こんにちは!
不動産業界特化型のマーケティングオートメーションツール「KASIKA(カシカ)」の屋代です。
前回に引き続き不動産仲介会社様がマーケティングオートメーション(MA)を導入する際に注意すべきポイントについてご説明したいと思います。
今回はある程度の会社規模になってくると起こりがちなケースについて、詳しくみていきたいと思います。
6. 営業部門とマーケティングやシステム部門の連携が取れていない。
従業員数5名程の会社様であっても、MAを導入し効果をだしている会社は数多くあります。
こうしたケースの場合、社長様や営業責任者様が新しい試みに前向きで、文字通りオーナシップを持って、案件推進を取って頂くケースが多く、結果MAの導入も非常にスムーズに進みます。
一方組織規模が100名を超える会社規模になると、営業部門、マーケティング部門、システム部門といった形で組織が役割と目的に応じて、細分化されてきます。
我々のようなMAのサプライヤーもこのことを念頭に、営業部門だけではなく、折をみて、マーケ部門、システム部門とコミュニケーションを取らせて頂き、MAの導入メリットを各部門毎に伝え、導入に向けての課題や目的などといった認識のすり合わせを行っていきます。
表向きの目的は、MAの導入推進ですが、裏目的としては、組織間の連携でネックとなる所はないのか?事前に把握しようとする狙いもあります。
どのシステムやサービスもそうですが、MAは導入して終わりではなく、導入してからがスタートなので、導入後の運用や効果的な利用方法をするにあたり、各部門の協力を得るのはとても重要だからです。
うまくいく会社とうまくいかない会社
業績が右肩上がりで伸びていて、かつお客様の評判も良い会社さんは、部門間の連携が取れており、こちらが言い出す前に、システム部門の方やマーケ部門の方とのMTGをセットして頂けるケースが多いです。
一方で「では次回は、●●部門様をご紹介頂けますか?」との申し出に、
「マーケはいいです。話がややこしくなるので…。」
「システム部門は営業の事分かっていないので、こちらで調整しますよ」
といった部門間をまたいだ調整についての難色を示す場合は、注意を払うようにしています。
決裁権は営業部門で持っているケースが多いので、そのまま導入までは漕ぎつけますが、導入後に実際のMAのコンテンツ設定やシステム設定について相談すると、営業部門では処理しきれずに、
「マーケと調整してください」
「システム部門とやり取りして!」
といった形で、処理ルートも不鮮明のまま、サプライヤー側で調整を一任されるケースが想定されるからです。
サプライヤーサイドも、せっかく導入して頂いたので、右往左往、色々頑張りますが、部門間の風通しは、会社の文化や長年の習慣なども絡んでいる場合が多く存在します。
外部のサプライヤーが頑張っても、結局徒労に終わったり、「何も分かっていないのに、現場をかき乱さないでください」といった恨み節を受け、結果的に導入が進まない。
という事例も良くみかけます。
原因は部門間の連携不全
結局MA導入は失敗に終わり、しばらくして別のMAサプライヤーがその会社にMAの新規提案をした際に、
「前回導入されていたMAはどうだったんですか?」という質問すると
「部門間連携が上手くいかずに失敗しました」という回答はほぼ返ってきません。
「うちでは、使いこなせかった。」「ちょっとタイミングが合いませんでした。」
というそれっぽい回答の裏側には、「組織間の連携不全」という重い経営課題が見え隠れてしており、サプライヤー側もうすうす気づいているが、正面切っては言わない。
という大人のやり取りが横たわっているケースもあります。
※もちろん組織間連携が上手くいっているが、導入が上手くいかないケースも沢山あります。
そのケースはまた別の機会にお話できればと。
導入担当者が気をつけたいこと
もしあなたがMAの導入責任者である場合、導入しようとしているMAがどの程度、マーケ部門、システム部門との調整が必要なのか?事前に把握しておくと良いでしょう。
ハイエンド型のMAの場合、できる事が多い代わりに、マーケ部門・システム部門との調整が不可欠のケースが多いです。
もし諸事情により、各部門間の調整をできるだけ少なく、MA導入を進めたい。
という場合は、導入に際し、マーケ部門、システム部門との調整が少ないMAを選ぶ。というのも解決策となり得ます。
MAで営業効率や追客効率が劇的にアップするのは間違いないですが、組織間のコミュニケーションに魔法はないかと思います。
「MA導入しようと思ってるんだけど、マーケ視点で懸念点とかない??」
まずは、気軽に部門間でコミュニケーションを取って、MA導入を一緒に成功させよう!という初めの一歩を、導入担当者様が取って頂けるとこちらとしても嬉しいですし、やっぱりそんな企業様や導入担当者を応援したくなるのです。
まとめ
MAはきちんと活用すれば、非常に効果的なツールですが、会社規模が大きくなるにつれて、営業部門だけではなく、マーケ部門、システム部門など色々な部門との調整や協力が必要となってきます。
まずは先述のような、「部門をまたいだ気軽なコミュニケーション」を常日頃から心がける事で、担当者間での信頼が少しづつ生まれ、その積み重ねが、たとえ大きなプロジェクトであっても、相互で連携していく土台になっていくのでは?と感じています。
MAやCRMといったシステムも、結局はその会社をより良い方向に導き、お客様に喜んで頂く為の仕組みです。
会社がより良くなるための仕組みを導入するのに部門間で対立するのは本末転倒もいいところです。
このコラムを読んでいる皆様には導入担当者として、ぜひ自部門の良さだけではなく、他部門の良い点や感謝している点を胸に秘め、MAの導入推進にあたって頂ければと思います。
次回はMAを導入する注意点についての最終パートとなります。
MA導入を検討しているが、今ひとつ踏み切れないという方はぜひ参考にしてみてください。
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