中国国家統計局の発表では、中国のマンション価格は前月から47都市で値下がりがあり、3月よりも9都市増加しました。マイナス幅が大きかったのは地方の中小都市ですが省都クラスでも4か月ぶりの値下がりといいます。
主要70都市では新築物件平均価格が前月比マイナス0.3%となり、3月の下落率0.1%からさらに拡大しました。
中国政府による不動産金融引締め政策により、昨年9月から新築物件の平均価格は下落がつづいていましたが、上海における新型コロナ感染拡大によるロックダウンが影響し、4月にはいりさらに市況が悪化したもようです。
4月はマンション販売面積が前月比42%減少しており、コロナ禍による影響の大きかった2020年1~2月の落ち込み幅を上回り、2010年以降最大の落ち込みとなりました。
背景には景気減速による雇用悪化と値上がり期待が低下したことにより、実需・投資の両面で需要が減退しているものとみられ、5月に入っても復調のきざしはみえません。
例年5月は大型連休があり住宅展示場の来場者が増加、不動産業界は活況を呈するといいます。しかし主要都市における売買面積は、2019~2021の同時期平均と比較し5割減少といいます。
中国人民銀行などは住宅ローン金利の下限を引き下げるなどの措置をし、経済規模の大きい都市では住宅購入制限を緩和する動きもあるといいますが、家計の先行き不安が解消されず住宅需要の回復は見込めない状況です。
元記事は日本経済新聞