これは都心に限ったことかもしれないが、賃貸物件の稼働率が大きく改善している印象を受ける。
特に都心のファミリー物件は、空室がかなり少ない。
不動産価格が上がってなかなか手が出せないユーザーがファミリー賃貸に流れていることと、単純に供給数が少ないことが理由だろう。
また、都心の高級マンションも賃料が上がっている印象だ。
先日、とある城南エリアの築浅賃貸物件の募集賃料の推移を調べる機会があったが、賃料が5万程度値上がりしていた。
ここ近年では見られなかった傾向だ。
こうした市場の変化に対してユーザーとしては、限られた選択肢で最適な物件を見つけたいところだ。
しかし、より良い物件はすぐに他のユーザーに取られてしまう。
改めて物件を探すか、一旦引っ越しを見直すか、の検討をしていかなければならない。
また、このような状況は仲介会社にとってもなかなか厳しい状況のようだ。
なによりも空室が少ないことから広告宣伝費が取れなくなり、成約単価が減少してしまうことで売上が伸びづらい。
さらに都心への流入によって引っ越し検討者は増えているものの、同業他社との「物件の取り合い」の競争も激化している。
コロナ時と同じ営業手法では、なかなか売上が伸びづらいだろう。
しかし、こうした環境下でもしっかりと売上を上げ続けている仲介会社は勿論存在している。
しっかりとユーザーと関係を構築し、高い成約率をキープし、しっかりと収益を上げている仲介会社もいるのだ。
また、こうした競争が激しい状況下でしっかりと成果を上げる仲介会社の特徴として、「内見からの成約率が高い」ことがあげられる。
空室が少ない市場でユーザーに「納得してもらって」、しっかりと申し込みを獲得できることがポイントになる。
そこで、今回は内見からの申込率の高い仲介会社が実践している営業テクニックを紹介してみたい。
部屋内の案内の順序
実際に部屋に入ってなんとなく居室や水まわりを案内してしまうと、ユーザーの意識は集中しづらい。
まず内見の順序として、
1.玄関
2.メインの居室(リビング)で荷物などを置き
3.水回りの案内
4.他の部屋の紹介
5.最後にもう一度メインの居室に行く
がベストだ。
いきなり水回りを案内するとその水回りの印象が強くなるし、そもそもリビングが一番光も入り雰囲気も良い。
生活の主体となるところを起点として案内を行うことが基本だ。
喋りすぎない
部屋に入って延々とユーザーに喋り続ける営業メンバーもいるが、これはあまりオススメできない。
ユーザーとしては自分の住む部屋なので集中して物件を見ていきたい。
営業としては、まずはユーザーの反応やリアクションをしっかりと見ることが大事だ。
勿論、内見の終了時はしっかりとユーザーに話していかなければいけないが、最初は「沈黙」がベースである。
営業として素直な意見を適宜述べる
喋りすぎてはいけないが、全くむっつりして言葉を発しないのもよくない。
たとえば、日当たりが良い場合はしっかりと「日当たりは良いですね!」と伝える。
内見時の基本は沈黙がベースでユーザーの反応を見るものの、物件のポイントとなる箇所に対してはしっかりと営業としての「主観」を伝えることも忘れてはならない。
ユーザーからすると、第三者の意見はやはり聞きたいところなのだ。
物件の良いポイントは、しっかりと伝えることを忘れてはならない。
コンセントの位置、採寸などの実施
ユーザーが物件が気に入っている様子であれば、コンセントの位置や採寸などを実施する。
コンセントの位置の確認や物件の採寸は申込後に要望を頂くことが多いことも理由のひとつだが、それ以外にも「実際に住んだ際の生活イメージが湧きやすい」という効果もある。
物件に対してユーザーが前向きになっている場合は、採寸を実施していくことがおすすめだ。
テストクロージングの実施
新人の営業メンバーで苦労するのが、「クロージング」である。
強いクロージングをすることに抵抗感がある営業メンバーも多いだろう。
そんな場合は、テストクロージングの実施をおすすめしたい。
内見時であれば、「この物件で生活するイメージは着きますか?」や「この物件で申込する際に懸念点はありますか?」など、直接的でないにしろユーザーの意思を確認できるような質問を投げかける。
勿論、テストクロージングを行う場合はユーザーが物件を気に入った場合に限る。
沈黙をベースに必要なところで営業が自身の感想を述べ、そのうえでユーザーが気に入っている状態の場合にテストクロージングを実施しなければならない。
しっかりと物件の希少性を伝える
「早く申込をしないと無くなりますよ」と言う言葉は真実ではあるが、そのまま伝えるとユーザーは抵抗感を感じてしまう。
内見した物件が希少な物件であれば、しっかりと相場感やその希少性を伝えなければならない。
現時点で空室であることの重要性や他のユーザー需要などをロジカルに伝えることがポイントだ。
その物件で生活した際の1日のイメージの共有
仮にその物件に入居した場合の、1日のイメージを共有する。
最終的にユーザーは「この部屋で生活できるか」どうかで判断する。
「生活のイメージができますか?」という言葉だけでも良いので、しっかりとユーザーに「想像してもらう」ことが重要だ。
以上のような内見時の接客ポイントをしっかりとおさえることで、成約率は向上していくだろう。
冒頭に述べたように、今後はより賃貸仲介営業の競争は激化していく。
細かい営業施策を徹底できたかどうかが、売上の鍵を握っていくことは間違いない。
是非、試してみて欲しい。
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