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一棟ビル・一棟レジの査定方法

普段、実需の土地・建物・区分マンションだけを扱っていると、「一棟モノ」の査定がきたときに、どうしたらよいか意外と分かりにくいですよね。

同じ「不動産」でも実需投資用では、その見立てが大きく異なります。

買取業者と売買仲介業者、金融機関と不動産投資家等、ポジションによって評価方法は異なりますが、今回は「売買仲介ポジションの人が査定依頼を受けたイメージ」でお話してみます。(プロ向けの読み物として、用語解説などは割愛するので、適宜ググって下さい。)

【売主に一番近い査定仲介業者が求められるもの】

「物件の概要書やレントロールを見て、物件を評価する・査定する」そんなことは不動産の買取業者はもちろんのこと、一般の不動産投資家(エンド顧客)であっても、少し慣れている人であれば余裕で出来てしまいます。

対現所有者(不動産オーナー)様という一番原石に近いところにポジショニングする売買仲介業者としては、それらに加えて、買手が判断するための「物件概要書」「レントロール」等々をゼロから作り出すスキルが求められます。

不動産業者から購入してから1-2年での売却ならいざ知らず、「親から相続した昭和築の一棟マンション」であったり、「競売で購入した一棟アパート」であったりすると、現所有者(オーナー)様が保有している物件資料が万全であることは、決して多くありません。

区分の実需マンションであれば、部屋番号さえ分かればathomeや東京カンテイから間取りを引っ張り、マンション内や近隣の類似物件の販売中事例・レインズの成約事例等から、取引事例を比較することで簡単に根拠ある(ように見える)資料は作れてしまうことでしょう。

しかしながら、一棟収益モノにおいては、土地・戸建と同様、個別性が強い為、現地と役所の調査は疎かにできません。加えて図面や謄本からだけでは分からない「収益性」というソフト面の把握まで必要です。

とはいえ、ネットでの一括査定もできてしまうこの時代、過度に時間を掛けてしまっては、他仲介業者にいつかっさらわれてしまうか分かりません。

そんな万全ではない情報からでも、スピードを持って査定額を出す、机上(PC)での簡易査定にウエイトを置いてお話します。

【一般エンド売主様からの売却相談を頂いたとき】

―――具体的(簡易)査定法―――

①場所の把握

これは実需であろうと変わりませんが、不動産は立地です。まず、どこにあるのか。

売却査定相談の電話やメールでゲットした住居表示や物件名称から特定。一棟物件の場合ビル名・アパート名とエリアで特定できたりもします。

「都道府県名・市区町村名」+「建物の名称(●●マンション)」などでPC検索。

②外観の確認

Googleマップのストリートビューをフル活用。

もしストビューが届いていないエリアの場合は、航空写真モードの3Dビューも便利。

これらと併用して、HOME’Sアーカイブ(https://www.homes.co.jp/archive/)や賃貸募集ポータルサイト(SUUMO・ホームズ等)での現在、または過去の募集からも外観写真をチェック。駐車場の有無にも注意。

③公的評価の確認

最も金融機関が参考にする公的評価は土地の「相続税路線価」です。実需売買においては、ほぼほぼ気にかけることもありませんが、収益物件においては、超重要。全国地価マップのほうが住居表示から検索できるので便利。ただし、新年度のものが反映されるまでタイムラグがあるので、時期によって国税庁も確認します。

建物については、法定耐用年数からどれだけ経過しているか、残存価値を計算します(金融機関によっても異なる)。これらがいわゆる積算です。

<全国地価マップ>
https://www.chikamap.jp/chikamap/Portal?mid=216

<国税庁:路線価図・評価倍率表>
http://www.rosenka.nta.go.jp/

④接道や地形

土地の付いてくる一棟物件においては、接道や地形は大切です。そもそもの再建築が出来るか、更地にして戸建の分譲という出口を考慮できるか、セットバックは必要か、これらによって土地の価値が大幅に異なってきます。

取り急ぎ、机上(PC上)であれば謄本・公図・地積測量図等の法務局資料に三角スケールを当ててみたり、ストビューからL字溝の数で推測するなども粗くはできます。

  • 敷地延長の地形で、間口2mが怪しい
  • 位置指定道路っぽい道路のドンツキで位置指定の奥行きが届いているか怪しい
  • 公図上で筆が切れていない私道で、有効宅地面積が分からない

こういった場合には、しっかりと把握する為に、現地でのメジャー当てと、建築計画概要書の裏面の配置図の取得等、役所での調査が必要です。

⑤建物の机上チェック

見た目と登記簿謄本の構造は合致しているか、どんな間取りで、何世帯あるのか。風呂・洗面・トイレが一体の3点ユニットタイプか、BT別タイプか。謄本や設計図書(青図)、ホームズアーカイブや、建物名でGoogle検索を掛けて過去の募集事例などからチェック。

⑥遵法性チェック

金融機関もチェックする、一番気になるところは、「建ぺい率」と「容積率」。超過しているように見えるのであれば、どのような緩和が適用されているのかを調査します。

ある程度規模のある建物の場合、「消防点検での指摘事項の有無」なども知りたいところではありますが、遵法性も「どこまで求めるか」は買手と金融機関によって異なりますので、スピード査定においては後回し。その他、役所調査は実需部件と同じです。

⑦賃貸状況・募集賃料のチェック

「レントロール」と呼ばれる賃料の一覧表を売主さんより頂くのが一番理想

ただし、「売却査定相談」の時点でそんなバッチリな資料を作っている業者レベルの人は少ないです。直近の参考資料として取得できると嬉しいのは、管理会社からオーナー宛に送られてくる「マンスリーレポート(月次報告書)」これを見れば、現在の稼働状況・賃料・共益費等が概ね把握できます。

自主管理の場合などは、売主さんにヒアリングするか、賃貸借契約書から転記して把握します。サブリース契約がある場合は、解除できるのか、承継できるのか等もサブリース契約書を読み込みます。

また、現況で空室があって、募集をしている場合はそれを参考にしつつも、SUUMOやホームズで類似物件を検索。賃料の安い順で並べ替えるなどして、着実に入居されるであろう賃料とポジティブな賃料を把握します。

店舗や事務所の場合、賃料のアタリをつけるには、ATBB(https://atbb.athome.jp/)での成約事例なども活用します。

⑧コスト面のチェック

現在は管理会社を利用しているのであれば、委託契約書をチェック。今の管理料はいくらか?その引き継ぎに強制力があるか。

特にコストで大きいものとしてはエレベーター。メンテナンスはPOG契約かフルメンテ契約か。共用部の電気代・水道代もざっくりな平均、もしくは直近の請求書などは把握するべきです。

水道メーターが一つしかないアパートなどもある為、各入居者の水道代がオーナー支払いではないかも要確認。その他としては、年間の固定資産税等も押さえておきたいところです。

また、修繕の履歴の有無と、前回の修繕からどれくらい経過しているか、空室が多くある場合や、屋上防水工事などが必要な場合も、いざ運営・稼働させるための募集コスト・修繕コストが掛かります。

表面利回りが高くてもOpex(運営費:オペックス)が大きすぎると意味をなしません。また、手直しのイニシャルコストが大きく掛かる物件であれば、査定額に反映する必要があります。

⑨適した金融機関のチェック

結局の所、投資用収益物件の価格に直結するのは、「融資が出るかどうか」。ここがかなりのウエイトを占めます。

想定する買主が、買い取ってもらう不動産売買業者であれ、一般の不動産投資家であれ、「オール現金で全ツッパ」という買手はレアです。

日頃都市銀行の「住宅ローン担当」としかやりとりしないポジションの仲介業者さんであれば、コレを機会に物件周辺の地銀・信金等に「融資可能額(物件評価)・期間・金利・融資を組めるであろう人物属性」等をヒアリングするチャンスです。

⑩シミュレーションをチェック

「キャッシュフローツリー」などのキーワードでGoogle検索を行う。

もしくは「Reifa(リーファ)http://www.reifa.jp」などのシミュレーターを使うなどして、今まで集めた材料(データ)をブチ込んで、収益物件のキャッシュフローの計算を行います。

基本的には①~⑧の作業までで、一般的な収益物件の概要の把握と、買手からの若干の質問には回答できるレベルです。ここまでくれば、あとは楽待や健美家などから、マーケットに出ている利回り感から収益還元評価で査定することはできます。

もう一歩すすんだ⑨と⑩を行うことで、買手の目線を知ることが出来るため、「本当に売れる(売りやすい)物件か?」というのが、仲介ポジションでも把握できます。

●「利回りは相場だけど、こんな積算評価じゃ融資が付かない。」
●「え?こんな手残り(CF)しかない物件、だれも買わないっしょ?」

そんな金額で高受けしすぎないようにして下さい。

最後になりますが、収益一棟ビル・一棟レジデンス(マンション・アパート)の査定依頼を受けた仲介業者さんがとるべき行動として、マストなのは…

それを得意としている「不動産買取業者」にヒアリングを掛けることです。

仲介)「これ、まだ概要書もできていない売却相談レベルなんですが、
御社だったらいくらで買ってもらえますか?」

はい、コレを1社から数社やるだけで、先程の①~⑩、ほぼ丸投げできます。

A社)・「ちょっと詳細もらわないと分からないですね」
B社)・「ウチではこれ買取の土台に乗らないです」
C社)・「1億円だったら買います」

こんなレスポンスであれば、C社の1億円で纏まるように、査定活動・媒介契約の取得をしましょう。

そう、あれですよ、査定金額を三段階くらいで提示して…

  • 上 11,000万円
  • 中 9,000万円(査定額)
  • 下 8,000万円
「確実に売れるのは8,000万円台だと思いますけど、
12,000万円あたりから、とりあえずチャレンジしてみます?
でもあまり長い間マーケットに出しておくと印象が悪くなるので、
1-2ヶ月様子見て価格調整していきましょう」


タイミングをみて

「不動産業者さんから査定額より上でお申込いただきました!
瑕疵担保免責で売却できます♪」

みたいな感じ?

【どの業者に聞けばいい?誰に聞けばいい?】

知り合いに収益物件扱っている人が居ない?分からない?

そんな時には、↓ここに専門家が居ます↓

https://twitter.com/takashi_sekita

※「この記事を書いた人」イラスト下部、
青地に白い鳥、「Twitter」マークからDMにてご連絡下さい。
(目指せ我田引水)

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