不動産取引の媒介契約を電子契約で行う方法

不動産媒介契約において電子契約が本格運用されると、これまでの「不動産査定」から「媒介契約」までのプロセスがショートカットされ、AI査定から媒介契約までがワンストップで可能になります。
不動産仲介会社はこれまでの媒介獲得戦略について、見直しを図るよい機会にもなります。
ここでは媒介契約を電子契約に移行すると共に、AI査定を活用した媒介契約促進策について考察します。

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媒介契約が電子化される背景

媒介契約は売買あるいは賃貸取引において、依頼者が不動産会社に対して業務委託する契約です。
業務報酬は取引成立をもって発生する「成功報酬」であり、一般的な業務委託契約と異なり依頼者が負うリスクはほとんどありません。
また業務委託にあたって1社が独占して業務を担うこともあれば、同時に複数の会社に業務を依頼する契約形態が可能です。

業務報酬や業務期間(一般媒介は除く)についても上限が設けられており、依頼者が不当な報酬請求を受けることはなく、依頼業務が未成のまま業務期間が終了すると自動的に契約は終了する性格をもっています。
このことから媒介契約は必ずしも対面である必要はなく、宅建業法が定める契約内容を記載した書面交付に代わる手段があれば、電子契約でもまったく問題のない契約形態であると言えるでしょう。

一般的には媒介契約は不動産査定ののちに締結します。
査定を依頼された不動産会社は求めに応じて机上査定または訪問査定をおこない、査定書としてまとめた資料を郵送または訪問し届けています。
場合によってはメールに添付することもあるでしょう。

依頼者は複数の会社に査定を依頼し、そのなかから1社または数社を選択して媒介契約を締結します。そしてこれまで契約は対面でおこなうのが当然でした。
電子契約が可能になると媒介契約までのプロセスが効率化されます。さらにAIによる査定が加わりよりスピーディーな媒介業務に変っていくでしょう。

AI査定が普及する理由

不動産査定をAIがおこなうシステムは、大手仲介不動産会社の独自システムや小規模な不動産会社が参加するAI査定プラットフォーム、そしてAPI連携によるビルトインなど不動産会社での導入が進んでいます。
AI査定は不動産所有者などが直接Webページにて、不動産価格を調べることができるサービスです。
サイト利用者は無料であり短時間で査定結果が得られるため、従来の不動産会社が訪問査定するスタイルは減少していくと思われます。

不動産査定を人がおこなう場合に使用するデータは次のようなものになります。

・公示地価
・相続税路線価
・固定資産評価
・建築着工統計調査・住宅着工統計調査
・住宅・土地統計調査
・取引事例

AI査定はこれらのデータを組み合わせて短時間で、目的とする不動産価格を算出するプログラムであり、人がおこなうよりもきわめて短い時間で可能なものです。
参照するデータ量が多くなるほど、人が査定するよりも現実的な価格に近付き、精度の高い不動産査定が可能になります。

AI査定から自動契約まで

AI査定プラットフォームには次のようなタイプがあります。

・不動産仲介大手が自社ネットワーク会員企業の媒介獲得のため運営するタイプ
・不動産仲介大手が自社の媒介獲得のために運営するタイプ
・AI査定APIを提供するベンダーが集客方法として運営するタイプ
・ポータルサイトが参加企業の媒介獲得のために運営するタイプ

いずれも媒介獲得手段のひとつとなっていますが、今後は直接媒介契約までワンストップでおこなわれるサービスに変化していくと予想されます。

1. AI査定の初期画面で物件情報入力
2. 物件現況の画像データを送付
3. 査定結果表示
4. 媒介を依頼する会社候補の表示
5. 各社の詳細情報表示
6. 媒介依頼する会社選択
7. 媒介契約の内容表示
8. 媒介契約締結

フローとしてはこのようなものが予想されます。
不動産会社と対面することなく査定がおこなわれ、媒介契約まで締結される流れが一般化するかもしれません。
媒介契約の電子化は単に契約方法の変化だけではなく、媒介契約獲得のための業務フローを変え、対面重視であった営業戦略の変化を生み出すキッカケを作るものになると言えるでしょう。

まとめ

不動産査定は媒介契約との関連が非常に強い業務です。
不動産査定は媒介契約デジタル化の前にすでに、一括査定やAI査定など不動産会社に直接連絡することなく依頼ができるようになっていました。
媒介契約もオンラインでおこなえるようになることは、依頼者にとっても時間的な拘束がなくメリットが大きいと言えるでしょう。

不動産会社にとっては媒介獲得にかけるコストが減少し、AI査定の活用により査定業務も効率化されます。
このような変化は逆の影響も生みます。
依頼者との対面機会がなくなることは、仲介会社の差別化をアピールする機会を失うことでもあり、媒介獲得の競争が激しくなる可能性もあります。
仲介会社としての強みをどのように発揮するか、営業戦略の見直しが重要になってくるでしょう。

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