大手不動産会社では空の活用を視野に入れた新たな試みが始まっています。
三井不動産は物流施設の屋上にドクターヘリの運用を考えたヘリポートを設置、将来的にはドローンポートとしての活用も考えています。
三菱地所は新たな交通インフラとして期待される「空飛ぶクルマ」の実証実験に参加します。
三井不動産のヘリポートは綾瀬市と締結した協定によるものであり、綾瀬市消防と東海大学医学部付属病院高度救命救急センターが連携する、高速道路上における事故対応や綾瀬市内の救急要請に対応するドクターヘリの活動拠点を目的としています。
高速道路はドクターヘリの着陸が難しく、綾瀬スマートインターチェンジに近いヘリポートは、高速道路上の重大事故に早期対応が可能となります。また同ヘリポートは物流施設の屋上のため軽量化する必要があり、アルミデッキヘリポートとなっています。
三菱地所が参加する「空飛ぶクルマ」は、東京都の「都内における空飛ぶクルマを活用したサービスの社会実装を目指すプロジェクト」公募に、三菱地所、日本航空、兼松の3社が提案し採択されたものです。
同プロジェクトは22年度に、都内アクセス、空港アクセス、離島地域の移動サービスと遊覧飛行など、都内におけるさまざまな空飛ぶクルマのビジネスモデルを検討する予定です。
23年度にはヘリコプターによる運航実証を行い、24年度に空飛ぶクルマで運航実証を実施し、離着陸場オペレーションの検証と運用に関する課題や収益性を検証します。そのうえで25年以降の実用化を狙っています。
空飛ぶクルマは新たな交通インフラとして期待されている技術であり、都市づくりを担う三菱地所にとっては、丸の内やみなとみらいなどの「街の価値向上」に寄与するものと捉えています。
さらに三菱地所は、御殿場アウトレットと酒々井アウトレットにて、ヘリコプタークルージングサービスの実証実験を実施しており、ユーザーニーズを把握し社会的受容性の醸成にも役立っています。
元記事は住宅新報web