空き家・空室を買取・再販する4つのステップ

不動産を買取をするために空き家マーケットへの参入検討している不動産会社様も多いと思います。

只、どのように空き家にアプローチすればいいのかわからない・・そんな人も多いのではないでしょうか。

今回は空き家・空室を買取・再販するための方法を4つのステップで紹介したいと思います

空き家・空室を買取・再販する4つのステップ

  1. 空き家調査を行う
  2. 反響を取る
  3. ヒアリング・買取
  4. 販売(仲介)

基本的にはこの4つのステップで空き家の買取・再販を行っていきます。

1.空き家調査を行う

まず一番大事なのは「どの物件が空き家なのか調査すること」です。

これは非常に大変ですが、空き家を買い取りしたいのであれば、足で情報を稼ぐ必要があります。

では実際にどのように空き家を調査するかというと、以下のような流れで行っていきます。

  • 町を周り、空き家候補をピックアップ
  • ピックアップできたら、何度か同じ現地を見て、郵便受けのチラシ等、状況が変わっていないか確認
  • ガス・水道メーターが動いているか確認
  • 近隣住民と仲良くなり、空き家についてヒアリング
  • 登記を見て所有者が誰か確認

0から空き家開拓ってかなり大変です。これまでトライしたという業者さんはたくさんいると思いますが、大体第一関門で躓いて辞めてしまいます。

2.反響を取る(ダイレクトメールの場合)

第1ステップで空き家をたくさん見つけました。次はその空き家に対して一斉ダイレクトメールを送ります。

空き家へのダイレクトメールのコツは、複数回送ること。

空き家といってもまるっきり放置されているケースはほとんどなく、数カ月に1度所有者様(若しくはご親族)が様子を見に行きます。その際に、溜まった郵便物をチェックするのですが、数か月経つととんでもない量になることも。その為、一回のダイレクトメールでは埋もれてしまうので、複数回お送りし少しでも目に入る可能性を高めていくのです。また、最初から売却したいと考えている所有者様は稀なので、何度も「空き家売却」の文字に触れることで初めて動き出すのです。

その為、少なくとも同じ所有者様へ5回はダイレクトメールを送るようにしましょう。

【参考】空き家に対してダイレクトメールを行った場合の反響率

以前空き家2000件に対してダイレクトメールを郵送した際のアプローチ結果は以下の通りです。

DM送付数 2,000件
手元に届いた 1400件
反響 40件(約10件はお断り)
査定依頼チャンス 30件

いかがでしょうか。意外と反響ありますよね。

しかも査定依頼まで結びつくケースが結構あります。所有者様は実は空き家をどうしようか悩んでいるのです。

尚、反響を取る方法は、ダイレクトメール以外にもたくさんあります。

  •  所有者訪問
  •  現地直接投函
  •  直接訪問時の現地でのヒアリング
  •  電話

但し、まとまった反響を取るといった意味ではダイレクトメールが有効といえます。

3.オーナ―様からヒアリング・買取

ここが一番重要です。

反響のあったお客様をお伺いし現況確認・物件をどうするかしっかりとヒアリング行います。

所有者様からヒアリングすることは当たり前のことですが、私が空き家所有者様を訪問してまずやったことは、「ひたすら話を聞く」ということに徹したこと。ひたすら話を聞き9:1の割合で喋るのです(喋るというか相槌です)。

相槌を打って、ずーっと喋ってもらう。とにかくこれをやり続けました。

「人間は自分の話を誰かに聞いてほしい」という心理を持っています。特に所有者様はご高齢の方が多いので話を聞いているだけでも喜んでいただけます。

そして話を聞き続けることには2つのメリットがあります。

まず1つ目が「自己解決してくれる」という点です。これは面白い現象で、話を聞いているだけで自己解決していってくれるという現象が起こります。普段なかなか考えない空き家のことも誰かに話をしていると、「あっそうか、こうしたらいいんだ」と答えを見つけてくれます。

2つ目は信頼してもらえるということです。話をとにかく聞くことで「自分のことを理解してくれている人」と思って信用してくれます。

ここまでくれば、「この人は信用出来て、私のこと分かってくれる人だから、ちゃんとやってくれるだろう」と所有者様が思ってくれます。こうなればここから先はトントン拍子で進んでいきます。

補足ですが、反響をくれた人は「自分の中で売らなければいけない」というゴールを持っている人がほとんど。そういう方々は誰かに背中を押してほしいだけの状態なので、ポンっと押してあげればいいのです。

信頼関係が構築できると「もう任せるわ」と言われます

お客様から信頼を得て、「売る」というゴールが明確になりました。ここまでくれば具体的に話を進めていくのですが、ほとんどの場合所有者様はアイミツを取りません。私はあえて「他社の話は聞かないで良いんですか?」と聞くと、「もう任せます」という答えがほぼ100%返ってきます。

この時の所有者様の心理は正直分かりかねるため、私なりの推論ですが所有者様は同じ話をまた違う人にしたくないのではと考えています。

空き家の所有者様は、空き家に至る経緯や、自身の家族関係に少なからず負い目を感じていることが多いです。只、ナイーブな分誰かに聞いてほしいと思っています。その為、たまたま出会った1社目の不動産会社の担当者にはすっきりするまで、話をしてくれます。その後、別の不動産会社へ全く同じ話しをするのは既に話し切ってすっきりしているので、面倒くさく感じてしまいます。また、長話になることが多いので、体力的にもしんどくなってしまうのです。

その為、空き家所有者様のお話をしっかり聞いてあげれば、他社へ逃げずらくなり、心理的な専属専任を結ぶことができるのです。

3つのステップで信頼関係が構築できていれば、預かる・買い取るの話になってもスムーズに進めることができます。

4.販売(仲介)

ここからは売り上げを上げる再販です。

買取した空き家・空室の場合、そのまま販売できる状態であることは少ないです。その為、多くの場合はリノベーションをかけて再販します。

リノベーションの方法や販売までの方法は、空き家だから特殊ということはありませんので、割愛します。

※実際に空き家を買取・再販したときの事例は別の記事でも解説しています。
空き家・空室からの仕入れ・販売事例【粗利も見せます】

空き家・空室の所有者は相談先がない

余談ですが、空き家・空室の所有者様は「どこに相談していいのかわからない」と悩んでいる方が大勢らっしゃいます。そしてそのまま放置してしまいます。不動産の売買は面倒くさいイメージがあるためです。

価値総合研究所が26年に空き家所有者様にアンケートを実施したところ以下のような結果となりました。

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空き家を所有している方の7割が何もしていない現状があります。

何もしていない理由は複数の理由が重なって様々であることが多いですが、こうした所有者様にアプローチしてお預かり・買取をすることは所有者様・不動産仲介会社・国・地域、三方よしの状況を生み出すことができます。

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