野村不動産はタイの首都バンコク近郊で総戸数580戸におよぶ住宅エリアの開発をスタートさせます。総戸数580戸は、同社の2021年3月期決算における、マンションと戸建を合わせた分譲事業計上戸数3,669戸の15.8%を占める規模の事業となります。
これまでタイにおける事業は分譲マンションやサービスアパートメント事業を手掛けていましたが、戸建住宅やタウンハウスの開発は初めてのことになります。
開発する敷地面積は133,000m2であり、単純計算では1戸当たり229m2=約70坪となります。
ゾーン計画としては戸建の敷地とタウンハウスの敷地を壁で仕切り、行き来できないようにするという戸建ゾーンのプライバシーに配慮した計画を立てるようです。
首都圏に住む中間層をターゲットとして、利便性のよさと充実した設備環境をアピールします。
開発エリアはバンコク中心部から南東へ約20km、幹線道路「バンナートラーク」に近く、スワンナプーム国際空港にもアクセスしやすい好立地です。
エリア内にはスイミングプールやフィットネスジムなど共用設備を完備し、エントランスゲートが敷地入り口に設置されるなどの、セキュリティ―面も強化しより中間層に訴求しやすいコンセプトになっています。
事業はタイの不動産大手オリジン・プロパティ―の子会社と共同開発で行い、2022年末以降から順次竣工する予定です。
オリジン・プロパティーは2017年にも野村不動産と合弁事業により、3つのコンドミニアムの開発事業をはじめ計16件の開発事業を行なっています。今回の事業にも野村不動産は総事業費の49%を出資する予定です。
野村不動産の主力は国内における住宅事業ですが、今後はアジアを中心とした海外投資を積極化し、2028年3月期までの中期経営計画(9年間)において3,000億円を投資する予定です。
また海外事業の事業利益目標を、連結事業利益全体の15~20%に高めるとしています。
元記事は日本経済新聞