管理職2年目、経済危機でも売上を倍増させたお話【トップ管理職への道】②

私の所属する朝日リビングは、一都三県に11営業所があり正社員は約120名、パートタイマーなど含めると300名規模の会社です。

私は2007年から管理職となり、年間の営業所成績1位を6度に渡り経験いたしました。

そして現在は、11営業所を任される「統括指導者」という立場になっております。

今回は、管理職2年目の2008年におきた経済危機(リーマンショック)に貴重な経験をしたので、お教えします。

※前回記事はこちら

リーマンショックは不動産業者のみならず、全業界にまたがって大きな経済の落ち込みがございました。

弊社「朝日リビング株式会社」も一気に全店舗において大赤字を出しましたが、その危機的状況の中でも、私の率いる営業所だけはいち早くV字回復し、半年で予算を達成。この危機を乗り越えました。

今後訪れるであろう経済危機における不動産業界の手法を公開します!

経済危機における3つのPoint

1.流通している物件の傾向をいち早く知る(情報収集)

大昔、とある天才戦略家がこう言いました。

「劣勢の時こそ敵の姿を知る好機ととらえよ」

今ある現状を紐解き、分析すれば攻めどころが見えてくるというものです。

当時、経済全体が止まり、日経平均14,000円台あったものが、わずか180日あまりでなんと51%ダウンの7,000円台まで値下がりしました。

不動産業界も半年足らずで倒産が相次ぎ「不動産はもう売れないのか」という状態に陥ります。

しかし、一見不動産全体が止まったかに思えた市場にあっても、一部の物件は変わらず流通しているのを発見したのです。
それは・・・

1,500万円以下のマンション、及び2,000万円以下の一戸建住宅。

経済危機において一番打撃を食らうのは「平均的な一般サラリーマンの層」や「会社役員クラスの高額所得層」になります。

そのため、平均的な売買単価の物件と高額帯の物件は「流通性が皆無」といっていいほど取引が止まりました。

しかし、比較的価格が安めの物件は流通性が変わらず、ほぼ例年通りの動きを見せておりました。

狙いが絞れたら、集中的にその価格帯の物件を収集、及び販売強化をするだけです。

そのおかげか、周辺のマンション・戸建ての媒介依頼を多く取得し、また、成約も両手が多くなりました。

気付けば「凌ぐ」というよりも前年より契約件数が増え、収益も増加でき過去最高益を出すことができました。

経済危機が起きたら「情報収集」「分析」「即実行」。

これが大事です。

2.競売市場を狙え

普段、競売市場は法人だけでなく、一般の個人も参加しているため、非常に落札額が高く、とても割が合わない市場になっております。

しかし、これが当時のリーマンショックではどうなったかというと・・・

落札者0が相次ぐ。

といった事態になっておりました。

私は競売落札の査定を無料で競売業者に提供しており、過去10年のデータを蓄積していたのもあり、いち早くこの状態に気が付いたのです。

そこで、知り合いの競売業者とタッグを組んで、競売入札に参加しました。

中には特売にまわる物件も多く、いまいちな顔の物件も破格の安さでした。

そういった物件に入札し、販売する際には「相場よりやや安く売り払う」という手法で、半年で10件以上入札から販売を行い、すべて完売。

中には300万円で入札した物件が1,500万円で成約することもあり、タッグを組んだ競売業者も半年で5,000万円以上利益を出すことが出来ました。

3.一般媒介参入による販売物件増でしのげ

ともかくリーマンショックによる上半期の赤字を、半年以内に取り戻すべく、すぐに結果が出せる手法。

これはすでに売りに出ている「一般媒介物件」に参入することです。

しかし、一般媒介への参入といっても、ネームバリューの無い会社にとっては一筋縄にはいきません。

大手しか出していない一般媒介は、お客様自身が大手企業を好んでおり、中小企業や地元業者など目を向けていません。

また、一社のみの一般媒介は、売主と業者が知り合いというケースも多々ございます。

そこで私が編み出した一般媒介参入の手法をお教えします。

さいたま市内及び上尾市、桶川市のマンション1,500万円以下、及び、一戸建て2,000万円以下の一般媒介にDMを送りました。その数はおおよそ100通。

結果は・・・ 28件の媒介依頼。

その後、半年内で成約出来た件数は・・・ 14件。

仲介手数料にして約3,200万円(一般媒介のみの成約です)

ここからは、この結果を出した「三段階DM手法」を公開します。

半年間で約3,200万円を売り上げたDM手法

三段階DM手法① 最初の発送

最初のDMの内容は「会社アピール」です。

ネームバリューがないので、まずは「しっかりした不動産業者です。」という切り口でDMを作成します。

より堅苦しい方が良いかと思います。

封筒の中に入れる書類は

・DM
・名刺
・会社概要
・オリジナルリーフレット など

まずは丁寧に「ごあいさつ」という所から切り込みます。

三段階DM手法② 2回目の発送

2回目に送る内容は、お客様に対して「どうすれば早期成約につながるか」というご提案書になります。

文章も端的で分かりやすく書くのが基本です。

いろいろ試しましたが、一番効果があるのは「手書き」です。

また、この文章に「他社とは違う手法」という文面を入れておきます。

一般媒介を数社出しているお客様は、不動産業者はどこを頼んでも同じという認識があります。

既に2~3社に依頼しているところへ参入するために、この文言により「今までの不動産業者と違うな」という印象をつけておきましょう。

 ※他社とは違う手法・・・・・
弊社では代表的な他社にはない商品「リフォームまちます君」という商品がございます。
お預かりした物件を、実際にリフォームして販売するのですが、そのリフォーム費用はご売却時成立まで「待ちます」という商品です。
この商品の良いポイントは2つ
(1)リフォームして見栄えが良くなるので、購入者様の受けが良い。
(2)リフォーム代金を売却時までは弊社が建て替えるので、営業マンが回収のためにより営業を頑張り成約を早める。
他社にはない自社のオリジナル商品を開発する事により、営業マンが空室DMや一般参入DMなど営業をしやすくするメリットがあります。
中小企業は、大手にない「何か」をアピールする事が出来れば、歩留まりがかなり上がるでしょう。

三段階DM手法③ 3回目の発送

ほとんどが、2回目の提案型手紙の手法にて依頼が取れると思います。

その中でも、どうしても預かりたいという物件が出てきます。その場合は究極の手紙を送付します。

「来週の〇〇日▲曜日の14時にお伺いさせて頂きます」

というアポイント予告を入れておきます。実際にその時間に売主側の都合が合わないと電話をしてきます。

電話が来ない場合は、実際にその時間帯にご訪問します。

訪問時に実際に在宅されて一般媒介を取得できたのもあるし、出来ない場合は、手書きで訪問した旨を手書きでメモしポストに入れておきます。

ここまで熱意のある行動を起こせば、一般媒介の依頼が取得できるでしょう。

一般媒介については、販売方法や話法などまだまだノウハウがあるので、改めて別の記事でお伝えしたいと思います。

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