昨今では「ESG投資」に代表されるように、投資家や消費者が企業価値を見極める際に、追及する利益のみならず、社会的及び環境的要因に対する企業の総合的な誠実性の評価が重視されています。またSDGsは各企業がそうした社会的責任を果たす先に目指す目標であり、どの企業がどれくらい「SDGs」を推し進めているのかという関心は年々高まっているように思えます。
さて、ブランド総合研究所はこうしたSDGsへの関心の高まりを背景に、2021年7月に『企業版SDGs調査2021』を実施しました。同社が独自に210社を選出し、各社のSDGs活動が一般消費者にどのくらい認知・理解され、評価されているのかを定量的な指標に置換え、ランキング化しています。
同ランキングにおける建設・不動産業界部門では、SDGsにおけるまちづくりへとつながる取り組みを行う企業が多くみられました。その中で総合で1位となった企業が積水ハウス、2位が住友林業、3位がトヨタホームでした。
画像はDIAMOND onlineより
積水ハウスは、SDGsが国連サミットで採択された2015年より15年近く前の1999年より、環境活動を社会的責任の一環として全社的に普及させてきました。また、2001年には地域在来種を新築区画に植樹する「5本の樹計画」を、2005年には持続可能な社会を企業ビジョンに入れ込む「サステナブル宣言」などを発表してきました。
このように積水ハウスでは持続可能な家づくり計画が経営レベルにまで落とし込まれており、その目標を達成するための不断の努力が自社の活動を消費者に広く認知させる結果となったと考えられます。
画像は積水ハウス公式サイトより
なおSDGsのゴール別の評価では「ゴール11:住み続けられるまちづくりを」は全業種で上位を占めています。1位は積水ハウス、2位が大和ハウス、3位にミサワホームでした。そして、4位から13位まで建設・不動産業界が独占しました。
また「ゴール12:作る責任、使う責任」においても、業界別結果では建設・不動産業が最もポイントが高くついており、8位にはまたしても積水ハウス、12位に大和ハウス工業、16位に清水建設が入る結果となりました。
良質な建築物の構築に伴い、建築・不動産業界の全体的な持続可能な都市づくりへ貢献する取り組みが、一般消費者へも届いていると評価できます。