「第2のウッドショック」到来か?木材の調達先で明暗を分けた飯田GHDとオープンハウスG

飯田GHD

飯田GHDのHPより)

ロシアによるウクライナ侵攻は、エネルギー資源のみならず、日本の住宅産業にも深刻な影響を及ぼしています。

2021年初旬から続く「ウッドショック」が収束を見せない中、新たな局面として「ロシア産木材の輸入禁止」という事態が現実味を帯びてきました。

本記事では、戸建分譲住宅最大手である飯田グループホールディングスの動向を中心に、住宅業界が直面する課題と今後の展望を解説します。

ウッドショック再燃。ロシアへの経済制裁が木材調達を直撃

2021年から続く世界的な木材需給の逼迫「ウッドショック」。この影響で、日本の住宅業界は木材価格の高騰と供給不足に悩まされてきました。

そこへ追い打ちをかけたのが、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻です。日本政府はロシアへの追加制裁を決定し、その対象には「木材」も含まれました。これにより、2022年7月末にはロシアからの木材輸入が事実上不可能となります。

この供給網の断絶は、まさに「第2のウッドショック」とも呼べる事態を引き起こそうとしています。

飯田グループの巨額投資(600億円)と誤算:RFP子会社化の現状

この影響を最も深刻に受けると目されているのが、戸建分譲住宅シェアNo.1の飯田グループホールディングスです。

ロシア最大の森林企業「RFP」の買収

飯田グループは、ウッドショックへの対策として、2021年12月にロシア東部の巨大森林企業「ロシアフォレストプロダクツ(RFP)」の買収を公表しました。

  • 投資額: 約600億円
  • 取得株式: 75%(連結子会社化)
  • 目的: 年間使用量に匹敵する原木の安定確保

本来であれば、この買収によってウッドショックの影響を受けない「自社供給モデル」が完成するはずでした。しかし、買収完了からわずか2ヶ月後、地政学リスクが表面化。経済制裁により、自社グループから日本へ木材を運ぶことすら困難な状況に陥っています。

明暗を分ける住宅メーカーの対応:オープンハウスの迅速な転換

飯田グループがロシア事業の対応に追われる一方、競合他社は素早い動きを見せています。

同じく戸建住宅を主力とするオープンハウス・グループの注文住宅部門(オープンハウス・アーキテクト)は、早期にロシア材から欧州・北米材への切り替えを完了させたと報じられています。

企業のスタンスと事業継続のリスク

日本貿易振興機構(JETRO)の調査によると、ロシア進出企業の半数以上が「事業の停止」を検討・実施している状況です。

600億円という巨額の資金を投じた飯田グループにとって、ロシア政府の日本企業に対するスタンスが不透明な中、撤退か維持かの判断は極めて難しいものとなっています。

今後の展望:住宅価格への影響と飯田グループの次なる一手

ロシア産木材の輸入停止は、国内の木材需給バランスをさらに悪化させる懸念があります。

  • 住宅価格の上昇: 代替材(欧州・北米・国産材)の奪い合いによるコストアップ。
  • 工期の遅延: 木材調達の見通しが立たず、着工が遅れるリスク。

ウッドショックを克服するための「攻めの投資」が、皮肉にも最大の懸念材料となってしまった飯田グループ。

安定供給という最大の武器をどう再構築するのか、その次なる経営戦略に業界全体の注目が集まっています。

まとめ

ロシア・ウクライナ情勢は、日本の「住まいづくり」の根幹を揺るがしています。木材の安定供給が不透明な今、住宅購入を検討している消費者は、メーカー各社の調達力や価格改定の動向を注視する必要があるでしょう。

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