ユーザーに物件を紹介し案内する。
ユーザーは部屋のなかで検討を行い「この物件にします」と返答する。
日本中どこにでもある光景だ。
仲介会社にとって申込の意思をユーザーから頂くことは、何物にも耐えがたい喜びである。
だが、この意思表示をもらってしまえば万時が上手くいくわけではない。
むしろ、ここからが仲介としての仕事とも言える。
仲介会社でのトラブルでは申込以前より圧倒的に申込後のほうが多い。
たとえば、申込後に管理会社との連携が上手くいかないケースや、申込時の確認不足によって大きなトラブルになったりすることなどがそうだ。
勿論、不可抗力的な部分でトラブルが発生してしまうケースもあるが、事前に申込時にしっかりと確認をすることで防げるケースも多くある。
以前も書いたが、仲介の業務でとても重要なこととは「いかに申し込みキャンセルをゼロに近づけるか」である。
いくら申込を獲得しても、同じぐらいの数でキャンセルを発生させてしまったら売上は一向に上がらない。
今回は、申込時に確認しなければいけないポイントを紹介しようと思う。
仲介業務を行ううえでは当然のポイントかもしれないが、意外に見落としてしまうことが多々あることも否定できない。
物件申込時に賃貸仲介会社が見落としがちな項目まとめ
契約予定日/入居希望日
契約予定日、入居希望日を聞かない仲介会社はほとんどいないと思うが、要はこのあたりをどこまで詳細に聞けるかが重要になる。
「申し込みを行った日からおよそ2週間後にしましょうか?」となんとなくユルい日程を組むと、その後の契約起算日の確定で別途の調整の手間が増える。
また、実際に祝日などを考慮し書類の取り交わしの日程を調整しなければ、引き渡しが間に合わないケースも出てくる。
まず申込時にしっかりとした入居希望日をヒアリングしておくことが基本である。
またそれと同時に契約予定日も同時にしっかりとヒアリングしておかなければいけない。
住民票の準備や、書類のデリバリーなど、契約までタイトになることが多い。
常に逆算しながら予定を組んでいかなければならない。
契約場所/契約方法
契約を管理会社で行うケースもあれば仲介会社で行うケースもある。
地域によってバラつきがあるが、たとえば首都圏のエリアではこのあたりの契約場所、契約方法が種々様々である。
また上記の日程調整にも、契約場所は契約を管理会社か仲介会社で行うのかでも影響される。
このあたりもしっかりと確認しなければならない。
鍵の引き渡し場所
一般的には仲介会社で鍵の引き渡しを行うケースが多いが、なかには管理会社まで入居者自身が鍵を取りにいかなければいけないケースもある。
このあたりも申込の段階でヒアリングしておくことが必要だろう。
引き渡し直前でユーザーに知らせると、最悪の場合引っ越し日程の組み直しが必要になってしまうケースもある。
駐輪場の空き台数の確認
この駐輪場の使用に関して申込後にトラブルになるケースがかなり多い。
一番多いのが、駐輪場を使用しようとユーザーが希望していたが台数制限があって自転車が置けないケース。
また、アパートなどでそもそも自転車自体が駐輪できないパターンがそうだ。
申込時に必ず管理会社に自転車の空き状況を確認することを忘れてはいけない。
特に分譲賃貸マンションでは台数が満車のことがあるので、注意が必要だ。
保証人・緊急連絡先に連絡がいく可能性がある旨を伝える
現在、保証会社を利用する管理会社が殆どだが、審査状況によっては緊急連絡先に指定されていたかたに対して保証会社から連絡がいくケースがある。
なかには、この連絡自体が来る旨を聞いていない、という理由によってクレームになるケースも多々ある。
ユーザーが保証人、緊急連絡先をたてる際は、必ず「保証会社なら連絡がある可能性がある」ことを伝えることを忘れてはならない。
部屋内の細かい修繕要望ポイントの確認
申込直前の内見中の際、たとえば居室内の壁にキズがあったとする。
その際に、よくユーザーから「これは直してくれるんですかね?」という質問を受けることがある。
そうした細かいキズや補修箇所に関して「確認します」と言いながら、そのまま申込手続き、契約まで流れてしまうケースがある。
ユーザーからすれば、この補修箇所がどうしても気になるケースもあり、そうした場合に未確認のまま契約を進めていくと仲介会社に不信感を抱くケースがある。
必ずユーザーからの補修、修繕の確認は忘れずに確認、連絡することだ。
状況によるが、軽微な補修は現況渡しでそのまま補修をせず引き渡しされることの方が多い。
それでもその旨を「しっかり伝えているかどうか」は後々の手続きに大きな影響を与える。
確実に部屋が確保できたかどうかの確認
ユーザーが申込情報を入力、もしくは申込書に記載し仲介会社から管理会社に情報を伝えて、はじめて部屋をおさえることができる。
多いケースとして、ユーザーが「時間が無いから」という理由で解散した後にユーザーが申込情報を仲介会社に流す場合、その部屋が他のユーザーに取られてしまうケースがそうだ。
特に人気のある物件だと文字どおり「取り合い」になるケースもある。
そうした場合のため「お部屋どめは、管理会社に申込情報を伝えて、初めてお部屋どめになる」ということをしっかりと伝えておかなければならない。
ベストは、物件をしっかり確保できたことを確認して解散することだ。
まとめ
以上のように、基本的なところだが忘れがちだったり確認をしなかったケースで、ユーザーからの信頼を無くしてしまうことは多々ある。
ベストは、このようなチェックリストを各店舗で作成し、運用できれば良いだろう。
せっかくの部屋紹介の苦労を、確認不足や連絡不足が原因でキャンセルになってしまうのはあまりに勿体無い。
是非一度見直してみても良いのではないだろうか。
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