「【民間資格】賃貸不動産経営管理士」は2022年6月15日をもって終了し、「【国家資格】賃貸不動産経営管理士」となることが決定しました。
そして継続して資格を所持するためには、「移行講習」の修了しなくてはなりません。
よって「移行講習」を令和4年6月15日までに修了されなかった方は、現在持っている管理士証の有効期限に関係なく6月15日をもって終了し、その効力は失われてしまいます。
今回はどのようにしてせっかく取得した賃貸不動産経営管理士を適切に移行することができるかを解説していきたいと思います。
賃貸不動産経営管理士とは?
まずは賃貸不動産経営管理士の概要に関して説明します。
賃貸不動産経営管理士とは、2022年まで実施される民間の試験によって「主に賃貸アパートやマンションなど賃貸住宅の管理に関する知識・技能・倫理観を持った専門家」であることを認められた者に対して与えられる民間資格です。
近年管理の複雑化が進んでいる賃貸住宅において、適切に維持・管理を行うことは非常に難しくなっています。そこでこれらを円滑に行うことが出来るよう資格制度が導入されました。特に賃貸住宅の管理方式の1つである「サブリース方式」について契約条件を誤認するトラブルが多発していることなどから、こうした問題を解決することができるプロフェッショナルとしての役割も担います。
賃貸住宅の管理業においては強く求められる資格となっており、こうした社会的ニーズの高まりから国家資格への移行が決定したのです。
宅建士との違いは?
不動産業務にまつわる資格は数多く存在しますが、中でも代表的な者が「宅地建物取引士」です。宅建と通称されますが、こちらも制度移行後の賃貸不動産経営管理士と同じく国家資格になります。
賃貸不動産経営管理士と宅地建物取引士との主な違いは、前者が主に「重要事項の説明」「重要事項説明書への記名と押印」「契約書への記名と押印」などの入居するまでの業務を主とする一方で、後者は賃貸物件における借り手と貸し手双方に対し、入居後の業務を遂行することが主な役割といえる点です。
賃貸不動産経営管理士の業務内容
それでは、賃貸不動産経営管理士の仕事内容をさらに詳しくみていきましょう。
賃貸不動産経営管理士の主な業務は賃貸物件の管理となっており、その他にも入居募集、入居審査、市場調査、企画立案、入居者間のトラブル対応、原状回復工事などがこれに当たります。ご覧いただければわかるように業務内容は多岐に渡るうえ、高度な専門知識も問われます。
賃貸不動産経営管理士の資格を取得していると、不動産業者として他者との差別化が図れるほか、賃貸物件のオーナーに必要な知識を学ぶことが出来たり、就職や転職で履歴書に書ける資格となっています。
「国家資格」賃貸不動産経営管理士に移行するには
前述のとおり、賃貸不動産経営管理士は「民間資格」から「国家資格」に移行します。
そのため、2020年度以前に試験に合格し登録した人であれば、必ず「移行講習」を2022年6月15日までに修了するようにしましょう。もしこれを終了しなかった場合、既に持っている資格はその有効期限にかかわらず6月15日をもって失効してしまいます。
なお、国家資格を移行するにあたって何をすべきかは以下の3つの状況によって異なりますので注意してください。
【民間資格】の方に合格したが登録していない場合
2020年度以前の賃貸不動産経営管理士に合格しているにもかかわらず、「【民間資格】賃貸不動産経営管理士」の登録を済ませていない方は、まずは賃貸不動産経営管理士協議会のHPから民間資格の登録手続きをしてから移行講習を申し込みます。以下のURLにお進みください。
期限内に【民間資格】の登録申請をし、「移行講習」を修了しなかった場合は、期限を過ぎた後に【国家資格】を取得することが出来なくなります。
なおこちらの最終申請期限は2022年4月30日(土)までとなっておりますのでご注意ください。
【民間資格】の有効期限が切れいている場合
2020年度以前の賃貸不動産経営管理士に合格した上で登録も済ませたものの、その有効期限が切れている場合は、【民間資格】賃貸不動産経営管理士の方を手続きに従って更新し、その後に移行講習を申し込みます。
こちらも期限を過ぎた後は【国家資格】の方を取得できなくなってしまいます。
最終申請期限は2022年4月30日(土)となっておりますのでご注意ください。
登録済み/有効期限内の【民間資格】を持っている場合
2020年度以前の賃貸不動産経営管理士に合格しており、登録も済ませていて有効期限が切れていない。さらに【国家資格】への移行手続きが完了していない場合は以下のURLから移行講習の申込みページから移行講習を申し込みましょう。
同協会の協力機関のページに移動します。
なお最終申込期限は2022年5月15日となっておりますのでご注意ください。
まとめ
いかがだったでしょうか。以上のように賃貸不動産経営管理士をお持ちの方は、"民間資格"から"国家資格"へ移行しなくてはなりません。
その際、自分が保有している"民間資格"の状態によって次のアクションが異なりますのでご注意ください。
特にまだ登録を済ませていない方や有効期限が切れている方は4月30日までに動き出さないと失効してしまうので、なるべく早めに動き出しましょう。