電子契約をするための準備と必要な知識やツールは?

不動産の契約を電子契約でおこなうには、どのような準備が必要なのか?

そろそろ対応を考えようとしている不動産会社の担当者や経営者向けに、電子契約の流れを簡単にお伝えします。

電子契約はWeb会議サービスを利用したIT重説と、契約書面を電子交付し電子署名をおこなう電子契約サービスを利用しておこなわれます。

ここではこれら現在提供されている各サービスの概要についてもお伝えします。

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不動産契約における電子契約の流れ

不動産の契約には売買、交換、貸借の3種類があり、すべての契約で重要事項説明書を宅地建物取引士が交付・説明し、37条書面と定義される契約書に、宅地建物取引士が押印したうえで宅建業者が交付します。
電子契約の場合でもこの流れは変わりませんが、説明はオンラインでおこない重要事項説明書および契約書は電子交付します。
書面の電子交付は主にPDFファイルにした書面に、作成者の電子署名とタイムスタンプを施した電子ファイルがサーバーに保存され、契約当事者がアクセスして電子署名を施すことにより締結となります。

電子交付する書面は重要事項説明書(35条書面)と契約書(37条書面)の2種類であり、その他添付資料も同様に電子的に送付することになるでしょう。
2種類の書面作成について宅地建物取引士が自ら作成すると規定はされていませんが、仮に宅地建物取引業者の別人が作成したとしても、最終確認を宅地建物取引士がおこなうことは言うまでもありません。

大きな組織では書面のドラフト段階で複数の部署がチェックしますが、印刷したペーパーではなく電子ファイルの状態で各部署が共有します。
チェックされた書面は最終的に宅地建物取引士の電子署名を施し、相手方に交付されるよう電子的な処理がおこなわれることになるでしょう。
この過程でこれまでの書面契約と異なる社内の業務フローが発生する可能性もあり、社内でのルール作りが必要になってきます。

電子契約の業務ルール

不動産の契約の流れは基本的に以下のようになります。

書面作成→重要事項説明→契約締結→契約書類の保存

電子契約であっても対面による書面契約と同様の業務フローになりますが、異なる点が書面作成から契約書類の保存まで、書面を印刷することなくすべてパソコンおよび社内ネットワークで処理されます。
途中経過でのデータ保存は社内のネットワークサーバーまたは、クラウドサーバーを利用するケースが多くなるかもしれません。
契約締結後は書面契約と異なり紙のファイルなどに綴じ込まず、電子フォルダに格納され保存するので目で見ることはありません。
書類棚や保管庫に並ぶこともなくパソコンを立ち上げなければ、書類の保存を確認することもできません。

誰もがアクセスできるサーバーであれば、フォルダにアクセス制限をかける必要性もあります。
アクセス権を設定する従業員の範囲や管理者の設定も必要です。
重要事項説明書と37条書面には電子署名を施しますが、担当する宅地建物取引士が自ら署名することが求められ、社内においての「なりすまし」を防止する工夫も必要になるでしょう。
以上のように業務上の流れに応じて、デジタル処理される各ポイントにおいて、社内の業務ルールを確立する必要があります。

書面のフォーマット

重要事項説明書と37条書面はこれまで利用しているフォーマットがそのまま使えます。
WordやExecelで作成したファイルをPDFに変換して電子ファイルにするので、書面契約と異なるフォーマットはとくに必要ありません。
ただし文言の変更をしなければならない部分があります。

1. 記名押印→電子署名
2. 契約当事者が契約書類を保有→電子データとして保存

記名押印の代わりに電子署名を施し、原本は電子契約サービスのクラウドサーバーに保存されます。
契約書面を契約当事者が保存したい場合は、電子データをダウンロードしたものが「写し」となります。
またこれまでの契約当事者の押印欄や、宅地建物取引士と宅建業者が押印していた位置についても、電子署名のしやすい位置にレイアウトする必要もあるでしょう。

電子契約サービスの選択

電子契約は重要事項説明書と37条書面である契約書に作成者が電子署名を施せること、タイムスタンプが施された電子ファイルを契約当事者が確認し電子署名を施すことで完了します。

つまり電子契約サービスの機能は次の3つです。

1. 電子署名
2. タイムスタンプ
3. 電子ファイルの保存とダウンロード

さらに重要事項のITによる説明を加えて、電子契約のすべてのプロセスがオンラインで可能になります。
IT重説は上記の電子契約サービスによる重要事項説明書の電子交付ののち、Web会議サービスの利用により説明をおこないます。
つまり電子契約はWeb会議サービスと電子契約サービス、2種類のITサービスを活用した新しい契約の形態となるのです。

無料でも使用できるWeb会議サービス

不動産の契約などに活用するWeb会議サービスは、もっぱら重要事項説明に使用することになり、大人数の会議になることはありません。
予想されるシーンは次のようなものです。

1. 宅地建物取引士と借主や買主
2. 宅地建物取引士と借主や買主に加えて共同仲介の担当者
3. 宅地建物取引士と借主や買主に加えて大家や売主

多くても3~4名の参加者であり無料のサービスでも十分対応できます。
以下に無料で使えるサービスの概要をまとめました。

1. Zoom Meetings

最大1,000人まで参加したミーティングが可能、画面には最大49人の画像を表示できます。
無料版は参加者が100人まで、グループミーティングは最大40分と少々短いのが難点ですが、1対1であれば無制限であり通常の重要事項説明は無料版で十分でしょう。

2. Skype

無料のビデオ通話システムとして以前からも活用されていたサービスです。
最大100人までの会議ができ、1回あたり最大24時間利用でき回数も無制限です。
SkypeはWindows10に統合されていますが、ほかにMicrosoft「Office 365」には、250人まで可能な「Skype for Business」が含まれています。

3. Google Meet

Googleアカウントでログインした状態で使えるWeb会議システムです。
最大250人が参加できます。
会議の内容を録画するには Google Workspaceのアカウントが必要であり、有料サービスになります。

4. LINEミーティング

コミュニケーションSNSツールのLINEでおこなうWeb会議システムです。
最大500人の参加が可能です。
PC版アプリケーションはMicrosoft Storeよりダウンロードします。
会議内容を保存するには「keep」で保存できます。

無料でも使用できる電子契約サービス

電子署名と書面の原本保存は電子契約サービスを利用します。
無料で利用できるサービスもありますが、月間・年間の送信本数が限られるため実務では有料プランを検討してください。

1. DocuSign

クラウド型の電子署名サービスです。
操作は簡単でわかりやすく「完了証明書」で、署名者やタイムスタンプの確認ができます。
署名者の本人確認はメール認証でおこなうタイプです。

2. クラウドサイン

クラウド型の電子署名サービスです。署名は運営事業者の「弁護士ドットコム」がおこない、契約当事者は弁護士ドットコムが証明する方式です。
契約当事者の本人確認はメール認証でおこないます。

3. GMOサイン

電子署名には2つのタイプがあり当事者型と事業者型があります。
上記2つのサービスは事業者型ですが、GMOサインは当事者型と事業者型を組合わせることができるハイブリット型を採用しています。
不動産契約では事業者型での対応で問題はないと思いますが、売主や貸主となる不動産会社の場合には当事者型が望ましいこともあります。
そのようなケースでは使い勝手のよいサービスです。

まとめ

対面の書面契約を電子契約に変えるとしても、極端に大きな変化はないかもしれません。
ただしこれまで「紙」主体でおこなっていた業務が「デジタル」に変わることにより、確認・保存などの業務プロセスにおいてのルールを見直す必要があるでしょう。
契約書面などの文言修正はフォーマットの微修正で対応できます。
Web会議と電子契約サービスのソリューション選択は、実際に無料で試すことができるので、まず使ってみることが重要です。

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