これから不動産営業に転職を考えている方は、不動産営業がどんな仕事内容なのか中々わからないものです。
今回は不動産営業の種類別に分解して、それぞれどんな特徴があるのかお伝えさせていただきます。
まず不動産営業は以下の3つの種類に分けれらます。
- 反響営業
- 源泉営業
- 紹介営業
不動産を売るという行為は共通してますが、この3つでやり方が結構違います。
下の図を見てください。
「不動産を売る」ためには、ざっくり分けると「集客」と「営業」があります。
3種類の営業はゴールとなる「不動産を売る」というゴールは一緒ですが、集客をどこまでやるかが変わります。
今回は3種類の営業別にどんな職種があるか、どんな働き方か、どれくらい稼げるのかを考察してみたいと思います。
不動産営業の3つの種類
つらさ | 稼ぎ | |
反響営業 | そこそこツラい | 悪い |
源泉営業 | かなりツラい | 良い |
紹介営業 | ツラくない | 良い |
1.反響営業
反響営業は字のごとく反響があったお客様に接客をすることです。
よく不動産会社の求人の募集要項で書かれていますね。
反響営業でよくある職種としては
・売買仲介
・新築建売販売
・新築マンション販売
この4つが反響営業に多い職種です。
基本的には、チラシやネット広告で反響を取得し、そのお客様に対して営業をします。
多くは順番性を敷いています。
反響自体は、店(会社)が用意してくれるので営業に注力することができます。
逆に言うと他の不動産営業マンのライバルとの差別化が集客によってできないので、工夫するポイントは少なくなってしまうでしょう。
ただ、自社の提供する物件に関心を持つお客さんを相手にするため、比較的成約につながりやすい営業手法と言えます。
また、お客さんへの問い合わせ対応や仲介のサポートをすることで「ありがとう」と感謝の言葉をもらえたり、接客面でやりがいを感じながら仕事をすることもできます。
他にも、自分でお客さんを見つけなければならない営業と比べ、アポイントが取れないなど精神的プレッシャーは比較的小さいと言えるでしょう。
飛び込みの営業などは迷惑がられたり怒られたりもするので、それに比べると話も聞いてもらいやすく、自分のペースで営業することができます。
反響営業のきつさ
不動産営業にかかわらず、営業全般で一番つらいのが見込みとなるお客様を見つけること。
反響営業はこの見込み客を見つけるという行為を会社がやってくれるので、比較的楽だといえます。
只、ここで気を付けてほしいのが、チラシをメインで集客してる会社。
このチラシ配布を自身でポスティングしなくてはいけない場合があります。
自分でポスティングしたチラシからの反響は自分のものというルールのため、ポスティングをしっかりしないと集客ができません。
確かに反響営業ではありますが、つらさは源泉営業と変わりません。
最近はだいぶネット集客に移行してきたため減ってきてはいますが、気を付けてください。
反響営業の稼ぎ
他の営業の種別と比較すると、やや稼ぎは悪いです。
売れる人で年収1,000万円程度じゃないでしょうか。(只、扱っている金額が大きいので、他の業種の営業よりは稼げる傾向にあります)
やはり、一番大変な集客の部分を会社がやっている=広告費をかけているため、ある程度しょうがないとは思います。
反響営業の実体験については別の記事でも解説しています。
ホームページの反響が増えない不動産会社は”CTA”を改善しよう
反響営業に必要なスキル・コツ
反響営業はある程度相手が関心をもっている状態で商談が始まりますが、それに託けてしっかりと相手のニーズを汲み取れなければ成約に繋げることはできません。
ますはお客さんの話をじっくりと聞き、現在の状況や希望条件を的確に捉える「ヒアリング力」が必要になります。
ただ一辺倒の営業トークをするのではなく、相手の状況や希望に応じて適切な提案をしていくために、まずはしっかりとしたヒアリングを行いましょう。
もしかしたら関心を持っている商材以外により最適な商材があるかもしれませんし、相手の条件に1番見合ったものを見極め提案するのも大事なポイントです。
また、問い合わせを受けた際に「どこよりも早く返答すること」も重要になります。
物件探しなどはより良い物件を見つけるために、複数の業者を周ったり、同時に多数の業者に声をかけることもあります。
期限付きの物件探しなどは特に、1番返答が早かった会社でそのままスピーディーに成約してしまうこともあります。
いかに迅速な返答ができるかが営業活動の命運をも分けてしまうので、反響対応の体制もしっかり整えておきましょう。
2.源泉営業
源泉営業とは、見込みとなるお客様の発掘から契約までの全てを営業マン自身で行います。
営業手法としては「飛び込み営業」「電話営業」「メール」「キャッチ」などがあります。
源泉営業でよくある職種としては
・新築マンション販売
・新築建売販売
・マンションor土地の買取業者(BtoB)
・ワンルーム系の売買仲介
飛び込み営業はtoCであれば自宅に突撃します。
最近は減りましたが、昔は新築マンション販売や新築建売販売でよくありました。
toBでだと、売買仲介会社に飛び込んで物件を買わせてくれという買取系の会社が多いです。
電話営業は、ワンルーム系の会社がよく行います。
名簿の上から順番にひたすら電話をして、ワンルームを買ってくれor売ってくれを行います。
受話器にガムテープぐるぐる巻きのあれです。(最近はインカムに進化したので過去の産物です)
キャッチは新築マンション販売や新築建売販売がよく行います。
よく駅前でサンドイッチマンになってたり、ビジネス街で名刺交換したりしてるあれです。
道端の人から個人情報を取得して、その後電話で追客をします。
源泉営業のきつさ
見ていただければわかる通り、源泉営業はかなりきついです。
源泉営業では数を打つことが求められ、物件に興味がない人にもアプローチをかけるため、断られることの方が圧倒的に多く精神的なダメージも大きいです。
そんな中でも成果を残せるのは、10人いて1人~2人程度ではないでしょうか。
また、気合と根性が大事なため、上司の詰めもきつめな傾向があります。
多くの方は、何をやってるんだろう…と考え転職していきます。
只、見方を変えれば世の中にこれ以上つらい仕事はあまりありません。
一回やっておくと他の仕事が楽に感じるようになるメリットはあります。
他にも、興味がない人の気を引く話術が求められるため、数をこなすほど営業トークも磨かれます。
営業として飛躍的なスキルアップを目指したい方には大変おすすめです。
源泉営業の稼ぎ
会社として広告の経費がかからないため、営業マンに還元されるインセンティブは多めです。
そのため反響営業と比較すると稼ぎはいいです。
売れる人なら年収2,000万円はざらじゃないでしょうか。
よく「20代で年収1,000万円!」といってる会社は大体ここに属します。
売れない営業はクビにして、売れる営業だけ残っていく。
そういう図式になっています。
源泉営業に必要なスキル・コツ
源泉営業はとにかく数多くの潜在客へアプローチをして見込み客を見つける、もしくはニーズを引き出して新規顧客を見つけなければいけません。
ひたすら営業活動し客を見つける、徹底した「行動力」が求められます。
もちろんアポイントが取れたとしても決して受け身の姿勢にならず、自ら進んで能動的に行動することが大切です。
また「コミュニケーションスキル」も重要になってきます。
気の無い相手の関心を引くためには説得力のある話術が必要ですし、会話の中で相手の意図を汲み取り、潜在ニーズに応える提案を行わなければなりません。
また、頻繁にコミュニケーションをとることで親近感や信頼関係を築くことができ、提案も受け入れられ易くなるため、こまめにコミュニケーションをとることも忘れてはいけません。
3.紹介営業
既成顧客から紹介をもらったり、弁護士や司法書士の士業から紹介をもらったりします。
一種の源泉営業です。(怪しいサークルを開くのもここに属します)
紹介者と営業(紹介を受ける側)にはすでに一定の信頼関係があるため、そのまま受注につながることも珍しくなく、とても有効な手段と言えます。
ちなみに紹介営業は全ての職種で行えますが、会社単位というよりかは個人単位でやることが多く、営業の理想形と言えるでしょう。
その代わりやろうと思ってやれるものではないです。
紹介をもらえる人脈やルートが確立していれば、独立しても問題ないと思います。
只、仕業からの紹介になってくると、売買賃貸仲介か、買取業者が多くなります。
これを仕組化している会社も中にはあります。
型案件が多くなり、かつ確度も高いのでとてもやりやすいです。
紹介営業のきつさ
しっかり紹介が回ってれば基本的にきつさはそれほどないです。
営業は一番最初の警戒心を解くのが大変なので、基本的に自分の人となりを分かっている人がお客様になるのでとてもやりやすいと思います。
他の手法で営業活動を行うよりも短時間で関係性を構築でき、成約率も高くなるといったメリットもあります。
只、一度紹介が途切れたり、一度信頼を失うとリカバリー策が少ないので、一気に手詰まりになるケースも。
紹介だけに頼らず、反響営業や源泉営業と組み合わせてやるのがベストだと思います。
紹介営業の稼ぎ
独立してる人が多いので、売上=収入になります。
広告費もほぼかからないので。(接待交際費はかかりますが)
只、できる人が限られるので組織化はしづらく、ずっと自分が動かなくてはいけません。
反響営業や源泉営業だと、営業→管理職というステップがありますが、紹介営業は生涯営業マンです。
本当に営業が好きでないとできないものとなります。
紹介営業に必要なスキル・コツ
紹介する側(元顧客)は営業との信頼関係や、有意義な売り買いができたときに初めて誰かに紹介したいと思います。
それを別の誰かに勧めることで自分も感謝されたり、言い広めたいなどのメリットがなければ紹介しようとは思いません。
スキルというのとは違うかもしれませんが、自分が紹介されるに相応しいマナーや態度、服装を心がけるのはもちろん、顧客との関係性や満足度をしっかりと得られるよう心がけましょう。
そしてコツはなんといっても「紹介者の人脈を作る」ことです。
まずは身近な社内からスタートし、同じチーム内からの紹介は難しいと思うので、他部署とコミュニケーションをとり、自分が取り扱う案件や紹介してもらえそうな人がいないか尋ねてみましょう。
また管理職など上の人にいくほど人脈も広く、連絡を取るのが難しい相手や取引先も紹介してくれるかもしれません。
普段から顧客を紹介してほしい旨を相手にきちんと伝え、幅広くコミュニケーションをとることを心がけましょう。
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まとめ
不動産営業の3つの種類「反響・源泉・紹介」違いを解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
営業といっても三者三様で、難しさややりがいも異なり、全く別の職種といっても過言ではないでしょう。
自分の得意不得意を見極めて転職をしたい方や、目指す営業のイメージを湧かせたい方など、これから不動産営業に転職を考えれらえている方の参考になれば幸いです。
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