アジア屈指の電気街ともいわれる東京都「秋葉原」で、区が中心とした再開発計画について、その方向性に意見が割れています。

問題になっているのは、同区の「外神田1丁目南部地区」の再開発計画です。JR秋葉原駅から徒歩5分程度の神田川に沿った敷地で、商業施設にリノベーションされた旧万世橋駅などでにぎわう一画です。現在の建物を壊し、高さ約170メートル級のオフィスビルやホテルなどを建設する計画となっています。

元記事は毎日新聞より

千代田区の地域まちづくり課によれば、末広町駅周辺から神田駅方面に向かって伸びる電気街の賑わいが途絶えるこの一角にさらに集客力を上げる街づくりとなる予定です。また計画では神田川に沿った水辺空間によって構成される立地を生かし、川沿いへの回遊性を創造していくとのことです。

しかしながら計画とは逆行する流れも見せており、一部の地権者から計画を疑問視する声が上がっています。計画に反対するグループの代表格「秋葉原の未来を考える会」によれば、今回の再開発計画で高層ビルが建つと地権者は独立した所有地を失い、所有地の価値に応じた持ち分を得ることになるが、「昨今のオフィス需要の減少から、ビルにテナントが入らなければ賃料を得られなくなるのではないか」と心配する声があるといいます。

5月に開かれた区議会企画総務委員会では、区によれば再開発に賛成する地権者は約8割に上ると説明しましたが、9月の環境・まちづくり特別委員会では約5割であると変更しました。この変更について区は「5月時点では再開発準備組合の加盟者を賛成者として算出したが、区が独自に賛否を確認したところ約5割だった」と説明しました。

区はこの手続きについて不適切だったとの見解を示していません。しかしながら「区が強引に開発を進めようとしているのでは」との懸念が高まっており、今後の地権者との折り合いのつけ方に注目が集まります。

 

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