契約客取材からすべてが見える②「○○ホームさんの営業マンはプライドを持ってたわよ!」

顧客取材シリーズの第2弾です。

場所は関西ですが、依頼を受けた新築専門のG社と契約をしたお客さんである、Aさん夫妻を90分にわたって取材をしました。

「○○ホームさんの営業マンはプライドを持ってたわよ!」というのは契約をしたG社の営業マンではありません。

競合の相手であり最終的には蹴落とした敵会社への評価なのです。

今日のコラムはG社が競合勝ちした理由を探るのはもちろんですが、奥さんにこう言わしめたアッパレな敵会社のことにも触れていきましょう。

※前回の記事はこちら【工務店営業ノウハウ】契約客取材からすべてが見える

G社に決めた決定要因は何だったのか?

まずは契約をしたG社の話をしましょう。

G社は全国フランチャイズの加盟店で、FC本部とは私は長い付き合いがあります。

そんな経緯があって、G社の社長を紹介してもらい「顧客取材というのは面白いな!やってもらおうか」という流れになったのです。

Aさん夫婦にはG社の事務所に来てもらい取材スタート。

奥さんはAKBのセンターにいてもおかしくないようなかわいらしい女性でしたが、ご主人は武骨を絵にかいたような人物。

奥さんは専業主婦でしたが、ご主人は完全な理系でエンジニアとして大手会社に勤務していました。

こんな夫婦でしたがそれぞれにG社にした理由を尋ねました。

【ご主人がG社に決めた理由】
・アフターサービスがしっかりしている
・外壁のタイルがメンテナンスフリーに近い状態できれいに保てることに感心した
・プランニング能力の高さ
・構造がしっかりしていて地震にも安心できる
【奥さんがG社に決めた理由】
・プランニング能力の高さ
・営業マンが一生懸命だった
・価格の安さ
・自分の話をよく聞いてくれた

大まかに分類するとこんな感じでしたが、この取材結果は教科書に載せたいような典型的な結論が得られました。

エンジニアであるご主人は、構造がまず大事とのことで、しつこいくらいに聞きこんだそうです。

耐震等級が高いのは当たり前として、震度7が2回やってきたら建物はどうなるのか?大丈夫という根拠は?という塩梅で営業マンにあとで聞いたら「かなりきつかったです(笑)」と笑っていました。

それに対する奥さんは「構造のことは主人にお任せです」と言い切り、間取りがいいのは当然として、営業マンの熱意や話に耳をしっかり傾けてくれたかどうかなどが決定ポイントだとはっきり言っていたのです。

敵会社をほめだした奥さん

社名を出しますが、ここでいう敵会社はアイフルホームです。

結果的には断った会社なのですが、ご主人と奥さんの評価の違いに驚きました。

主人「アイフルホーム? 特に印象ないけどな。プランもあんなもんってところだったんじゃないかな」
奥様「そんなことないわよ。アイフルホームの営業さんは自分の出したプランにプライドを持っていたわ」
主人「そうだったっけ?俺はそんなこと感じなかったけどな・・・」

取材ビデオを見返したのですが、奥さんはこう断言するどころか、しまいにはアイフルホームの方を持ち出す始末。

アイフルホームの提出図面まで持参してくれていて、それを開いてプラン説明までし始めたのです。

自分のプランにプライドを持つことはキーポイント

今回の取材でたまたま出た話でしたが、筆者はこのことについて現役時代から心がけていましたし、コンサルティング生活に入ってからも指導先の営業マンにはこのように指導しています。

皆さんも気を付けてほしいのですが、自分でプランを書くなら自信を持って折衝に臨むべきでしょう。

もしくは設計にプランニングをしてもらってそれをお客さんに説明するシーンが多々あるかと思いますが、それであっても社を代表してプラン提示をするのですから、プライドを持つのは当然です。

プラン提示の際には「いいプランができました!」とプライドを持って接してほしいのです。

「設計にとりあえずこんな感じでもらいました」ではダメ。

こんな弱々しいプレゼンでは、お客さんの同意を得られません。

この取材で奥さんが「プライド・・・」と言った時には、またこのパターンの人に出会ったなと心の中で思いました。

自分の会社が好きですか?

この取材では出なかったのですが、自分の会社を好きだと口にする営業マンは、お客さんからみると総じて評価が高いと思って間違いありません。

さらには社長が好きというのも高ポイントです。

「弊社の社長が住宅に熱い人で入社面接のときに惚れてしまいました」
「うちの会社はとにかく楽しい会社で誰も辞めないんですよ(笑)」

いかがですか?

もしあなたが家を買うと仮定して、担当営業マンがこう話したら嫌な感じがしますか?そんなことはないはずです。

ほとんどの人が好感を持つと考えるべきでしょう。

奥さんがこき下ろしたS社とは?

先ほどの奥さんの話に戻りましょう。

断腸の思いで断ったアイフルホームには未練があった奥さんですが、最初のプラン提示で嫌気がさしたというS社の話を最後にしてみましょう。

「S社の営業マンは最悪でしたね。主人がそこそこ気に入っていたのでプラン提案まで行ったのですが・・・」

箇条書きにまとめてみます。

  • 奥さんの要望がかなり抜け落ちたプラン
  • プラン図面が雑で汚い
  • 話していてデリカシーを感じない

予約するとこの3点です。

最初の2点はわかりますが、最後のデリカシーを感じないというのはどうしようもないですね(笑)

ところが、長年取材をしていると、このデリカシーがないに属する不満が実に多いことに気づきました。

書きながら思い出したのですが、大手ハウスメーカーの神戸営業所での話。

営業所長から依頼を受けてある方を取材。

競合負けした営業マンに話を聞くと「住友林業が400万円の値引きをしたのが敗因です」との報告。

ところが実際に撮影を始めると、ものの5分で奥さんからこんな言葉が出てきました。

「言っちゃおうかな・・・本当のこと。実はですね、○○さんは足がちょっと臭かったこともあったし、とにかく女性として生理的に受付ないタイプなんですよ」

作り話ではありません。

私の目の前でこう言ったのです。

このビデオを使った営業マン研修を後日行いました。

もちろんこの営業マンも出席しましたが、ビデオは包み隠さず流しましたよ。映像が流れた際に見せた彼の表情は今でも忘れません。

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