ライバルより多くの新築受注を私ができた理由をお話しします④・・・ 家に関する話を数多くした

とにかく、エンドユーザーとたくさん話をしました。

お客さんとたくさん話すには展示場接客もありますし、電話での会話もこの範疇に入ります。

さらには、リストを元にしたノーアポイント訪問や、完全な飛び込み訪問でも、エンドユーザーとの会話はたくさんできるでしょう。

ただ今回のコラムで主題にしたいのは、飛び込み訪問やリストを基にしたノーアポイント訪問のお話です。

今も昔もまったく同じですが、経験のない新入社員にはなかなか接客の機会が回ってきません。

接客ができなければ、家に関する話をする機会も減るので、営業スキルはどうしても伸び悩みます。

ひと月400件の訪問が会話力を鍛えた

根性論を話す気は一切ありませんので はじめにお断りしておきます。

「ひと月400件訪問したぜ!」

こう書いてしまうと、たくさんの飛び込み訪問などを繰り返して数字を上げたと勘違いされそうですが、私が言いたいことはそんなことはありません。

会社のノルマとして、ひと月に400軒のお客さんの家を回るよう指示が出ていたのですが、これは契約を目的にしているのではなく、会話力を鍛えさせるための意味が大きかったのです。

前述したように展示場の新規接客は新卒に荷が重すぎますし、大事なお客さんを潰すことにもなりかねません。

しかし、それでは一向に新卒の営業力は上がらないので、外回りをさせてとにかく家に関する会話をする経験を積ませる指導方法だったのです。

一番厳しい飛び込み訪問

正直なところ、疑問を持ちながらやっていたのは事実ですが、飛び込み訪問もそれなりの数をこなしていました。

会社の方針ということもありましたが、飛び込み訪問をしないとひと月400件のノルマをこなせないからです。

もっとも難しいのが飛び込み訪問ですが、その理由は単純明快で、相手が家を建てるというニーズがあるかどうか全く分からない状態で行くわけですから、そもそも的外れなお宅に行った場合はインターホン越しで怪訝な声の洗礼を受けて終わりです。

しかし、数多くの飛び込み訪問をこなすと、それなりに家の話になったり、家とは関係ない全くの雑談とはいえ、話をする機会が発生したりするのも事実です。

ある県営団地で会った面白い奥様

こんなこともありましたね。

築30年ほどの県営住宅を飛び込む訪問でまわっていたときのことです。

いつものようにベルを鳴らして「積水ハウスと申しますが・・・」 この後なんて言ったかはもちろん覚えていませんが、こんな感じで訪問をしたところ、中から明るい女性の声が聞こえて玄関口に出てきてくれたのです。

私「この団地も家を建てて出てくれる方が多いと聞いているものですから〇〇さんもご予定がないかなと思って寄らせていただきました」

奥様「うちはそんな予定は全く無いのよねえ(笑)ごめんなさいね。 でも、この団地は確かに家を建てて出てくる人がちょこちょこいるもからね」

最初からニコニコ顔で明るく話してくれた奥さんだったので、私もほっと一息つけた感じで雑談をしばらくしていました。

すると奥さんが私を手招きして、こんなことを言うのです。

奥様「ちょっと、こっちに入って・・・あのね、多分なんだけども、うちの前のこのお宅は家を考えていると思うわよ。行ってみなさいよ」

玄関に招き入れてドアを閉めて小声で私にこう言うのです。

この奥様101号室だったのですが、玄関の中からのお向かいの102 号室を指差して、私に行くように指示を出したのです。

指示に従って玄関を出ると、奥様はドアをそっと閉めました。

私は102号室の前に立ち、呼び鈴を鳴らす前に後ろを振り返り、ジェスチャーで「ここですよね」と指さしながら、ドアスコープ越しに覗いてであろう奥さんに対し「今から行かせていただきます!」と心の中で念じて呼び鈴を押しました。

なんと中から奥様が登場

飛込訪問は半分以上不在なのですが、この時は奥様が中から出てきてくれたのです。

101室からの強烈な視線を感じながら、私は新たな奥様と話をしはじめたのですが、家の予定についてはまんざらでもなさそうな雰囲気でした。

結論から言いますとそれっきりで、契約はもちろんのことその後の話も何もなかったのですが、飛び込み訪問先で紹介をもらうというとても貴重な経験をしたのです。

後にも先にもこんなことはこれっきりでしたが、数多くの訪問をこなすと面白いことが起こるものです。

過去リスト訪問

ビジネスマン,ドア

飛び込み訪問はさすがに非現実的な話になるので、私の経験はあまり参考にならないかもしれません。

しかし、過去リスト客の訪問は、今でもさまざまな住宅会社が恒常的に行なっている活動ですので皆さんもやるべきだと思います。

会社によってネーミングはいろいろですが、過去みなさんの会社に一度でも接触があり、コンピューターに名前が載っているお客さんへの訪問活動になります。

飛び込み訪問と比べれば段違いにやりやすいですし、訪問をかける営業の気持ちも、これまた格段に気楽です。

半年前でも構いませんし5年前でも構いません。

とにかく昔の名簿を引っ張り出して、直接訪問か電話をするのです。

もちろんメールという手はあるのですが、会話力を鍛えるのであれば、直接訪問をして直に話した方が力はつくでしょう。

私の営業当時にメールはなかったので、直接行くか電話しかありませんでした。

ただ、私は電話が苦手だったので、とにかく直接訪問してお客様と話をしました。

半分ぐらいが不在だった記憶がありますが、逆に言うと半分は顔を合わせて話ができるわけですから、若手の営業マンにとって会話力を鍛えるにはもってこいの訓練と言えるでしょう。

私は他の同期営業よりも営業力があったと自負していますが、このように足腰を鍛えることができたのは、過去名簿客の訪問を多数行い、会話を大量に交わしたことが大きな原因だと今でも確信しています。

今の時代ならメールでも仕方なし

私の時代はメールがなかったので、直接訪問して会話力を鍛えましたが、今の時代においては直接訪問に加えてメールでも対応した方が正解だと思います。

私ならばこんなことをするでしょう。

顧客名簿をコンピューターから抽出し、まずはメールですべてに対してこんな文言でアプローチします。

「今から2年前に弊社展示場にお越しいただきましたが、その後の ご予定はどうなったでしょうか・・・中略・・・近日中に〇〇町方面にいらっしゃるお客様のお宅を回る機会がございますので、その際に寄らせていただきます。よろしくお願い申し上げます」

ざっとこんな感じでしょうか。

メールで事前にジャブを打ち、それから実際に訪問する手法です。

お客さんから拒絶反応が出るならばそれはそれで話が早いですし、 ひょっとしたらこのメールをお客さんが見ることによって「少し話を聞いてやろうか」と心の準備をしてくれるかもしれません。

いずれにしましても、このような形で訪問して実際に顔を合わせれば家に関する会話をすることができます。

ベテラン社員の方はもちろんですが、このような動きを新卒や若手社員にどんどんやらせて欲しいです。

コンサルティング先に行ってみると現実は

ところがコンサルティング先に行くと、このような顧客名簿が放置されていることが、ほぼ半分の会社で発生しています。

会社の大小は関係ありません。

小規模工務店ならば、そもそも手が回らないという事情があるでしょう。

ところが中堅以上の住宅会社でも、完全手付かずな状況が結構見受けられるのです。

本当に手が回らないのならば話は分かりますが、上司がしっかりとした指示を出していないケースが圧倒的に多いのが現状です。

このコラムをご覧の方が所属する住宅会社の大きさは大小さまざまだと思いますが、若手社員にはぜひともこのような行動をさせてください。

まとめ

新卒や若手社員にはリアル面談を多数させること。

これが今日の結論でありまとめとなります。

メール、LINE、Zoomなどさまざまなコミュニケーションツールがありますが、人と顔を突き合わせて話す経験は必ず数多く積ませるべきです。

私が社長であれば、万難を排してこのような機会を作るでしょう。

私の主張に少しでもご賛同いただければ、ぜひともこのような指導をされてみてください。

営業社員の力が必ずつくと、私から強く進言させていただきます。

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積水ハウスと 零細工務店で営業を経験したのち独立した私は、以後24年間に渡って現場で営業指導を行ってきました。

コンサルティング現場ではさまざまなことを行ないますが、今回の50分のビデオではコンサル現場で実際に行っていることも交えながら、3点にポイントをまとめて解説しています。机上の空論ではなく、すべてが 現場で実践してきた内容ですので、是非とも最後までご視聴ください。

今年度はひとり親方の 大工さんから、上は年間2000棟以上こなしているパワービルダーの社員研修まで幅広く行っていますが、規模の大小に関係なく、ある事を徹底的に忠実に実行すれば 受注が伸びていくのです。

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