12月2日国土交通省は家賃債務保証業者会議の第4回目をオンライン開催し、家賃保証事業者協議会の取組みや、家賃保証業の今後の課題や展望などに関しディスカッションが行われました。
2017年に開始された「家賃債務保証業者登録制度」に登録している事業者が現在90社に達し、賃貸取引のうち8割が家賃債務保証を利用している事実や、民法改正によりルールの変わった根保証設定など社会的意義も大きくなっていることが公表されました。
家賃債務保証業者会議は直近の取組みとして、11月に自主ルールにもとづいた「適合契約書」を借主や貸主に周知させるため、契約書に明示する「適合マーク」を作成し会員に自主ルールの徹底を促進させるとしました。
(一社)全国賃貸保証業協会は、借主が家賃債務保証制度により代位弁済を受けた情報を蓄積しており、そのデータベースが363万件に達したことを報告しています。また借主からの家賃債務保証制度の利用希望についての相談が寄せられている実態も報告されました。
そのほか(一社)全国保証機構からは、借主が生活に困窮した場合の支援制度「フードバンクによる食糧支援」の実施が1,438件にのぼっていることを発表しています。
家賃債務保証業の今後の課題や展望として、単身高齢者の増加に伴い緊急連絡先確保の代替手段として「居住支援法人との連携」が必要との意見がだされました。
さらに問題として、一部の事業者が行っている「滞納督促の事務手数料」受領について、仲介会社からの丁寧な説明を指摘する声や、一種の遅延損害金であるといった指摘や滞納抑制効果を指摘する声もありました。
登録事業者が90社に達した家賃債務保証業が、今後健全な形で成長するためにも「家賃債務保証業者会議」に注目する必要があるようです。
元記事はR.E.port