中国の銀行が発行する住宅ローン担保証券(RMBS)が急減し、不動産危機が表面化しています。
RMBSはかつては投資ツールとして比較的安全で人気のある投資ツールでした。しかし不動産危機の影響により発行額が大幅に減少、年初来の発行額は昨年比92%減少、2月末以降の発行はゼロとなっており、発行ゼロ期間の長さは2015年以来となっています。
中国では不動産開発業者の債務不履行に加え、未完成物件を購入した所有者が住宅ローンの返済ボイコットをしており、銀行の破たんリスクが大きく過去最大の不動産危機が生じています。
新築住宅販売実績も大きく減少しており、不動産危機の連鎖反応としてRMBS発行減少が生じたと見られています。
最悪のシナリオとして2兆4,000億元(約47.3兆円)の住宅ローン損失が予想されている中国ですが、RMBS発行減少は2022年前半の住宅ローン組成件数の減少が影響しているようです。
RMBS発行の回復は住宅ローン組成の動きと、中国政府の規制方針によりますが、2022年上期の新築住宅販売数は前年同期比32%の減少となっており、投資家のマインドを上向きにさせる材料は現在のところ厳しい状況と言えそうです。
元記事はBloomberg News