矢野経済研究所の発表によると、国内における2020年度の不動産テック市場規模が、前年度比108.6%となる6,110億円となったことが明らかになりました。このうち、最終消費者向け市場で4,852億円、事業者向け市場で1,257億円と、最終消費者向けが4倍近く上回る形となっています。
画像はYAHOO! JAPANニュースより
不動産テック市場の中でも最もポテンシャルを秘めており、最終消費者市場におけるシェアを今後も拡大していくとされているのが「マッチングサービス」にまつわる事業である。多くのマッチングサービスは中古住宅を取り扱っており、中古住宅の流通市場は住宅ストックの増加に伴い必然的に拡大していく市場です。そのため不動産市場の中では数少ない確実性の高い成長市場となっているので、テクノロジーによる効率化から享受できる利点のレバレッジが効きやすいのが特徴です。
また、「マッチングサービス」についで市場規模が大きく、これからも中長期的にシェアの拡大が期待される業態として、「仲介・管理業務の支援」並びに「査定」事業が挙げられます。不動産業界の中でもとりわけ従事する者が多く、それでいてDXとの相性がいいのがこの仲介・管理業務の効率化支援と査定の自動化及び効率化です。これらの業務が効率化されることは、人手不足の不動産業界のおいても多大なる意義を示し、各社にとっても目に見えてコストをカットできる利点があるため、比較的スムーズに効率化ツールが行われている現状です。
さらに矢野経済研究所によれば、不動産テックのマーケットサイズは2025年度で1兆2,461億円までに成長すると分析しており、2020年度と比べ2倍以上に増大すると示しています。今後も不動産業界が他業界に負けずテクノロジーの力を取り入れ、益々盛り上がっていくことに期待が持てそうです。