東京都はすでに戸建住宅など新築建物に対する「太陽光パネル設置義務化」について、2025年4月から実施する方針を表明しました。
戸建住宅においての太陽光パネル設置義務化は全国で初の試みであり、(仮称)建築物環境報告書制度の創設により実施します。そのため2022年12月に関連条例の改正案を議会に提出し、2年間の準備・周知期間を経て施行します。
設置義務は住宅所有者や購入者ではなく、住宅メーカーに課すものですが費用は購入者が負担します。また事業者や購入者への補助も拡充すると明らかにしました。
都の方針に対し住宅メーカーの反応は分かれており、積水ハウスは販売する戸建住宅の9割が、太陽光パネル設置や断熱性能の向上による「エネルギー消費実質ゼロ」に近づいており、都の太陽光パネル義務化のクリアは容易であるとしています。
一方、大和ハウス工業は建築主への支援策や、太陽光発電関係資材の安定供給が不可欠とのコメントを発しています。
都が戸建住宅への太陽光パネル義務化に踏み切った背景には、かつて米カリフォルニア州が温暖化ガス排出量取引や、電気自動車普及策を導入した実績に対し、都もディーゼル車の排ガス規制を国に先駆けて実施したように「地方が国の政策を動かす」流れを作ろうとしているとみられます。
元記事は日本経済新聞