現在進行形で私が関わっていることをお話しします。
ある地方にある従業員10人以下の工務店。
社長は設計畑を歩んだ方ですが、紆余曲折を経て独立し工務店を開業しました。
こんな社長ですが昨今のコロナ禍になり集客など減少。
体力のあるうちに何か手を打とうと動き始めたのです。
「紹介でこれまでやってきた」
小規模工務店でよく聞く話ですが、腕もよく会社の評判もいいので紹介受注でそれなりに会社が回るのです。
クレームも少なければ出来栄えもいいということになれば当然でしょう。
紹介受注は〇〇な感じでちょくちょく出ていた
「会社創業以来25年間にわたってお客さんなどからの紹介受注に事欠いたことはなかったのですが、コロナになってからその紹介がなぜか急に減りました」
かなりの危機感を社長はもっているのですが、これまでの25年間はこんな感じで紹介を取ってきたとのこと。
①お施主さんからの王道紹介
王道としか言いようがありませんが、やはりお施主さんからの紹介を得てきたことが大きかったようです。
ところが、その紹介を得るために何か特別なことをしたのか?との私からの質問には「特に何もしていません」これは地場工務店によくあるパターンで、いいものを作っていれば自然と紹介は出てくるものだとの発想。
もちろんこれが理想です。
会社側から仕掛けなくとも、お客さんが自らの意思で友人知人を紹介するのがいいに決まっています。
しかし、このルートがなぜか急にしぼんでしまったことに社長は危機感を持ち始めたわけです。
②寺社仏閣からの紹介
これは特殊と言えますが、行政と提携して寺社仏閣などのリフォームも手広く行っていた関係上、この方面からの紹介も少なからずあったそうです。
「コロナになってからぱったりなんですよね」と社長は残念がりますが、その理由はよくわからないとも話していました。
③職人からの紹介
どの会社でもある紹介ルートですが、この情報源も最近細ったとのこと。
紹介受注の多さを自負してきた工務店こそ要注意
この会社だけではありませんが紹介受注の多さを自負してきた工務店は注意が必要です。
もちろん紹介が多かったということはその会社の技術レベルまた信頼性が極めて高かったということの証左ではあります
ただ、紹介が多い工務店というのはある意味それにあぐらをかくという傾向があるのではないでしょうか。
私はいつも思っているのですが、紹介が多い工務店は紹介が多い時だからこそその他のルートを模索すべきなのです。
こちらの工務店も紹介受注が多かったということですから、技術的なレベルの高さはもちろんのこと、社長の人柄を非常に皆が信頼し社員の意識や技術レベルも高かったのです。
追客、イベント開催、動画発信などは疎かに
ただ他の会社と同様に紹介に依存しっぱなしということで、一般的な企業が行うような現場見学会あるいはイベントもしくはそれに伴う追客活動はほぼやってこなかったということが問題だったのです。
私のコンサル提案
まずは動画発信戦略からスタート
今多くの工務店が取り組みつつある動画戦略。
例えばYouTubeに社長が自ら出演して色々発信をしていくという手法は、もっとも注目されている営業戦略です。
まず初めの仕掛けはこの動画発信。
目鼻の利く全国の小規模工務店の経営者は自らが動画で発信し、それを YouTube にあげて告知活動を行っています。
世の中の多くの工務店経営者がこの YouTube 戦略のことは知っているはずですし、こちらの社長ももちろん知っていたので「 YouTube を使って自らをアピールしている工務店って最近多いよね」とは話していました。
動画発信に関心がありながらやらない理由は何?
ところが多くの工務店の経営者は、頭の中では動画発信が重要だとはわかってはいるのですが、実際に自分がカメラの前に立って会社のことや家づくりの事を発信しようと行動を起こす眼前に、非常に高いハードルがあります。
「 YouTube で発信したらアピールできるよな」とはわかっているのに、それをしない理由はどこにあるのでしょうか。
こちらの工務店では。この問題を解決するために私が社長の背中を押すことにしました。
実際にやってみると分かるのですが誰かに背中を押されると簡単に物事は動き出します。
3つのハードルを取り除けば前に進む
YouTubeを使っての発信は、皆さん頭の中では面白いなと思っているのですが、まずはじめに動画のネタをどうするかということが思いつかないようです。
これが第1のハードルとして挙げられます
そして第2のハードルは、撮った画像の編集です。編集作業は撮影作業と比べると十倍も労力を要します。
テレビなどの世界でも、編集作業というのは1分のニュースをまとめようと思うとかなりの時間をかけなくてはいけません。
3つ目のハードルは YouTubeへの具体的なアップ方法がわからない。
これが挙げられるでしょう
つまりこの三つのやり方さえわかってしまえば後は比較的簡単に動画配信というのは継続することができるのです。
動画のネタは簡単に着想できる
①家づくり失敗事例
家づくりの失敗事例というのは多くの人が関心を寄せる事項です。
これまでの経験から、このような間取りは良くないなどの失敗事例を複数集めてください。
そして、その間取りを実際に指し示しながら「このリビングは良くない」「この動線は良くない」「この壁はよくない」「この窓は良くない」など、もちろんその理由を含めてしっかりと説明するのです。
他の住宅系 YouTuber の動画などを見ると分かりますが、家づくりの失敗事例というのは間違いなく動画再生数が伸びます。
ですから工務店の社長であるあなたがプロの立場として、このような失敗事例を動画として取り上げると皆さん興味を持って見てくれることが予想されるのです。
②他の動画からヒントを得る
他の動画からヒントをもらう。
聞こえは悪いですけども端的に話をすれば他の人を見て参考にするということになります。
これは何でもそうですが、やはり自分だけの発想では限界があります。
ですから他の住宅系ユーチューバーや工務店の社長などが流してる動画を見て、そのままではただの真似になってしまいますのでそれを少しアレンジし、あなた独自の視点をつけ加えてネタを作り込めばいいのです
③工務店とハウスメーカーの違い
工務店とハウスメーカーの違いというコンテンツも多くの人が興味を持ってみる動画となります。
あなたが工務店側でもハウスメーカー側でもどちらでも構わないのですが、工務店とハウスメーカーの違いを、悪口ではなく冷静に客観的な分析をしてください。
調べるのに手間がかかるかもしれませんが、有名ハウスメーカーの比較というのは、最も関心を呼ぶコンテンツとなります。
積水ハウス、ミサワホーム、パナソニックホーム、三菱地所ホーム、セキスイハイムと言ったハウスメーカーをそれぞれ価格や構造や保証などの要素を比較してみてください。
本記事執筆講師が動画にてわかりやすく解説
工務店営業社員の育て方 「24年にわたって現場で営業育成をしてきたノウハウの一部をご紹介」
積水ハウスと 零細工務店で営業を経験したのち独立した私は、以後24年間に渡って現場で営業指導を行ってきました。
コンサルティング現場ではさまざまなことを行ないますが、今回の50分のビデオではコンサル現場で実際に行っていることも交えながら、3点にポイントをまとめて解説しています。机上の空論ではなく、すべてが 現場で実践してきた内容ですので、是非とも最後までご視聴ください。
今年度はひとり親方の 大工さんから、上は年間2000棟以上こなしているパワービルダーの社員研修まで幅広く行っていますが、規模の大小に関係なく、ある事を徹底的に忠実に実行すれば 受注が伸びていくのです。