一般財団法人日本不動産研究所は、近年我が国で発生する自然災害が甚大化し特に水害による被害が注目されるなか、被災後の都市や建物のレジリエンス(弾性力、回復力)を高め安全性を確保することが不動産に携わる者の責務と捉えています。
そのため、自然災害に対する個々の不動産が抱えるリスクと、災害への対策の効果を把握・評価・可視化することが重要と考えています。
レジリエンスを可視化することにより、不動産オーナー、テナントおよび利用者、投資家や金融機関、デベロッパーや設計会社などが、それぞれの不動産に関わるときの意思決定を行うにあたり、対象不動産のレジリエンスのグレードを判断することができます。
しかし我が国には不動産のレジリエンスを可視化する仕組みはなく、海外にて公開されている気候変動リスクの分析ツールでは我が国の特性に合っておらず課題となっていました。
2019年に一般財団法人および民間企業により「不動産分野におけるレジリエンス検討委員会(D-ismプロジェクト)」が発足し、業界を超えた検討を重ねた結果このたび不動産レジリエンスを可視化する認証サービス「ResReal(呼称:レジリアル)」が創設され、2023年1月27日よりサービスを開始することになりました。
ResRealは不動産個々の災害に対するレジリエンスをスコア化、プラチナ~スタンダードまでの5段階認証を付与する仕組みとなっています。
ResRealを活用することにより、不動産の開発や運用はこれまでよりも優れたレジリエントを持ち、自然災害に強い不動産を増やすことにつながります。そして最終的には「人々の安全・安心な生活を紡ぐ」不動産の実現に寄与することでしょう。