仲介業におけるユーザーに喜ばれる反響対応とは?

手前味噌だが、4月になると、賃貸仲介業務の実務研修の要望を多く頂く。

営業テクニック系のものから店舗マネジメントまで様々だ。そのなかで年々増加している要望は、「反響返信率向上方法」の研修だ。

賃貸仲介業において、ユーザーからの反響対応は成約率を左右する重要な要素だ。少しの気遣いや対応方法の違いが、ユーザーの印象を大きく変え、結果として契約につながるか否かが決まる。特に、賃貸物件を探しているユーザーにとって、仲介業者の対応は信頼関係を築く上で非常に重要だ。

とても興味深いところだが、「反響返信率が高い仲介会社は、総じてユーザーからの評判が良い」印象がある。いっぽう返信率が低い仲介会社は、ユーザーからの評価が低い印象だ。反響対応ひとつでも、各社の評価に大きな影響を与えるのだ。

そこで今回は、ユーザーに喜ばれる反響対応の具体的な方法について掘り下げて紹介してみたいと思う。

仲介業におけるユーザーに喜ばれる反響対応とは?

1. 初動のスピードが鍵を握る

何度も言われていることだが、ユーザーからの問い合わせに対する初動のスピードは、賃貸仲介業の成約率を高めるうえで極めて重要な要素だ。

問い合わせからのレスポンスが遅れると、ユーザーの興味は他社や別の物件へと移ってしまう。

理想的なのは、問い合わせを受けてから5分以内に連絡を入れるぐらいを意識しても良いかもしれない。

電話が難しい場合でも、メールやSMSで迅速に「お問い合わせありがとうございます」といった簡単な返信をするだけで、ユーザーの安心感につながる。

とある仲介会社は、このあたりを徹底するために勤務シフトを変え、夜間対応を可能としていた。

2. ユーザーの意図を正確に汲み取る

問い合わせ内容を適当に捉えてしまうと、的外れな提案につながり、ユーザーの不満を招く。

たとえば、「駅近で1LDKの物件を探している」と問い合わせてきた顧客に対し、駅から遠い物件や1Kの部屋を紹介するのはNGだ。

また、ユーザーが問い合わせた物件に関してドライに「すでに契約済みです」とだけ伝えるのも避けるべきだ。

代替案を複数提示し、「このような物件もございますが、ご興味はありますか?」と、ユーザーの意向を尊重しながら提案するのが望ましい。

3. 顧客の不安を解消するコミュニケーション

賃貸物件を契約する際、ユーザーは多くの不安を抱えている。

「初期費用はいくらかかるのか」「騒音は問題ないか」「更新料や管理費はどのくらいか」など、さまざまな疑問がある。

当然のことだが、仲介業者は、これらの疑問に対して誠実に答え、安心感を与えることが求められる。

単なる物件紹介だけでなく、「この物件は敷金・礼金なしで初期費用を抑えられる」「周辺にはスーパーやコンビニが多く、生活しやすい」など、付加価値のある情報を提供することが大切だ。

エリアの紹介や契約フローの細かい説明をしっかりと反響対応中に行うことを意識するだけでも、ユーザーの好感度を上げることができる。

4. 柔軟な対応が鍵となる

ユーザーの要望に対して、柔軟に対応できるかどうかも重要なポイントだ。

たとえば、「仕事が忙しくてなかなか内見に行けない」という顧客に対しては、ビデオ通話を利用したオンライン内見を提案することで、他社との差別化が可能となる。

また、夜間や休日しか対応できない顧客には、その時間帯に合わせた対応をすることで、信頼を得ることができる。

単なる「営業メンバー」ではなく、ユーザーに寄り添う「パートナー」としての意識を持つことが重要だ。すべてがテンプレートの対応だと、どうしてもユーザーの心は離れてしまいがちになる。

5. フォローアップで顧客の心をつかむ

一度問い合わせを受けた後のフォローアップ(追客)も、成約率に大きく影響する。

特に、即決しないユーザーに対しては、定期的な連絡が重要だ。しかし、しつこい営業は逆効果となるため、ユーザーのペースを尊重しながら適度な頻度で連絡を取るのが望ましい。

たとえば、「先日お問い合わせいただいた物件の近くに、新しい物件が出ました」「初期費用を抑えられるキャンペーンが始まりました」など、ユーザーにとって有益な情報を提供する形でフォローすると、好感度が上がる。

6. 自身のプロフィールや会社の「見え方」を意識する

いくら細かく追客しても、どのような不動産会社、そして顔の見えない営業担当者に対してユーザーは若干の不安を覚える。

可能な限り、メール返信の際に自身のプロフィールを盛り込むなどの工夫をするだけでユーザーの信頼度は向上する。

また、自社のHPも改めて見直してみても良いだろう。HPの内容が充実している不動産会社も返信率が総じて高い印象だ。

7. ネガティブな情報も正直に伝える

物件にはメリットだけでなくデメリットも存在する。ユーザーが後で後悔しないように、ネガティブな情報も包み隠さず伝えることが信頼につながる。たとえば、「この物件は築年数が古いため、設備の経年劣化がある可能性があります」と伝えた上で、「ただし、リフォーム済みで清潔感があります」といった解決策を提示することで、誠実な対応が伝わる。この返信対応を徹底して大きく来店率を向上させた仲介会社もあった。

仲介業務において反響対応は、単なるレスポンスではなく、顧客の信頼を得るための重要なプロセスだ。

迅速な対応、適切な提案、柔軟な対応、フォローアップ、そして細やかな気遣いが、返信率、成約率を向上させるカギとなる。ユーザーが「この会社にお願いしてよかった」と思えるような対応を徹底することで、競争の激しい仲介業界において差別化を図ることができるだろう。

またこの「ユーザーに喜ばれる反響対応」を突き詰めていくと、社内のサービス全体の大きな底上げもできる。

是非、実践してみてほしい。

 

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