売買物件の初回案内で成約率を高めるポイント

売れる営業マンと売れない営業マンの違いは「決定率」です。

つまり案内した物件数に対する成約数の割合(成約率)の高いほうが「売れる営業マン」といえます。

成約率は初回案内物件で決められる割合が高いほど効果的であり、成約率を高めるには不動産を購入しようとするお客さまの心理を知っておかねばなりません。

ここでは初回案内物件で申込みをもらうためには、どのような準備が必要か、どのようなポイントに気をつけなければならないか、営業担当者が知っておくべき心得について解説します。

不動産購入を決断する要素

不動産購入は人生において大きな買物です。

マイホームの購入は一生に1回から2回、多くて3回ほどではないかと思います。

返品や交換のできない不動産を購入決断するには、慎重な検討がおこなわれるのはもちろんですが、家族や身内・知人など相談相手の存在なども影響を与えるものです。

売買担当者は初回の物件案内において購入申込みをもらうには、次の条件をクリアできるか検討しておかなければなりません。

1. お客さまからの希望条件聞き出しは十分できているか
2. 案内する物件はお客さまの希望条件を何割満たしているか
3. お客さまは、100%満たす物件は存在しないことを理解しているか
4. 案内する物件と競合する物件の詳細を把握しているか
5. 決定権者は誰かを把握しているか
6. 住宅ローンの借入申込に問題はないか
7. 今、購入する必然性がお客さまにあるか

以上の設問に対して「すべてクリア」しているといえる場合は、案内後に来店してもらい「購入申込」および「住宅ローン事前審査申込」の記入を準備しておきます。

さらに決断保留に備えて次回の物件案内を予定する準備もしておかなければなりません。

案内時に必要な担当者のコンサルティング意識

案内時に「申込をもらおう」といった意識が強いと、お客さまの警戒心が強くなるので逆効果です。

コンサルタントとしての立場に徹し客観的な説明をおこない、物件に対する疑問点がなくなるような対応が必要です。

さらに初回案内時で申込みをもらうには、本命物件を最終的に選択するストーリーが必要であり、比較用として他に2件ほどの物件を用意します。

比較用の物件は本命物件とあまりにも質の違う物件では意味がありません。

お客さまから聞き出した希望条件や、潜在的意識にありそうな条件などを最終的に取捨選択し、そのときの検討材料にするものです。

そのため、候補として捨てがたい物件を用意するほうが効果的です。

比較検討は現地でもおこなう場合もありますが、基本は店舗でおこなうほうが望ましいです。

案内後に店舗でおこなう、落ち着いた雰囲気での検討が重要な舞台といえるのです。

希望条件の聞き出しが十分できているとはいえ、実際の物件を見たあとでは優先順位が変わることもあり、希望条件の取捨選択と優劣の評価をお客さまと共におこなうのがポイントです。

希望条件を100%満たす物件はありませんが、できる限り満たせることが大切です。

希望条件の達成度は物件の評価のしかたによって変わるもので、絶対的なものではありません。

比較検討するプロセスのなかで、本命物件が相対的に優れていると評価できると申込に至ります。

そして担当者はお客さまがおこなう比較検討をリードする役割を担うのです。

成約率をあげる重要なポイント

冒頭にあげた「決断する要素」とした条件のなかで、重要な「お客さまの希望条件」についてもうすこし深掘りしてみます。

お客さまの希望条件を把握する

お客さまが述べる希望条件にはいくつかのレベルがあります。

・絶対外せない条件
・できれば満たしたい条件
・願望に近い条件

多くの希望条件を以上の3つに分類整理し、実際に検討をおこなう物件がみつかった場合、再度整理してみるとレベルが変わることもあります。

「絶対外せない条件」としていた条件が「できれば満たしたい条件」に変わり「願望に近い条件」としていた条件が「絶対外せない条件」に変わるなどです。

一度整理した条件にもとづいて物件を選別し、本命物件として案内をすると空振りになることもあり、それは希望条件の優先順位が実は違っていたということでもあるのです。

お客さまは不動産を購入しようとする数年も前から、どのような物件を購入しようかと考えることはありません。

ほとんどは物件探しをはじめるころから真剣に考えはじめます。

そのため実際の物件を比較検討するときに、購入すべき物件の条件についても考えるようになります。

人の考えは時間や体験によって変わっていくものです。

その変化する過程を知ることにより、お客さまの希望条件を正確に把握できるといえるでしょう。

家族観・人生観を把握する

住宅を購入しようと思い立つキッカケはどのようなものなのでしょう? 住宅支援機構がおこなった調査結果から、住宅購入動機を確認してみましょう。

ライフステージ 生活・環境の質向上 経済的理由
結婚や出産を機に もっと広い家に住みたい 自然環境の良さ
子供や家族のために もっと新しい家に住みたい 現在の住居費が高い
親の介護のため住み替え もっと良質な家に住みたい 住宅価格が安くなり買い時
老後の安心のため 周りに気兼ねしたくない 住宅ローン金利が低く買い時
仕事の都合で住み替え 通勤などの利便性 住宅取得関連税制が有利
社宅などを出る必要が 教育や子育て環境のため 資産として取得

出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査【住宅ローン利用予定者調査(2020年5月調査)】」

注目したいのが「ライフステージ」に関する動機です。

住まいは家族や自身の人生に深い関りがあり、お客さまには大切にしたい “価値観” があります。

そのような価値観を大切にできる物件、こうありたいと願っていることが実現できそうな物件ほど、購入しようと決断しやすい条件を備えています。

営業担当者はお客さまが持っているこの「価値観」を理解し、共感できるかどうかが問われます。

前述の希望条件の変化は価値観に左右されています。

お客さまの価値観を理解できていると、希望条件の優先順位が変化することに対応できるようになります。

お客さまが最終的な決断をするときは、ご家族をはじめとした相談者と決定権者の同意、そして営業担当者の賛同が大きなあと押しとなるのです。

まとめ

お客さまが購入を決断するまでの心理的要素で、重要視されるのが「共感」あるいは「情報の共有」です。

新しい住宅を購入し新しい生活がはじまり、そこでの新しい発見や体験が、さまざまな形で他の人へも発信されるのが現代です。

お客さまは、他の人が共感してもらえるものに価値を見いだすものです。

共感を持ってもらえる最初の他人が営業担当者になるわけです。

営業担当が勧めるから購入するわけではありません、営業担当が共感してくれるから購入しようという強い決断が生まれます。

そのため営業担当に必要なものは、お客さまの価値観に共感できる感受性なのです。

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