧客管理をしなければ逆効果になるので注意が必要だ。

初期費用の見積もりタイミング

当然のことながら、検討物件が気に入ればユーザーは初期費用の詳細を気にし始める。

見積もりに関しては、「内見前に必ず提示」するということが重要だ。

内見後に物件を気に入った後に、初期費用の見積もりを提示して「やっぱり予算オーバー」ということになったらまず挽回はできない。

内見前にしっかりと費用を提示することが重要だ。

内見時にテストクロージングを実施しているか

最終的なクロージングは内見時に実施することが多い。

しかし内見より以前の紹介段階で、しっかりと「テストクロージング」ができているかが鍵になる。

テストクロージングというのは所謂「申込の意思があるか」を確認する行為のことだ。
しっかりとしたクロージングはユーザーも警戒するが、テストクロージングであればユーザーの本音を聞きやすくなる。

また、テストクロージングを実施することにより、今後のユーザー対応を決めることができるので是非実践してみてほしい。

ちなみに「テストクロージング」を、しっかりと店舗でルール化すると大きく成約率は向上する。

組織的に取り組んでみても良いかもしれない。

まとめ

以上のように、成約率を上げる要素には基本的な要素もあれば応用的なテクニックもある。

時期的に現在は繁忙期直前だ。

せっかくのこの時期に、現在の成約率向上の取り組みを自社内で改めて見直してみても良いかもしれない。

時代が変わっても、この成約率向上ポイントはあまり変わらないように感じる。

是非、社内での効果検証を積極的に行って欲しい。

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