借地権を売却する際の仲介業者がするべき準備について(地主からもらう承諾)

 前回は主に借地の概要についてのチェックポイントについて触れてみました。(「借地権の売却準備時にチェックしたい9つのポイント(借地権内容の確認)」)今回は、借地売却にあたり事前に地主から得ておくべき承諾に関することをついて挙げてみます。

「借地権者が地主から売却の承諾を得る」というだけでなく、その後、新借地権者が借地をどのように利用するかということまでを考えてみると、具体的にはその他にいくつもの承諾を得ておく必要があることに気づくでしょう。

いくつかのケースを想定しながら、一つずつ確認していきましょう。

地主への聞き方は、土地の状況や地主の性格等にあわせて仲介業者の皆様が工夫をしてください。

*仲介会社の方が借地権者から依頼を受けて地主に接触する場合、非弁行為にご注意ください。借地権者の「代理人」として交渉をするのか、「使用人」として借地権者の考えをただ伝えに行くのか?借地権者の代理人の立場と判断されるようであれば、弁護士に依頼しましょう。

皆様は日頃注意をされているとは存じますが、念のため。

まずは正しい交渉先を探しましょう

借地権者側の交渉先である地主を探しましょう。

借地権者から地主の氏名・住所・連絡先等をヒアリングします。同時に、各種書類を確認しましょう。

土地賃貸借契約書等の契約書類、土地登記事項証明書、賃料振込先等の名義が借地権者からのヒアリング内容と一致していれば、ほぼその方が地主で間違いないでしょう。

早速、その地主に連絡を取って確認してみましょう。

借地権譲渡(売却)の承諾を地主から得ましょう。

まず地主との接触の前に、土地賃貸借契約書で借地権譲渡の承諾料についての規定の有無を確認しておきましょう。

例:「契約条項に規定のある承諾料をお支払いします(規定がある場合)ので、借地権を第三者に売却させてもらっていいですか?」

地主が承諾をしてくれれば売却活動に入れますが、地主から断られた場合には地主が借地権を買い取るか、地主が底地を手放す可能性があるか等を探ってみましょう。底地と借地を同時に売却できれば、その土地の取得者は「所有権」を取得することになるわけです。

例:「借地権を地主さんが買い取ってくれますか?」

「買手を探して、借地権と底地を同時に売却しましょうか?」

借地権の譲受人が建て替えをするのに備え、その建て替えの承諾を地主から得ましょう。

例:「既存の建物は築古なので、借地権を購入された方はすぐに建物を建て替える可能性が高いです。その方のために建て替えの承諾もいただけますか?」

建て替えをするのなら、その前に既存建物を解体する必要があります。

そこで、解体工事についても事前に触れておいた方がよいでしょう。

例;「借地権を購入された方が、土地賃貸借契約を締結した後、(建物新築のために)すぐに既存建物を解体することを承諾していただけますか?」

借地権の譲受人は既存建物の増改築を希望するかもしれませんので、その承諾も地主から得ておきましょう。

例;「借地権を購入された方が、既存建物の増改築をしたいとの希望だったら、その承諾をもらえますか?」

借地権の譲受人が建築資金等の融資を受ける際、地主が銀行に「地主の承諾書」を提出してくれるかを確認しておきましょう。

承諾書のひな型は例としていくつか銀行から取り寄せて準備しておくことをお勧めします。

【銀行の「地主の承諾書」の主な内容】

1.借地権者が「木造・準耐火構造・耐火構造(1つ選択)」の住宅を建築することを承諾します。

2.(地主が借地権者の配偶者または直系親族の場合)この土地にこの金融機関を第一順位とする抵当権を設定することを承諾します。

3.地主が借地権者の配偶者または直系親族ではない場合に下記のいずれかを選択

1)この土地にこの金融機関を第一順位とする抵当権を設定することを承諾します。

2)この土地にこの金融機関を第一順位とする抵当権を設定することは承諾しませんが、土地についている抵当権は抹消します。また、借地権者が地代を支払わなかった等の理由により借地契約を解除する前には、必ず金融機関に連絡することを承諾します。

(なお、借地権者が地代を払わず、かつ、金融機関が債権保全上必要と判断したときは、この金融機関が借地権者に代わって地代を支払う旨の一文があります)

例:「借地権を購入された方が建物の新築等で融資利用をする場合、銀行に対して銀行指定書式の「地主の承諾書」を提出していただくことはできますか?」

借地権を売却する場合、その借地の範囲を特定する必要があります。

当該借地が1筆の土地の一部である場合には、分筆を依頼しましょう。

例:「借地権を売却するにあたり、その範囲を特定しなければなりませんので、測量の上、分筆登記をしてくださいますか?」

なお、当該借地面積が2区画以上に分割できる広さがある場合、不動産分譲業者が借地権を取得して、新築分譲戸建事業をする可能性もあります。

その場合には、その借地をさらにいくつかに分筆する必要が出てきますので、そのことに触れておく必要があるかもしれません。

例:「この借地権を不動産分譲業者に譲渡してもよいですか?譲渡した場合、その分譲業者が当該借地をさらにいくつかに分筆して欲しいと希望したら、希望通りに分筆をしていただけますか?」

まとめ

以上、いくつかの場合を想定して、事前に得ておきたい地主の承諾について列記してみました。

この全項目について地主から承諾を得られることは稀でしょうが、どの項目に承諾をいただいているかを整理しておくと、買手との協議がしやすくなるはずです。

聞き方やその順番あるいは時期、またその承諾内容をどのように文書化するかは非常に難しい判断となることもありますが、それぞれの事案に応じてご検討ください。

繰り返しになりますが、地主との接触時(交渉時)には弁護士を交える等、慎重に行うことをお勧めします。

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