不動産仲介サイト大手の米ジロー・グループは米国内での住宅買い取りを一時停止することを発表しました。ITを活用した住宅再販事業が行き詰まりを迎えているようです。同社は第2四半期となる4-6月には3800戸余りを購入していましたが、購入済み住宅の在庫整理を進めながら新規買い取りを停止します。
元記事はYAHOO!JAPANニュース
同社の広報担当者は不動産買い取り及び再販サービスの「ジロー・オファー」に関して、「同サービスは自社の運用能力を超えており、現時点では住宅購入の新たな契約を結んでいません。契約をすでに締結した売主からの購入分は、なるべく迅速な処理を継続していく」と説明しました。
同社は2018年にジロー・オファーを立ち上げ、「アイバイヤー」と呼ばれる不動産テック企業集団の一員となりました。この新たな事業においては、ジローは売り主から依頼を受けながら、アルゴリズムを駆使して物件価格を算定しています。売主がオファーを受け入れれば物件を買い取り、若干の補修を施して転売するビジネスモデルとなっています。
しかしながらこうした事業にも人手が必要です。たとえば物件の購入契約を結ぶ前に調査員を派遣し、コストのかかる修理が不要であることを確認します。さらに購入後は請負業者がカーペットを交換し、室内の壁を塗り替えるなど事務的な作業が伴うことが多いです。しかし新型コロナウイルス禍で様々な業種において労働力が不足し、これらの作業を行う人員を見つけるのが困難になりました。
ジローはパンデミック初期にも住宅購入を一時的に停止していました。最終的にロックダウンが解除された後の住宅ブームによる恩恵を受けましたが、購入がパンデミック前のペースに戻るまでには数カ月かかりました。