Webニュース他、メディアでも「ウッドショック」なる言葉がちらほら聞かれるようになりました。
中古の投資用一棟収益不動産の売買を主戦場としている私としては、まだ「実感」できていないものの、最前線をいく現場の人達のTweetを眺める限り、
建築業界では『ウッドショック』なる、
— そぞろ (@sozooro) April 18, 2021
木材の不足が問題になっているみたい!
だから、供給のある樹種に変える業者も多いみたい。
樹種変えて、構造計算の倍率変更だからっていう
『計画変更』が結構出てきている…。
友達にイ○ダとオ○プンの物件のコーキングしてる人いるんだけど、6月から木材の関係で現場が止まるって通達があって先々不安がってる。
— さいけんふ@crazy cat (@saikenfu) April 22, 2021
新築メインだから詰んだっぽいって
((((;゚Д゚)))))))
これ結構大変そうな気が…。
この背景としては
・コロナ禍で大規模な金融緩和策
⇒米国中心に新築住宅の建設需要が急増で供給がひっ迫
・新型コロナウイルスの影響による輸送費の上昇(&コンテナ不足)
それらから住宅用木材は一部で「かつてないような価格高騰」に直面。
大筋は下記の楽待不動産投資新聞の記事にまとめられています。
「輸入木材が「かつてない価格高騰」、新築物件への影響は」(楽待)
https://www.rakumachi.jp/news/column/276081
●(朝日新聞デジタル)オイルならぬ「ウッドショック」木材不足で戸建てピンチ
https://www.asahi.com/articles/ASP4V6QS5P4VULFA01L.html
●木材が買えない!? 住宅市場に忍び寄る木材危機(Housing Tribune)
https://htonline.sohjusha.co.jp/20210408-1/
つまるところ、元々目論んでいる価格で建築できない。
そもそも目当ての木材が手に入らないから施工できない。
完成しないから分譲・販売・賃貸出来ない。
こんな様相に成りかねません。
新しく作れないのであれば、フォーカスされるのは既存の在庫。
ただでさえ、住宅価格の上昇傾向が露骨な昨今、物理的に供給数が大幅減少してくるようであれば、住宅価格はさらに上振れするかもしれません。
「6月から材料が上がるので、値下げは受けない!」と、今日(4月)現在でパワービルダー売主物件では、指値の予防線に口上が使われだしています。
投資用物件、新築木造アパートの建築を予定していた投資家・不動産事業者においては、「いつ立ち上がるのか」が見えない状況はかなり辛いものがあります。
「借り入れの返済が始まっているのに、いつまで経っても建物が完成しない…。」想像しただけで恐ろしい。
今の所、ダイレクトな影響は新築住宅の集成材等のイメージですが、場合によっては中古のリノベーションに必要な具材にまで影響が派生してくるようだと「築古ボロDIY投資」な大家さんにも無関係ではないかもしれません。
木材の需給バランスがいつ落ち着きを取り戻すのか、どこまでこの問題が派生してくるのか、まだ全体像は見えませんが、マーケットの価格があがろうと、木材が手に入らなかろうと、結婚・離婚・出産・介護・進学・就職・転勤諸々、人の営みがある限り、住宅需要は新たに発生してきます。
実需の売買仲介においては、わかり易い「背中を押す材料」となるのは間違いなさそうです。