木造注文住宅事業を展開するアキュラホームグループは、世界初となる10階建て木造ビルの振動実験「NHERI TallWood Project 」の共同実験に参画すると発表しました。
同社は日本国内における中規模木造建築普及のため、木造軸組工法による8階建て新社屋と5階建てモデルハウスの建築を予定しており、木造ビルの耐震性能や耐火性能が課題となっています。
2021年9月には大空間・大開口を設けた試験体で倒壊実験をおこない、耐震性能の向上に取り組んできたところです。2022年10月に予定される「NHERI TallWood Project 」では、CLT(直交積層板)などを利用した10階建ての試験体で実験を行います。
「NHERI TallWood Project 」は米国国立科学財団(NSF)が資金提供しており、米国カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)にある世界最大級の試験装置を使用します。
この共同研究によりさまざまな条件下において木造ビルに与える知見を得、その結果にもとづく経験を活かすことにより、木造建築物の進化に貢献していきたいと考えています。
「NHERI TallWood Project 」は高層木造建築物の耐震設計手法を開発・検証することがビジョンであり、UCSDが保有する世界最大の屋外振動台による実物大実験は、大きな検証結果を期待させるものとなります。
これまでの日本の住宅は、吹き抜けを設けた大空間や広い開口部を設けることは、耐震性能上の配慮から難しいものでした。しかし現在、アキュラホームの住宅はこれまでの研究開発により、5階建て木造建築を実現する強固な構造と同様の技術にもとづき設計がなされています。
そのため大空間や大開口を採用した「超空間」を実現しながら、耐震等級3を上回る高い耐震性能を実現しています。これまで同社が培った技術にもとづいた今回の共同研究は、木造建築の可能性を大きく高めるものになるでしょう。
元記事はPR Times