不動産電子契約のメリットとデメリットを知っておこう

非対面でおこなう電子契約がいよいよスタートします。

重要事項説明書や契約書の印刷・製本など、準備に時間がかかる不動産の契約が、パソコン・スマホで完了できるメリットは大きなものです。

電子契約を導入し活用するには、デメリットもあることを把握しておかなければなりません。
デメリットを補うために必要な準備こそ、いまやっておくべき大切なことです。

ここでは電子契約のメリットを活かすために必要な事前準備についてお伝えします。

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  • 何から始めればいいのか?
  • 導入したら何が起こるの?
  • どうやって社内で運用すれば良いのか?
  • それで儲かるの?

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電子契約のメリット

電子契約の導入によって得られる主なメリットは次の3つです。

1. 業務の効率化
2. コストの低減
3. オフィスのダウンサイジング

業務の効率化

電子契約のメリットは業務の効率化を図れることが最大です。
不動産の契約は2つのステップがあり、まず重要事項について記載した書面の交付と、書面にもとづきおこなう「重要事項説明」です。重要事項説明が終わると「契約の締結」となります。
説明の場所・契約の場所に制限はありません。契約当事者の自宅や職場など、そして仲介する不動産会社の事務所でおこなうこともあります。

また売買契約において売主が宅地建物取引業者の場合は、クーリングオフの関係があるので売主の事務所でおこなうことが多いですが、売主が業者以外であればさまざまな場所で重説および契約がおこなわれています。
重要事項説明は宅地建物取引士が必ずおこなうと宅建業法で定められており、移動があると1日にこなせる件数は3~4件程度です。
契約締結までを含めると午前中に1件、午後から1件とせいぜい1日2件が無理のないスケジュールといえるでしょう。

しかしIT重説では事務所にいながらこなすことができ、重説のみであれば1日に6~7件の説明が可能となります。
賃貸契約であれば説明項目が少なくもっとこなせると思います。
電子契約になると重要事項説明はIT重説でおこないますが、契約締結はメールで送信しておくと契約相手の都合で手続きしてくれます。
立ち会う必要や説明の必要もないため、準備さえ完了するとあとは締結手続きそのものに手間がかかることはありません。

さらに書面契約でおこなっていた書類の印刷・製本といった手作業がなくなり、業務効率は大幅に向上します。

コストの低減

業務の効率が高まるとコスト削減にもつながります。
用紙代・製本代・印刷代などの目に見える経費の削減と、契約当事者であれば印紙税がかからないのが最大のメリットです。

印紙税は次の文書に課税されます。

・不動産の譲渡契約書
・地上権の設定または譲渡契約書
・土地の賃借権の設定または譲渡契約書

「文書」にかかるのであって、電子契約の場合は課税されないとされています。
しかしここで疑問になるのが、電子契約とは契約文書をパソコンで作成し電子ファイルにして相手側に送付するのですが、文書であることに変わりません。

なぜ課税されないのか?

その理由は電子契約サービスのひとつであるクラウドサインを運営する弁護士ドットコムのサイト「サインのリ-デザイン」に、詳しく書かれているので参照してください。

参照:サインのリ-デザイン「収入印紙が電子契約では不要になるのはなぜか?—根拠通達と3つの当局見解」

不課税の根拠はしっかり押さえておく必要があるでしょう。

オフィスのダウンサイジング

宅建業法では取引台帳を作成し5年間の保存が義務づけされています。
契約時には重要事項説明書の控えや契約書の控えに添付資料など、膨大な文書類がテーブルに置かれるものです。
契約が終了するとそれら書類の控えもすべて保存することが多く、その期間は取引台帳に合わせて最低5年間おこなっているケースもありますが、万が一取引におけるトラブルにより訴訟になることもあります。

その場合に備え契約関係書類はできれば長期間保存しておくことが望ましく、期間は不法行為の時効に合わせて20年間が望ましいとも言われます。
書類の年間契約件数の多い不動産会社では、保存スペースに膨大な面積を必要とする場合もあるでしょう。
しかし電子契約になりすべての書類を電子化すると、このような保存スペースは不要となります。

また対面契約でおこなっていた打ち合わせコーナーや会議室なども不要になり、オフィスは最低限のスペースで済むようになります。
さらに店舗に来られるお客様がいなくなるなど、営業スタイルが変化すると1階にオフィスがある必要はなくなり、賃貸オフィスでは賃料の削減にもつながります。

【デメリット】電子契約のためにクリアしなければならない条件

不動産,電子契約

電子契約には大きなメリットがありますが、活用を図るには社内・社外での事前準備が必要です。

・相手先への対応依頼
・業務フローの変更
・スキル向上が必要

相手先への対応依頼

電子契約を本格的に採用しようとする場合、相手側も電子契約に対応する必要があります。

・賃貸や売買の契約当事者
・仲介を依頼する不動産会社や共同仲介会社

契約当事者には個人の場合と法人の場合があります。
個人ではITデバイスに不慣れな人もおり、対応できないケースもあるでしょう。
法人の場合はITに対応できないケースは非常に少ないと思われますが、組織の大きな企業では全社的な導入に時間がかかるといったケースも考えられます。

また電子契約サービスには複数の事業者があり、相手方が採用している電子契約サービスが異なる場合、どちらの方式を利用するのかを協議する必要がでてくることもあります。
とくに「当事者署名型」のサービスの場合は、このようなケースに遭遇する場合もあるでしょう。

業務フローの変更

契約書は契約当事者双方の合意にもとづき作成されます。
しかし合意に至るまでには作成をおこなう不動産会社や仲介会社など、関係する会社内でのチェックがおこなわれます。
社内の関係部署においては確認する項目がそれぞれあり、原案から最終案に至るまでは、これまで書面にもとづいておこなっていました。

電子契約に移行すると「ペーパー」がなくなり、社内においてもネットワーク上で確認・修正作業が必要になります。
ネットワーク上のチェックになった場合、これまでの業務フローが変わる可能性もでてきます。
とくに最終案の決済については次のようなポイントに注意が必要です。

・決裁権限者の明確化
・決裁の明示方法

これまでは「紙とハンコ」でおこなっていた決裁を、どのような方法でおこなうか社内ルールをしっかりと見直し、電子契約に相応しい業務フローの構築が必要です。

スキル向上が必要

電子契約に必要なWeb会議システムや電子署名サービスなど、ITソリューションはすでに整備されている状況です。
いつでも電子契約をおこなえる環境はすでに整っているのですが、小規模な不動産会社のなかには「電子契約」という言葉を聞いただけで敬遠する事業者も少なくありません。
不動産業は地縁によりビジネスが成り立つ事業でもあり、人のつながりで商売を継続してきた不動産会社は多いものです。
そのような会社ほどいまだに電話とFax、それに電子メールをときどき使う程度で、なんとか商売ができています。

電子契約は特別な知識は必要なく、すべてクラウドサービスを使うと簡単にできるようになっています。
にもかかわらず「電子契約」を敬遠する経営者は少なくないでしょう。経営者が電子契約を敬遠すると従業員の意識も低下、ITスキルはどんどん下がっていきます。
不動産DXが進化する今日ではITスキルの向上が最重要な課題と言えるでしょう。

まとめ

電子契約のメリットと必要な事前準備について解説しました。
不動産の電子契約についての社会実験で大きな問題はでていません。
本格的運用が始まってもおそらく順調に導入が進んでいくものと思います。

業務効率が上がることは目に見えていますが、重要なことは契約当事者である顧客の満足度が上がるかどうかです。
そのためには契約後に、契約当事者からのフィードバックを得られるような工夫が必要になるでしょう。
電子契約は目的ではなく手段でしかないことを忘れないことが大切です。

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  • 何から始めればいいのか?
  • 導入したら何が起こるの?
  • どうやって社内で運用すれば良いのか?
  • それで儲かるの?

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