不動産デベロッパーとは?仕事内容やゼネコンとの違いなど徹底解説

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ニュースや新聞などでよく「デベロッパー」という言葉を見聞きすると思います。

とはいえぼんやりとしたイメージしかなく、

・具体的に何をするのがデベロッパーなのか?
・建設業者と何が違うのか?

など疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

今回はそんな不動産デベロッパーについて、種類や仕事内容、ゼネコンやハウスメーカーとの違いに触れつつ、詳しく解説していきたいと思います。

これから不動産業界への就職、転職を考えている方も、ぜひ参考にしていただけると幸いです。

デベロッパーとは

不動産業は、主に「開発」「販売」「管理」「仲介」の4つの事業に大別することができます。
この中で開発事業を手がけるのが「デベロッパー」と呼ばれる企業であり、用地の取得から、その土地での企画・開発、施工管理、販売事業までを、建設会社や行政機関などさまざまな企業・機関と連携して行います。

開発事業には代表的なものとして以下5つが挙げられます。

・街の再開発事業
・リゾート開発
・大型商業施設の開発
・大規模宅地の開発
・マンション開発

馴染みのあるところで例を挙げると、「東京ミッドタウン・三井アウトレットパーク(三井不動産)」や「丸ビル・横浜ランドマークタワー(三菱地所)」「六本木ヒルズ・表参道ヒルズ・虎ノ門ヒルズ(森ビル)」など、デベロッパーが手がけた開発事業は身近に多くあります。

そして開発には莫大な資金が必要なため、財閥系を中心とした大企業がデベロッパーとして活躍しているのも特徴です。
代表的なデベロッパーは以下6企業になります。

・三井不動産
・三菱地所
・住友不動産
・東急不動産
・野村不動産
・森ビル

デベロッパーの種類

一般的に、オフィスビルやマンション、商業施設、ホテル、リゾートなど様々な開発を行い、大規模な街づくりに取り組むデベロッパーを「総合デベロッパー」、特定の事業に絞った開発を行うデベロッパーを「専門デベロッパー」と呼ばれています。

さらに専門デベロッパーは、マンション開発を主とする「マンションデベロッパー」、オフィスビル開発を主とする「オフィスデベロッパー」、都市再生・基盤整備を主とする「公的デベロッパー」と呼び分けられることもあります。

ゼネコン・ハウスメーカーとの違い

建設,現場

ゼネコンとの違い

ゼネコンとは、英語で「General(総合的・全体的)Contractor(請負業者)」の略称で、「総合請負業者」を意味します。
発注者からの工事を請け負い、マンションやビルをはじめとしたテーマパークや競技場などの大型建築を行う建設業者です。
定義として一般的に言われているのは、「設計」「施工」「研究」の3つを自社で行っていることが条件で、売り上げ数千億~数兆円もある会社のことをゼネコンと呼びます。
代表的な企業としては下記企業が挙げられます。

・鹿島建設
・大林組
・大成建設
・清水建設
・竹中工務店

デベロッパーとゼネコンの関係性を簡単に説明すると、不動産ディベロッパーがマンションを建築する土地を見つけ、マンションを建築できるかの簡易的な設計図を依頼する。(ゼネコンを通して設計事務所に依頼する事が多い)
その後、収支などを検討し問題なければゼネコンに見積もりを依頼、数ヶ月後にゼネコンが工事着工という流れになり、ゼネコンとデベロッパーはパートナーの関係だといえるでしょう。

ハウスメーカーとの違い

戸建て住宅の設計と施工を行う会社がハウスメーカーです。
ハウスメーカーに正式な定義はありませんが、特徴として以下のようなものが挙げられます。

・多くの部材を工場生産している
・独自の設計、施工方法がある
・販売や引渡し後のアフターサービスを提供する会社もある

代表的な企業としては下記企業が挙げられます。

・大和ハウス
・積水ハウス
・セキスイハイム
・住友林業
・住友不動産
デベロッパーは街づくりの一環としてタワーマンションや集合した戸建住宅など大規模な住宅開発を行うのに対し、ハウスメーカーは個人に住宅を売ることを目的とし、戸建住宅をメインに買主のニーズに合わせた住宅の提供を行います。

デベロッパーの仕事内容

建設,仕事

デベロッパーの仕事は、「用地取得」「企画・開発」「販売」「管理」という4つの事業スキームに分けることができ、各担当がプロジェクトチームを結成して開発案件を進めていきます。

用地取得

用地取得とは開発に必要な土地を取得することです。

・社内や地主、不動産会社への情報収集
・土地周辺の特性の調査
・土地や建物の状況、所有者や債権者の確認
・収支の試算
・地権者との交渉

これらのことを全て行い、初めて仕入れの段階に進むことができます。
大規模な土地になればなるほど仕入れの価格も大きくなり、利益を出すための収支計画や土地の見極めが大事になっていきます。
また、優良な物件になると競合してくる他社も多く、地権者との交渉や駆け引きも重要になっていきます。

企画・開発

用地取得が完了すると、次は企画・開発スキームに移ります。
用地取得の段階で基本的なプランは完成しているため、それに基づきコンセプトや外観・内観デザイン、設計など、より具体的なプランを練り開発を始めていきます。
設計やデザインについては外部の設計事務所やデザイナーへ依頼し、修正を重ねながら細かく表現していきます。
開発が始まると建設会社が建設工事を進め、デベロッパーはプロジェクトのスケジュール管理や収支管理などを行い、プロジェクト全体を把握しまとめ役として管理、牽引していきます。

販売

工事が終わり建物が完成したら、マンションの場合は入居者、商業施設の場合は地域のニーズ、コンセプトに合ったテナント(オフィスビルや商業施設に入る事業者)などを募集する営業活動を開始します。
その際に、自社で抱えている不動産流通部門が営業を担う場合もありますが、外部の不動産流通会社や不動産運営管理会社などと協力して進めることも多いです。
マンションの場合は販売代理店が売主のデベロッパーに代わり広告などの販売活動から契約までを代理で務めます。

管理

建物が竣工した後はテナント管理や建物の管理を中心に、入居者が快適に過ごせるよう定期的な点検や修理、入退去時の対応、事務的な面では管理費用や収支報告などを行います。
複合型施設や商業施設の場合はイベントやキャンペーンの企画、売上UPに向けた施策の企画・実行なども行います。
また、大手デベロッパーの場合は、販売と管理はそれぞれ個別のグループ会社が担っていることが多いです。

デベロッパー大手5社の比較

三井不動産

三井住友銀行、三井物産と共に三井グループの御三家です。
オフィスビル、商業施設、ホテル・リゾート、住宅販売など幅広い事業を展開し、どれか一つの事業に特出せずバランスよく実績を伸ばしています。

主要な商業施設では複合型大型ショッピングセンターである「ららぽーと」や、アウトレットモールの「三井アウトレットパーク」、三井ショッピングパーク アーバンの「COREDO日本橋」「COREDO室町1〜3」、2019年9月には日本橋の新しい発信基地として、日本橋室町三井タワー内に「COREDO室町テラス」が誕生。
また、2020年7月には
公園×商業×ホテルが一体となり渋谷・宮下公園に商業施設「RAYARD MIYASHITA PARK」もオープンしました。

海外事業ではハワイを代表する高級ホテルであるハレクラニの管理・運営を行なっていたり、直近のニュースでは上海に海外初の駅ビル開業、そして今後3年で7,000億円もの海外投資をし、2025年までに米ボストンなどで約4,700戸の賃貸住宅建設を目標として掲げるなど、海外事業にますます力を入れていくようです。

三菱地所

三菱地所は三菱グループの中心企業であり、東京の丸の内地区一帯を開発してきた不動産ディベロッパーとしても有名です。
丸の内は約23万人のオフィスワーカーが働き、三菱地所は約30棟の建物を所有・管理しており、丸の内でのビル事業の賃料は全営業利益の6割以上を占めるなど、ビル事業を最大の強みとしています。
三菱地所が手がけたショッピングセンターはアクアシティお台場、サンシャインシティ、地方だとJR名古屋駅前の大名古屋ビルなど、ホテルでは「横浜ロイヤルパークホテル」でも有名なロイヤルパークホテルズを運営しています。

また現在、世界に誇る日本の新たなシンボルとして、2027年完成予定の東京駅前常盤橋街区の再開発プロジェクト「TOKYO TORCH(トウキョウ トーチ)」にも着手しており、日本一の高層ビルであり、全長2キロの空中散歩道など斬新な設計で注目されています。

住友不動産

住友不動産とは、住友グループの大手デベロッパーです。
東京都心部を中心にオフィスビルやマンション開発を展開し、三菱地所と同じくオフィスビルの賃貸事業を主軸としています。
オフィスビル事業においては、建設中含み230棟超の棟数を保有するなど都内トップを誇り、東京都心の再開発に力を入れています。

・住友不動産新宿グランドタワー
・住友不動産麻布十番ビル
・東京日本橋タワー
・泉ガーデンタワー

などのオフィスビルが有名です。
また、住宅再生事業ではリフォームサービスをメインとして提供しており、売上高は2014年度より6年連続で業界No.1を誇っています。

東急不動産

東急グループである東急不動産は、都心部のタウンマネジメントに強みを持っています。
特に東急東横線・東急田園都市線の2路線が乗り入れる「渋谷」周辺や、「銀座」「浜松町・竹芝」の街づくりに力を入れており、都内一等地に開発エリアがある意味は大きく、東急不動産ならではの魅力だといえます。
住友不動産同様、東京の都心部に100棟のオフィスビルを所有しており、分譲住宅では環境先進マンションの「BRANZ」やハイ・リノベーションマンション「MAJES」などを主力とし、「BRANZ」はZEH(「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称)を標準仕様にするなど2030年度までにリブランディングする方針も発表され、SDGsなど環境問題に関心が高まっている中で環境重視の取り組みを積極化する点も注目されています。

野村不動産

野村不動産は野村グループの大手デベロッパーです。
三井や三菱、住友とは異なり非財閥系の総合デベロッパーになります。
野村不動産は住宅事業に強く、高級住宅『PROUD』シリーズや、ハイグレードオフィスビルの『PMO』シリーズを展開し確固たるブランドを築き、2012年には初めてマンション供給戸数ランキング(全国)で首位も獲得しました。

商業施設やホテルの開発にも注力しており、「庭のホテル 東京」は「ミシュランガイド東京2019」をはじめとした同ガイドブックで10年連続で『快適なホテル』として紹介されるなど評判も高く、直営ブランドのNOHGAシリーズでは関西初出店となる「NOHGA HOTEL KIYOMIZU KYOTO」を京都市東山区に2022年4月1日開業予定です。
グローバルの取組みではベトナム、タイ、中国などアジア諸国を中心とした住宅分譲事業・賃貸事業を展開しています。

デベロッパーの年収

デベロッパーは不動産業界内でも事業規模が大きく、年収も高めです。

平均年収は442万円で、不動産業界の平均年収が391万円なので、51万円も高いことになります。

年代別に見ると、20代の平均年収が384万円であるのに対し30代では524万円と140万円も増えています。

年代 平均年収 男性平均年収 女性平均年収
20代 384万円 393万円 367万円
30代 524万円 561万円 444万円

出典元:マイナビエージェント「業種別平均年収ランキング【2020年版】」

まとめ

デベロッパーについて詳しく解説していきましたが、いかがでしたでしょうか。

国内海外問わず幅広い事業を手がけていることや、街づくりや大規模な不動産開発に積極的に携わっていける職種ですので、やり甲斐や魅力もあり憧れを抱く方も多いのではないでしょうか。

ただ一括りにデベロッパーと言っても、企業によって強みとしている開発エリアや、商業施設やホテル、オフィスビルなどそれぞれ受け持つ事業に特徴があるので、就職・転職を考えている場合は企業研究をしっかり行った上で希望する企業を選んでいきましょう。

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