刑事事件にまで発展した2021年7月の静岡県熱海市の大規模土石流ですが、8月7日斎藤栄熱海市長は住民説明会にて「国や県による工事が予定通りに進めば、来年夏ごろに警戒区域の指定を解除できる」との見通しを明らかにしました。
土砂災害警戒区域は宅地建物取引業法で説明義務のある「土砂災害防止対策推進法」にもとづくものですが、熱海市伊豆山地区は災害対策基本法に基づく警戒区域に指定され、現在立ち入り禁止区域になっています。
そのため区域内の住民約200人は避難生活を余儀なくされています。避難当初は「契約から2年」を目途としていた公営住宅などの家賃補助を、避難先から引っ越しできるまでを期限とし引っ越し費用も市が負担することになりました。
昨年の土石流による死亡者は関連死含め27人、1人が行方不明になっています。住宅は98棟が損壊し甚大な被害となりました。
前所有者・現所有者とも刑事告訴され、損害賠償を求める民事訴訟も起きています。
静岡県は大規模土石流の起点となった盛土で、現在まだ残っている土砂について旧所有者に対し、9月5日を期限とする措置命令を出し応じなかった場合は、強制的に盛土を撤去する行政代執行を行うとしています。
国や県は河川の改修工事もすすめており盛土の撤去が行われると、1年ほどで「警戒区域」の指定を解除できる見とおしです。
元記事は日本経済新聞