住宅関連事業を営むナイス株式会社は、2022年6月、『彩りある未来』を想創するとの企業理念を制定し、既存事業の深化そして新規事業の推進を方針としてすすめてきました。
このほど2022年上半期の決算を行い、新しい方針に基づく事業の推移について検証しました。
売上高は増加したものの営業利益は大きく減少し、現在のエネルギーをはじめとした厳しい経済状況が伺えますが、今後の住宅業界における方向性を示すトピックスを同社の取組みから確認していきます。
建築資材事業の売上増についてみると、特定の木材産地に頼らず日本全国にある多種多様な優良材に注目し、ストックを増加させ安定供給に取組んだ「多産地連携システム」の結果といえます。
さらに住宅1棟分の木材については、構造材・羽柄材・内外装材をパッケージ化し国産材で提供する「国産材プレミアムパッケージ」の提案が功を奏しました。
さらに従来は輸入材に頼っていた木造軸組住宅の横臥材を国産杉材に転換し、構造計算の実施により国産杉の可能性を広げ製材歩留まりの向上にも成功しました。
2025年の省エネ基準適合義務化に向けては、工務店のサポートを行う「ナイスサポートセンター」において、工務店やビルダー向けのエネルギー商材はじめ建材すべてをトータル提案し、ZEHに容易に取組めるようサポートする「スマとく」を開始しました。
一方来期以降も見すえて既存住宅の流通を強化・拡大する必要があり、首都圏の中古マンション買取再販事業やリノベーションマンション提供に注力してきました。
新築住宅着工数の減少はますます進み、住宅業界は厳しい状況がつづきますが、「木」を中心とした事業展開と、SDGs、脱炭素、地球環境保護といった社会的なテーマに貢献していくとしています。