老朽化マンションの増加が予想され、管理組合において建替え決議に至らず「マンション空き家問題」が増加する懸念される中、政府は所有者不明の区分所有者の管理組合における決議権を除外する検討を始めました。
2021年末に調査を行った結果、空室割合が相当数あることがわかり、空室の割合が不明と答えるマンションも少なからずあることがわかりました。
マンションの空き室増加は管理費・修繕積立金の未収割合を増やす結果となり、マンションそのものの維持管理に重大な懸念を生じさせます。
現在の区分所有法関連の法律では、4/5以上の賛成が得られなければ建替えはおろか、マンションを解体・除却し敷地を売却することもかないません。
4/5以上の母数となる区分所有者数に「所有者不明」の住戸が増えると、決議すら不可能になります。
つまり区分所有者の20%超が不明となれば、老朽化したマンションの処分は法律的にも不可能になり、一戸建て住宅に見られるような「空き家問題」をはるかに超える社会問題となるのは容易に想像ができることです。
ようやく始まった! とも言える「不明区分所有者の決議権除外」は、もちろん多くの関係者の賛同を必要とすることですが、避けて通れない今日的課題と言えるでしょう。
元記事は日本経済新聞