25歳〜29歳の54%が5年以内の売却を希望!不動産売却の新しいトレンドと、その対策

今回は、株式会社ツクルバが行った「中古マンションの売却に関する意識調査」を中心に、ミレニアル世代(※)における不動産売却のトレンドについて検証・分析を行い、不動産仲介事業における売主とのコミュニケーションのポイントについて考えてみたいと思います。

※ミレニアル世代:2000年以降に成人になった世代(20代前半から30代後半)のこと

①25歳〜29歳の54%が持ち家を「5年以内」に売却したい

以下のグラフは、売却希望者が不動産売却を希望する理由について調査した結果をまとめたものです。

売却希望者が不動産売却を希望する理由

※(株)ツクルバ調べ(売却希望者203人の回答)

出産、結婚、転勤といったライフステージの変化による従来型の売却理由に加えて、「住環境に求めるものの変化」、「より住みたい住まいが見つかった」といったライフスタイルの変化に合わせて住まいを替える価値観が広がってきていることが見て取れます。
次に、以下のグラフでは、年代別の住まいの売却意向および年代別の住まいの売却経験に関する調査結果を見ていきます。

今後住まいを売却する予定

※(株)ツクルバ調べ(マンション所有者5,838人の回答)

持ち家売却経験(年代別)

※(株)ツクルバ調べ(持ち家売却経験者2,641人の回答)

住まいの売却意向では、年代が若くなればなるほど、売却意向が大きいことが分かります。
20代〜30代の約半数が売却意向を持っていることに加えて、とりわけ25歳〜29歳の過半数が「5年以内」に売却する予定と回答するなど、他世代に比べて際立って高い回答率が特徴的です。
持ち家売却経験においても「20代〜30代」は全体の約3分の1を占めています。
ライフステージの変化が多く、情報に敏感な年代で売却意向が高くなっており、売却市場におけるミレニアル世代の存在感が増していることが分かる結果と言えるでしょう。

②不動産売却で大変だったこと・嬉しかったこと

以下のグラフは、マンションの売却活動について調査した結果をまとめたものです。

マンションの売却活動は大変だったか

※(株)ツクルバ調べ(売却経験者221人の回答)

マンションの「売却活動が大変だった」と回答した人は全体で77.8%となり、大半を占めています。
その理由として、「本当に買い手がいるか分からなかった」が51.1%で最多、次いで「知識が無く、判断軸が無かった」、「やることが多く負担だった」が続いています。

次に、以下のグラフでは、売却活動の中で嬉しかったことについて調査した結果を見ていきます。

売却活動で嬉しかったこと

※(株)ツクルバ調べ(売却経験者221人の回答)

売却活動の中で嬉しかったこと(価格を除く)では、「良い人に購入してもらえた」が最多の42.5%、次いで「購入者が家を気に入ってくれた」が38.5%、「内見の依頼がたくさん来た(家が人気だった)」が33.9%となっています。
一定期間居住し、愛着のある住まいについて、購入者が「喜んでくれた」「気に入ってくれた」「ほめられた」など売主・買主間のコミュニケーションおよび価値観の共有が、売却活動の一つのモチベーションになっていると言えそうです。

③ミレニアル世代の売主とのコミュニケーション

ここまで、ミレニアル世代を中心に不動産売却の新しいトレンドについて検証してきました。

ポイントは以下の通りです。

①出産、結婚、転勤といったライフステージの変化による売却理由に加えて、「住環境に求めるものの変化」といったライフスタイルの変化に合わせて住まいを替える価値観が広がってきている。

②年代が若くなればなるほど、住まいの売却意向が大きくなる傾向にある。20代〜30代の約半数が売却意向を持っており、中でも25歳〜29歳の過半数が「5年以内」に売却する予定と回答している。

③マンションの売却活動は、「本当に買い手がいるか分からなかった」が51.1%で最多、次いで「知識が無く、判断軸が無かった」、「やることが多く負担だった」などを理由に大半が負担・ストレスに感じている。

④マンションの売却活動のモチベーションは、「良い人に購入してもらえた」、「購入者が家を気に入ってくれた」、「内見の依頼がたくさん来た(家が人気だった)」など売主・買主間のコミュニケーションおよび価値観の共有にある。

不動産仲介業者と売主の間においては、従来通り、不動産売却の手続き・流れ・価格(相場)などについての適切な情報提供を行うことの重要性は変わりません。
しかし、マーケットにおいてミレニアル世代が今後徐々にシェアを高めていく中で、彼らのインサイトに応じたコミュニケーションへの最適化が求められていくと考えられます。

ミレニアル世代の購買行動の傾向

ここからは、株式会社スタイルポートが行った「マンション購入者の行動変容」に関する調査データなどから、ミレニアル世代の購買行動の傾向について見ていきたいと思います。
以下のグラフは、ミレニアル世代が居住用新築マンションを購入・検討する際、どの媒体で情報収集を行ったかについて聞いた結果を抜粋してまとめたものです。

Q.あなたは、特定のマンションを具体的に購入検討した際に、どのような媒体を参考にしましたか?(複数回答、n=101、上位10項目を抜粋)

1 Twitter 70.3%
2 YouTube 56.4%
3 TikTok 50.5%
4 Instagram 45.5%
5 ブログ 36.6%
6 クチコミサイト 34.7%
7 不動産ポータルサイト(SUUMO)など 31.7%
8 チラシ 27.7%
9 新聞 25.7%
10 雑誌 24.8%

引用:株式会社スタイルポート「マンション購入者の行動変容」調査

「Twitter」が70.3%、「YouTube」が56.4%など、SNSが上位を独占する結果となりました。
同調査の他の設問でも、SNSやブログで得た情報が購入に「かなり影響した」が54.7%、「やや影響した」が42.1%で、ほぼすべてのユーザーがSNSを通じた情報収集によって、購買行動の如何を決めていることが分かります。
次に、以下の調査結果では、マンション購入の際にSNSやブログなどで情報収集を行った理由について見ていきます。

Q.マンション購入に関して、特定のマンションを具体的に検討したとき、SNSやブログで情報収集を行った理由を教えてください。(複数回答、n=95、上位5項目のみ抜粋)

1 動画や画像とともに情報

収集できるから

63.2%
2 リアルな口コミを見ることができるから 54.7%
3 情報量が膨大だから 52.6%
4 最新情報が表示されるから 40.0%
5 コメントなどで直接質問

することができるから

36.8%

引用:株式会社スタイルポート「マンション購入者の行動変容」調査

「動画や画像とともに情報収集できるから」、「リアルな口コミを見ることができるから」など、SNSの「手軽さ」や「情報の質・量の豊富さ」を期待して情報収集を行っていることが分かります。
最後に、沢の鶴株式会社が行った「若者世代の『価値観』と『コミュニケーション』に関する調査」を見ていきます。

Q.自身の価値観について、どちらにあてはまりますか?(各単一回答)

Aにあてはまる Bにあてはまる
A.絶対に失敗したくない 73% 27%
B.失敗を恐れずチャレンジしたい

Q.自身の価値観について、どちらにあてはまりますか?(各単一回答)

Aにあてはまる Bにあてはまる
A.無駄なことはしたくない 68% 32%
B.人生に無駄なことはない

引用:沢の鶴(株)「若者世代の『価値観』と『コミュニケーション』に関する調査」

ミレニアル世代においては、失敗や無駄を避けたいという考えが強いことに加えて、同調査の他の設問では「しっかりと将来に備えたい」といった堅実志向を伺わせる回答が散見されました。
SNSなどのさまざまなメディアを駆使して十分な情報収集を行うのは、その手軽さや情報量・質の優位性だけでなく、「堅実志向」や「価値観の共有」もその背景にあると言えるかもしれません。

④まとめ

ミレニアル世代は、効率的でスマートなやりとりを好み、信頼性の高い情報取得に慣れている一方、堅実志向で自身の価値観を重視する傾向にあります。
そんなミレニアル世代に対しては、既存の不動産仲介における顧客コミュニケーションはもとより、彼らのニーズに沿った最適なコミュニケーションを探っていくことも必要になりそうです。

例えば、類似物件の売却事例を紹介し、どういった層がどういった目的で購入しているのかなど、買主の顔が少しでも見えるようにする、可能であれば購入後の様子なども紹介するなど、思い入れのある住まいがどのように利活用されるかについて可視化することは有効な方策の一つだと言えるでしょう。
売主・買主の双方の想いや考えも含めた上で仲介活動を展開することで、価格の妥当性や自分の住まいの魅力を双方が客観的に理解することが促され、納得感のある売却・購入の意思決定につながるものと思われます。

■株式会社ツクルバ「中古マンションの売却に関する意識調査」概要
調査方法:  web調査
調査実施日: 2022年1月7日~21日
調査主体:  株式会社ツクルバ

<調査① 売却経験者>
調査対象:一都三県在住、25~59歳、過去5年以内に自身か配偶者/パートナーが所有し、実際に生活していたマンションの売却経験がある人(買取による売却は除き、不動産仲介による売却のみ)
有効サンプル数:221名

<調査② 売却希望者>
調査対象:一都三県在住、25~59歳、自身か配偶者/パートナーが所有し、自身が現在生活をしているマンションを今後1年以内に売却する希望がある人
有効サンプル数:203名

■株式会社ツクルバアンケート概要(持ち家売却経験【年代別】)
手法:web調査
調査対象:20~79歳、東京23区在住、持ち家売却経験あり
有効サンプル数:2641
調査期間:2021年4月23日~27日

■株式会社スタイルポート「マンション購入者の行動変容」に関する調査概要
調査方法:インターネット調査
調査期間:2022年2月4日〜同年2月16日
有効回答:コロナ禍で居住用の新築マンションを購入した、東京在住の20代・30代の人101名

■沢の鶴株式会社「若者世代の『価値観』と『コミュニケーション』に関する調査」概要
調査方法:インターネット調査
調査期間:2022年1月25日~1月26日
調査対象:全国の20歳~39歳の男女1,000名

※本文ここまで。以下、参照データURL
■株式会社ツクルバ「中古マンションの売却に関する意識調査」概要
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000075.000043247.html

■株式会社ツクルバアンケート概要(持ち家売却経験【年代別】)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000074.000043247.html

■株式会社スタイルポート「マンション購入者の行動変容」に関する調査概要
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000031224.html

■沢の鶴株式会社「若者世代の『価値観』と『コミュニケーション』に関する調査」概要
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000097533.html

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