【売主・買主】検索数大幅増加中!「中古マンション」購入ニーズを取り込むためのポイント【地方都市・郊外】

皆様、あけましておめでとうございます。本年も有意義な情報提供ができるよう努めてまいります。
何卒よろしくお願い申し上げます。
不動産各社さまにおかれましては、年明けから繁忙期に突入し、忙しい日々を過ごされていることと思います。
業界全体で見ても、繁忙期に伴う広告出稿量が増加しており、インターネット・テレビ・新聞といった各メディアでの露出量が増加しています。
そこで今回は、エンドユーザーの住まい探し動向をネット検索数などから読み解き、今後の集客活動のポイントについて分析してみたいと思います。

【1】「中古マンション」検索数の増加

以下の図表①は、Googleが公開しているデータで、2021年一年間の検索キーワード「中古マンション」の検索数の推移を表したものです。
<図表①>検索キーワード「中古マンション」の検索数推移(2021年1月1日〜12月31日)

中古マンション,検索数推移,2021

引用:Googleトレンド

1月から9月までは大きな変化はありませんが、10月5日(赤丸箇所)に検索ボリュームが急激に伸び、年末・年始にかけても同様のペースで推移しています。
この背景を探るために、10月5日以降の検索クエリ(第2検索語)で、検索数の増加幅が大きいワードを以下の図表②にまとめました。

<図表②>検索数の増加幅が大きいキーワード(2021年10月5日〜2021年12月31日)

1 藤沢 中古 マンション 急激増加
2 埼玉県 中古 マンション 急激増加
3 明石 中古 マンション 急激増加
4 福島市 中古 マンション 急激増加
5 安佐南区 中古 マンション 急激増加
6 川口 中古 マンション 急激増加
7 浦和駅 中古 マンション 急激増加
8 伊丹市 中古 マンション 急激増加
9 藤沢市 中古 マンション 急激増加
10 枚方市 中古 マンション 急激増加
11 新松戸 中古 マンション 5,000% 増加
12 長崎市 中古 マンション 350% 増加
13 福岡市 中古 マンション 350% 増加
14 函館 中古 マンション 350% 増加
15 福岡 中古 マンション 300% 増加
16 中古 マンション 岡山 300% 増加
17 熊本 中古 マンション 180% 増加
18 宮崎市 中古 マンション 120% 増加
19 高知 中古 マンション 120% 増加
20 中古 マンション 神奈川 90% 増加
21 分譲 マンション 中古 70% 増加
22 中古 マンション 70% 増加
23 中古 マンション 埼玉 70% 増加
24 兵庫県 中古 マンション 70% 増加
25 中古 マンション 東京 60% 増加

引用:Googleトレンド

上位には「福島市」「安佐南区(広島市)」「長崎市」といった三大都市圏外の地方都市、「藤沢(藤沢市)」「川口」「浦和駅」など都市部郊外エリアが並んでおり、同エリアに所在する中古マンションへの関心が高まっています。
検索数の急増については、いくつかの要因が考えられますが、ワクチン接種率の高まりにより、9月頃からデルタ株の影響が落ち着き始めたことに加え、9月30日をもって緊急事態宣言が解除されたことが影響していると考えられます。

【2】中古マンションの成約数・在庫・成約平米単価

次に、当該期間の中古マンションの成約数・在庫数・成約平米単価について見ていきたいと思います。
以下の図表③〜⑥は、(公財)東日本不動産流通機構「月例速報 Market Watch サマリーレポート」から2021年10月〜12月のデータを抜粋してまとめたものです。

<図表③>東京都の中古マンションの成約数・㎡単価・在庫物件数(2021年10月〜12月)

成約件数 前年同月比(%) ㎡単価(万円) 前年同月比(%) 在庫物件数 前年同月比(%)
10月 1,765 93.0 81.48 108.6 21,217 95.6
11月 1,782 95.8 80.72 106.4 21,532 99.9
12月 1,521 118.8 85.72 111.1 21,823 102.3

出典:(公財)東日本不動産流通機構「月例速報 Market Watch サマリーレポート」( 2021 年 12 月度)のデータから筆者が作成

<図表④>神奈川県の中古マンションの成約数・㎡単価・在庫物件数(2021年10月〜12月)

成約件数 前年同月比(%) ㎡単価(万円) 前年同月比(%) 在庫物件数 前年同月比(%)
10月 829 91.5 47.40 106.6 7,776 78.5
11月 814 86.4 48.63 108.6 7,707 81.2
12月 679 105.4 50.85 110.0 7,764 82.3

出典:(公財)東日本不動産流通機構「月例速報 Market Watch サマリーレポート」( 2021 年 12 月度)のデータから筆者が作成

<図表⑤>千葉県の中古マンションの成約数・㎡単価・在庫物件数(2021年10月〜12月)

成約件数 前年同月比(%) ㎡単価(万円) 前年同月比(%) 在庫物件数 前年同月比(%)
10月 432 99.3 34.46 117.3 2,832 85.5
11月 440 104.5 34.24 110.8 2,808 87.3
12月 348 119.6 33.58 107.9 2,776 86.7

出典:(公財)東日本不動産流通機構「月例速報 Market Watch サマリーレポート」( 2021 年 12 月度)のデータから筆者が作成

<図表⑥>埼玉県の中古マンションの成約数・㎡単価・在庫物件数(2021年10月〜12月)

成約件数 前年同月比(%) ㎡単価(万円) 前年同月比(%) 在庫物件数 前年同月比(%)
10月 414 104.0 37.30 113.7 3,391 76.9
11月 380 95.7 38.29 111.4 3,342 78.4
12月 333 104.7 37.99 112.0 3,355 79.7

出典:(公財)東日本不動産流通機構「月例速報 Market Watch サマリーレポート」( 2021 年 12 月度)のデータから筆者が作成

一都三県の中古マンション成約数は、前年同月比割れとなることがここ数ヶ月散見されましたが、12月はすべての都県で前年比プラスとなりました。
成約平米単価は、2021年のトレンドから大きな変化はなく、引き続き右肩上がりで上昇しています。
その一方で、在庫物件数は右肩下がりでの減少が継続しています。
ただし、東京都の12月の在庫物件数(背景色赤)は、2019年11月以来約2年ぶりに前年同月比プラスとなりました。

【3】エンドユーザーのニーズの変化

次に、エンドユーザーの住宅購入意向について見ていきましょう。

高まる購入意向、「テレワーカー」「若年層」で顕著な傾向

カーディフ生命保険(株)が行った調査「第3回生活価値観・住まいに関する意識調査」(2021年10月実施)によれば、36%が「住宅を購入したい」と回答(前年比1.3pt増)しましたが、コロナ前の41%よりも低い割合にとどまりました。
その一方で、テレワーカーに限ると、51%が「住宅を購入したい」と回答(同0.4pt減)し、そのうち22%が「1年以内に購入したい」(同13.4pt増)とするなど、購入意欲の高まりがうかがえます。
世代別では20代の購入意向が高く、52%が「住宅を購入したい」と回答(同3.4pt増)しています。

購入エリア、「都心派」がやや増加

住宅購入の意向がある人のうち、都心がよいと回答した割合は48%(同2.1pt増)となり、郊外がよいと回答した52%(同2.1pt減)と拮抗しています。
中でもテレワーカーは、昨年に続いて「都心がよい」と回答する割合が高く、59%(同5.4pt増)に達しています。都心がよい理由として、「職場が近いから」が24%(同6.7pt増)、「新型コロナ終息後も在宅勤務が続きそうだから」が18%(同11.3pt増)、「在宅勤務が将来的にはできなくなると思うから」が17%(同6.5pt増)など、アフターコロナの働き方が見通しづらい中で、職場へのアクセスも一定程度意識しながら住まい探しを行っているようです。

※カーディフ生命保険(株)が行った調査「第3回生活価値観・住まいに関する意識調査」調査概要
■調査方法:インターネット調査
■調査対象: 20-59歳の男女
■調査エリア:全国
■有効回答数:2,149名(男性 1,088名、女性 1,061名)
■調査実施日:2021年10月8日~13日

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【4】まとめ

ここまで、エンドユーザーの住まい探し動向をネット検索数などから読み解き、エンドユーザーの住まい探しトレンドについて検証しました。
ポイントを以下にまとめます。

①キーワード「中古マンション」の検索ボリュームが2021年10月以降大幅に増加。ワクチン接種率の上昇による感染者数の減少に伴う緊急事態宣言の解除が一因と考えられる。
「中古マンション 地方中核都市名」、「中古マンション 都心部郊外エリア市名」などの検索が大幅に増加しており、当該エリアでの中古マンションの関心が高まっている。
東京都の中古マンション成約数の伸びが昨年に比べてやや鈍化する傾向にある一方、成約単価の上昇・在庫物件数の減少は継続している。ただし、東京都においては、2021年12月に2年ぶりに前年同月比プラスとなり、下げ止まりの兆候がみられた。
④エンドユーザーにおける住宅購入意向は引き続き高い水準にあり、テレワーカーや若年層で顕著な傾向にある。その一方で、住環境の改善を求めて郊外への移住傾向が高かったものが、アフターコロナの働き方も踏まえて都心に回帰する傾向がわずかながら見受けられた。

①〜④の結果をまとめると、緊急事態宣言の解除(ワクチン接種率の向上)を経て、中古マンション、とりわけ地方や郊外物件に注目が高まっていると言えそうです。
背景としては様々考えられますが、都市部の在庫物件数が少なく、物件価格が高騰していることで、選択肢が狭まり、大都市部以外を検討するケースが増加していることが一因として挙げられます。
加えて、アフターコロナにおいても一定程度の出勤が必要となるケースが多く、在宅勤務における居住環境の改善を図りつつも、出勤時の利便性を考えて、例えば郊外や地方であっても都市部にダイレクトアクセスできる駅近のマンションなどが関心を集めているものと思われます。

集客のポイント!

(株)東京カンテイの調査「価格天気図」(2021年11月度)によると、前月に比べて価格が低下したエリアが増加する傾向が見られ、「地方都市では下落傾向の都市が増えている。東北、北関東、九州で下落傾向を強めている」と指摘しています。
地方圏を中心に売主の売却マインドに影響を与える可能性がある一方、「都市部における中古マンションへの関心」を取り込むことの重要性がさらに高まりそうです。
インターネット(ホームページ、SNSなど)を活用すれば、貴社商圏外の不動産検討層への訴求は比較的容易と言えるでしょう。
貴社商圏内の教育環境・地域の特性などに加えて、自治体の移住支援情報など、地縁の無い場所に住み替える際の不安・懸念の解消をポイントにした情報提供に注力することで、競合他者との差異化を図ることができそうです。
また、内見・商談などのオンライン対応などについて訴求することは、検討時の時間的・金銭的負担感の軽減にもつなげることができるでしょう。

拙稿『【顧客ニーズへの対応】売主・買主の心理から考える、2022年の集客活動のポイント【競合との差異化】』でも指摘させていただきましたが、例年2月〜3月に「不動産売却」のキーワードで検索数が増加する傾向にあります。
売主のニーズを取り込む集客活動と併せて買主の集客強化を図ることで、それらの効果をさらに高めることができるでしょう。

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