【不動産売却経験者の21%が売却に満足していない】満足度を高める3つのポイント

安定して売上を上げるためには、コンスタントに集客して契約し続ける必要があります。

不動産媒介であれば売りたい方を探す「物上げ営業」と、購入者を探すための集客活動を欠かすことはできません。

競合する同業他社の件数を考えれば、焼畑農業的な集客活動ではなく自社のファンになってくれる顧客を増加させる、いわゆる創客活動が大切であると言われています。

その中でも一番に考えたいのが紹介数の増加です。

紹介客の歩留まりが高いことについて、異論のある方はおられないでしょう。

1流と言われる営業マンほど紹介件数が多く、中には紹介客との契約だけで年間のノルマを悠々と達成される方もおられます。

言い換えれば実績を上げ続ける優秀な営業マンほど「紹介営業」に繋がるネットワークの構築に余念がなく、それを得るための活動に時間を割くものです。

紹介が反復継続していくのに必要なのが、紹介された方や紹介者の満足度です。

満足度が高ければそれが信頼に変わり、紹介件数が増加していいきます。

紹介を増加させるために必要なのが満足度なのですが、実際には「不動産売却経験者の21%が売却に満足していない」ことはご存じでしょうか?

不満足の理由は様々ですが、その理由を知ることにより満足度を高めるための行動を取ることが可能になり、ひいては紹介数の増加にも繋がるのでしょう。

そこで今回は満足していない理由について学んでいきましょう。

「査定依頼は1社だけ」が過半数

不動産取引に関しての満足度などに関するアンケート調査は、国土交通省など公の機関によるものから、私たち民間などまで様々な形で実施されています。

今回は不動産マッチングサービス「タクシエ(TAQSIE)」を運営する三菱地所リアルエステートサービスと日本トレンドリサーチにより433人に対しインターネットにより実施されたアンケート結果を題材としました。

まず不動産の売却を検討した場合「何社に査定依頼をしたか」の質問にたいして、59.1%の方が「1社」と回答しています。

過半数以上の方が、査定依頼は1社にしか行っていないのですね。

それ以降は、2社・3社と、会社数が多くなるにつれ順位が下がっていくわけですが、1~2社で79.2%と大半を占めることになるのですからいかに「最初に査定を実施する会社が有利」なのかが分かります。

日本トレンドリサーチ,査定依頼,グラフ
引用元:【不動産売却】経験者の21%が、「満足な売却はできなかった」 その理由とは?

さらにアンケートでは複数社に査定依頼を実施した方に「依頼先を決定したポイント」について質問を実施していますが、査定価格が高かったからという回答も当然にありましたが、それよりも誠実な対応・熱心さ・真剣に売ってくれそうな担当者だったなど、営業マンとして信頼できると感じたからという回答が多く見られました。

オリコンによる顧客満足度調査において問い合わせ対応力・利用のしやすさ・担当者の接客力や提案力などが、良い会社を選ぶ判断として重要視されていることから普遍的に求められていると考えられます。

筆者も現役で不動産実務を行っていますから「査定書」はもちろん作成していますが、それ以外にも投資家からの物件調査依頼による見解報告書を作成しています。

物件の正しい価値を説明するため実勢価格はもちろん、固定資産評価や路線価・成約価格事例などはもちろんのことハザード情報や地耐力・緊急避難所との位置関係など、かなり詳細な情報を集め金額を算定します。

そのためでしょうか、かなりシビアな査定価格になることが多くあります。

複数社と競合した場合、査定価格が一番安いこともしばしばです。

言うまでもありませんが査定額は概ね3ヶ月以内に売却できる目安の価格であり、単なる数字でしかありません。

相場を度外視して高額査定することなど簡単です。

ですが、そのような物件が販売できる道理はありませんよね。

わざわざ相場よりも高い物件を購入する方など存在しませんから、結局は値段交渉が入るもしくは一定期間経過後に「いまの金額では反響がありませんので価格を見直しましょう」と、およそ囲い込みと言われても仕方がない流れに持っていきます(もっとも、査定価格よりも高値で売り出してくれという方もおられるのですが……)

このあたりの駆け引きは各人の考える営業テクニックでもありますから、あまり多く語ることはしませんが少なくても誠実であるとは言い難い印象を受けてしまいます。

これらのことから、最初に問い合わせを受けるための手段を構築することと、査定訪問した場合において誠実にかつ熱心に説明することがどれだけ大切であるかが分かります。

誠実さの感じ方かは人それぞれですから、容姿や語り口、相性なんかも関係してくると思いますが顧客の不安点を解消するため難解な専門用語などは極力使わず、分かりやすく、顧客の理解度も確認しながら説明することも大切なのでしょう。

不満足の理由を知る

満足な売却ができたのかという質問にたいし、とても満足な売却ができた・やや満足な売却ができた方の合計は79%にも達しています。

このことから大方が満足しているということが分かります。

日本トレンドリサーチ,売却,グラフ
引用元:【不動産売却】経験者の21%が、「満足な売却はできなかった」 その理由とは?

満足されている方が多いのは良いのですが、満足に売却できなかった方が21%存在していることを見逃してはいけません。

紹介件数は顧客の満足度に比例しますから、取りこぼしを少なくすることが紹介件数を増加させるためには必要だからです。

満足に売却できなかった理由は自由回答方式で質問されており、その表現は様々ですが要約すれば「金額に納得していない」に帰結しているようです。

面白いことに指値が入るなど当初の希望金額より下がっても、担当者が最初から相場や査定金額のほか、最終的には価格交渉が入る可能性があることを説明し、納得を得ている場合には満足度は下がっておらず、説明が不足し、希望金額と相場感に差があるような場合には「強引に安く売らされた」との思いがつのるようです。

不動売却に関しての満足度調査は、全国規模のものから首都圏だけを対象にしたものなどかなりの件数、行われていますが満足している方と満足していない方の比率は8:2で、ほぼ同一の回答結果が得られています。

満足度を高める3つのポイント

これまでアンケート結果について解説してきましたが、そこから顧客満足度を高める3つのポイントについて考えてみましょう。

1. 顧客の理解度を確認しながら説明をする
2. 査定額の根拠について正しく説明する
3. レスポンスの早さ

前項で不満足な理由は売却価格であるとしましたが、説明がなされ売主が納得している分には当初希望していた金額と差が生じても満足度が低くはなっていません。

信頼できる不動産のプロが言うのであるから、目論見が違ってもしょうがないと納得できるからでしょう。

結局のところ、満足度を高めるためには担当営業のスキルを引き上げるのがもっとも近道なのかも知れません。

それでは不動産営業に望まれる資質とは何でしょうか?

基本的なマナーとしての接遇態度や身だしなみなどは、不動産に限らず全ての営業に最低限求められるものですから割愛するとして、およそ以下のようなものではないでしょうか。

●不動産関連の知識が豊富である(保有資格も含む)
●専門用語を乱用せず、理解できるレベルで説明ができる
●契約などを急がせない
●物件エリアに精通している
●質問や要望にたいしての回答が早い
●一方的に話をするのではなく、話を聞いてくれる
●メリットとデメリットを正しく説明してくれる

このようなポイントを意識して、より自分自身を高めるべく努力すれば、選ばれる不動産営業となれるのでしょう。

まとめ

今回は不動産売却をしたことがある方への満足度調査を題材として、満足度を引き上げるために何が必要なのかについて解説しました。

特段の理由でも存在しない限り、不動産はほぼ実勢価格に近い金額で取引されます。

わざわざ高い金額の物件を購入する人はいないのですから、これは当たり前の話です。

一般の方は実勢価格についてそれほど情報を有しておらず「近くで同じような築年数の家が○○万円で売れたらしい」「つい最近の不動産広告で、近くの家が〇〇円で売り出されていた」など、数少ない情報による思い込みで相場を度外視した高値で売れると勘違いしている場合が多いものです。

そのような時、頭ごなしに「そのような金額ではとても……」なんて正論をぶつけては、誠実な担当者であると思われないでしょう。

理解が得られるよう現在の物件状況や近隣成約事例など、正しい根拠を示し必要があるでしょう。

誰しもが少しでも高く売りたいと考えるのは当然で、納得できていない金額で売られたと認識されれば不満がつのるのも当然です。

結局のところ信頼される営業マンとは、良い面ばかりではなく悪い面も包み隠さず説明する誠実な人間であり、だからこそ紹介も得られるのではないでしょうか。

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