ロシアのウクライナ侵攻が日本の経済にも大きな影響を与えています。
とくに住宅産業は2021年初旬からはじまった「ウッドショック」により、木材の価格高騰と木材調達の見とおしが不安視されていました。そこへロシアへの経済制裁に木材も含まれることになり、7月末にはロシアからの輸入は不可能になります。
この影響を受けるのが戸建分譲住宅最大手の飯田グループホールディングスです。
飯田グループは、2021年12月にロシア東部の森林企業である、ロシアフォレストプロダクツ(RFP)の買収を公表しました。
RFPは飯田グループが年間使用する木材とほぼ同じ量の原木伐採量があると言います。RFPの買収によりウッドショックの影響を受けることなく、木材の安定供給が可能になるはずでした。
しかし2022年2月24日、ロシアのウクライナ侵攻により木材の供給減少がおこり、3月には、日本国内における木材の需給バランスに影響を与える懸念を指摘する声もありました。つまり第2のウッドショック勃発です。
そして4月12日日本政府はロシアへの追加制裁を閣議決定し、制裁には木材も含まれることになったのです。
一方、飯田グループと同じく戸建住宅をメイン事業とするオープンハウスグループの、注文住宅部門を担うオープンハウス・アーキテクトは、ロシア材から欧州・北米材に切り替えたといいます。
飯田グループがRFPに投じた資金は600億円、RFP株の75%を取得し子会社にしました。ロシア政府の日本企業に対するスタンスは不明ですが、日本貿易振興機構による調査では、半分以上の企業が「一部もしくは全面的に事業停止」の意向といいます。
ウッドショックに対して飯田グループが打つ次の手に注目です。
元記事はBusiness Journal