不動産最大手企業の1つ、「恒大集団」の経営危機により、いまだかつてない経済危機の可能性に揺れる中国では、不動産企業の経営状況悪化が相次いでいます。今度は業界4位に位置し、天津市を中心に事業を展開させてきた「融創中国」に資金繰り悪化の懸念が高まっていることを中国の複数メディアが報じました。
画像はYAHOO!JAPANニュースより
現地メディアによれば、融創中国の浙江省紹興市にある支店が27日までに、地元自治体に不動産市場への規制緩和を要請する書面を送ったとみられます。書面には、バブル緩和や格差是正を目的とした中国当局や自治体の規制強化により、契約や住宅ローンへの審査が執拗に厳しくなった旨などが記されており、紹興市において開発した分譲住宅の販売が急速に落ち込んだため、資金繰りが悪化し始めたということです。一方で融創中国は翌28日、相次ぐ報道を受け声明を発表しました。これによれば、紹興市の支店責任者が文章を作成したことを認めた上で、「書簡は政府には提出していない」とし報道の一部を否定しています。 融創中国は、2020年の売上高及び物件販売面積では業界4位に位置しています。しかしながら今年6月末時点の負債総額が9971億元と、日本円にしておよそ17兆円にのぼっていることから、恒大集団と同じく無理のある先行投資が行われていたと考えられます。
約33兆円の負債を抱えた恒大集団が経営危機に陥っていることを引き出しながら、中国全土で不動産業界に対する不安や警戒感が高まっています。