大和ハウス工業は今後5年間で全国にある住宅展示場を3割減らすと発表しました。
コロナ禍による来場者の減少や展示場をきっかけとした注文住宅の契約率が低下しており、住宅展示場の役割を見直す時期が来たと考えられます。
今後はデジタル技術を活用した住宅販売手法へと移行する考えでいるようです。この動きは住宅メーカー各社へも影響を与え、住宅業界は新たな営業手法を開発する時期に入ったと言えるでしょう。
同社は現在、注文住宅では業界3位の地位にあり、全国に200か所近い展示場があります。コロナ禍により来場者数は大幅に減少し、住宅展示場を契機とした契約率も大きく減少しています。
住宅展示場の年間維持費は数千万円かかるといわれ、営業効率の悪化した展示場の閉鎖はやむを得ない措置となります。同社では段階的に展示場の閉鎖をすすめ100か所程度の閉鎖が見込まれるようです。
展示場減少による営業手法の転換はデジタル技術の活用によります。すでに一部ではバーチャルモデルハウスのサービスを開始しており、今後さらに拡充していくことになります。
現在ウェブサイト経由の住宅販売戸数シェアは1割程度とされていますが、今後は2割程度まで引き上げる考えのようです。
新築着工戸数は減少しています。2021年は2006年と比較し66%となり2022年も大きな回復は見込めない状況です。市場規模の縮小は営業手法開拓の重要性を示しているとも言えるでしょう。
元記事は日本経済新聞