先を見通しづらい不動産市場の中で金融リース最大手のオリックスが手掛ける不動産事業が注目を浴びています。
オリックスの不動産事業は「不動産投資・開発」、「施設運営」、完全子会社の大京を中心とする「住宅開発」という3つが大きな柱となっています。
中でも、施設運営事業に力を入れようと、2020年4月にオリックス・ホテルマネジメントを設立し、事業のレベルを一段上に引き上げてきました。また、2019年には大京の公開株式をTOBにより全て取得しました。当初は新築分譲の市場は縮小を見込んでいたものの、コロナ禍により人々のライフスタイルが変革し、住宅実需のニーズが高まっています。また投資市場では、海外投資家の日本への投資意欲が強く、日本の機関投資家にとっても安定運用ができるということで不動産投資の位置づけが高まっています。
オレンジ色の外壁が特徴的なライオンズマンションシリーズは子会社の大京が手掛ける
先を見通すのが非常に難しいですが、一つ言えるのは付加価値の高い物件は、流動性、キャッシュフローのいずれも高いということであり、金融系デベロッパーの強みを活かして、これらを意識した投資・開発を行っています。また、オリックスのビジネスモデルとして一定期間でポートフォリオを入れ替えていくため、それを前提としながら中長期投資を行っています。
さらには、グループで環境エネルギー事業に取り組んでいるため、他のデベロッパーに比べても環境に対する感度が高いといえます。SDGsの推進意欲が高まる全産業においても、CO2排出量の多い不動産業界においてはとりわけ環境問題への感度が高くなっており、ESG経営を重視しながら投資・開発が行える点は資金調達面においても強みとなります。
そんな同社の不動産開発におけるキーワードは「サステナブル」です。環境を意識しながら何ができるか? を頭に置いて意思決定をしていますが、そこでコストがかかったとしても将来価値があれば投資するというスタンスで取り組んでいます。まさにESG経営の方針が全社的に浸透していると言っていいでしょう。
11.「住み続けられるまちづくりを」は不動産業界への大きな課題
逆に言えば今後の課題は、その良さを生かしながら、超長期投資にいかにチャレンジしていくかだと思います。そして、大手デベロッパーとは違う立ち位置を生かし、我々が開発した物件が、常に「他にない付加価値がある」と言っていただけるようにしていくことが重要と言えます。グループの中でも、独立して生きていくくらいの力を持った不動産会社になる心づもりが事業部内にあふれていると言います。「オリックスのオフィスだから安心して入居できる」、「オリックスのホテルだから泊まりたい」といった形で、グループのブランド価値向上にも貢献していけるよう事業が進展しています。
他社とは違う金融大手が発揮する不動産業界におけるプレゼンスに今後も注目が集まります。