売主・買主に届くメルマガ作成のポイント!「Gmail対策」

不動産購入・売却の検討期間が長期化していることに伴い、追客の自動化を目的としたステップメール、マーケティングオートメーション(以下、MA)ツールを導入する不動産会社様が増加しています。

メールでのマーケティング・プロモーション活動は、その他の方法に比べて、制作費や印刷費、Web広告出稿費といった経費がかからない手法であることも導入が進む要因の一つと言えるでしょう。

その一方で、参入障壁が低いため競争が激しく、生活者に対して期待する形でメッセージを届けることが難しい点がデメリットです。

そこで今回は、(株)ベンチマークジャパンが実施した「『日本のメールマガジン』購読状況調査2022年度版」から、生活者のメルマガに対するインサイトを分析し、「売主・買主に適切に届く」メール作成のポイントについて考えてみたいと思います。

メルマガ「1日に21通以上受信」23.4%

以下のグラフ①は、生活者が1日あたり何通のメルマガを「受信」しているのかについて調査した結果をまとめたものです。

<グラフ①>Q.1日平均何通のメルマガを受信しているか?

引用元:(株)ベンチマークジャパン「『日本のメールマガジン』購読状況調査2022年度版」

仕事用・プライベート用のいずれのメールアドレスにおいても「6通〜10通」が最も多く、約3割程度を占めています。「21通以上」という回答も約2割あり、生活者が日常的に多数のメルマガを受信していることが分かります。

グラフ②では、手元に届いたメルマガのうち、何通を開封しているかについて調査した結果を表しています。

<グラフ②>Q.1日に平均何通のメルマガを開いて読んでいるか?

引用元:(株)ベンチマークジャパン「『日本のメールマガジン』購読状況調査2022年度版」

「1通未満」も含めて「5通以内」と回答している人が仕事用・プライベート用いずれのアドレスにおいても過半数を占める結果となりました。

受信数に比べて開封数は限られており、事業者が生活者にメッセージを届けることは狭き門となっていることが分かります。

年代が上がるほどメルマガによる訴求の有効性が高まる

グラフ③は、オンラインで情報収集を行う際のチャネルについて調査した結果を表したもので、グラフ④はその結果を年代別にまとめています。

<グラフ③>Q.メルマガ、LINE、SNSなどで会社やお店に関する情報を見るか?

引用元:(株)ベンチマークジャパン「『日本のメールマガジン』購読状況調査2022年度版」

<グラフ④>閲覧しているメディアの年代別傾向

引用元:(株)ベンチマークジャパン「『日本のメールマガジン』購読状況調査2022年度版」

グラフ③では、企業や店舗の情報を確認する際に閲覧する機会が最も多いメディアとして、「LINE」(50.9%)」が最多、「メルマガ」(45.8%)、「Twitter」(40.9%)が続く結果となっています。

グラフ④を見ると、年代が上がるほどSNSの利用率は低下し、メルマガの占有率が相対的に向上していることが分かります。また、グラフにはありませんが、メディア閲覧機会を男女別に見ると、SNSの中でもInstagramは女性の利用率が高いといった男女差があるのに対し、メルマガは男女で大きな違いがないことも特徴と同調査では指摘しています。

開封率/到達率向上のポイント「Gmail対策」

次に、生活者がどのようにメルマガを閲覧しているのかについて、同調査結果から考察してみたいと思います。

以下のグラフ⑤は、メルマガを閲覧する際に使用しているメールソフト(仕事用・プライベート用)について聞いた調査結果です。

<グラフ⑤>Q.どのメールサービスを使ってメルマガを読んでいますか?

引用元:(株)ベンチマークジャパン「『日本のメールマガジン』購読状況調査2022年度版」

最も多いのは仕事・プライベート共に「Gmail」で、仕事用アドレス63.4%、プライベート用アドレスで65.9%となりました。

2021年の調査に比べて前者は6.2%、後者は9.0%増となっており、シェアを伸ばしています。

以下のグラフ⑥は、Gmailでの「プロモーション」タブ、「新着」タブの利用状況について聞いた結果を表しています。

Gmailでは、受信箱に「ソーシャル」「プロモーション」といったタブがあり、受信したメールは自動的に振り分けられます。

メルマガの多くは、「メイン」タブではなく「プロモーション」タブに振り分けられることが一般的であることが、同質問の意図・背景にあると考えられます。

<グラフ⑥>Q.【Gmail利用者】メインタブだけでなく「プロモーション」や「新着」など他のタブも開いていますか?

引用元:(株)ベンチマークジャパン「『日本のメールマガジン』購読状況調査2022年度版」

「プロモーション」タブの閲覧頻度は、「たまに見る」が仕事用・プライベート用共に40%台で最多となる一方、「見ることはない」「メインタブ以外は非表示」が約20%を占めている点も留意点と言えそうです。

メルマガを適切に届けるためには「コンテンツ」の最適化が重要

ここまでのポイントを以下にまとめます。

①1日あたりのメルマガ受信数は「6通〜10通」が最も多く、「21通以上」という回答も約2割を占める。

②1日あたりのメルマガ閲覧数は、「1通未満」も含めた「5通以内」と回答した人が約半数となった。

③メルマガは、年代が上がるほど他のメディアに比べた利用度合いが相対的に向上する傾向にある。男女比でも閲覧機会に大きな差異は見られない。

⑤メルマガ購読で最も使用されているメールソフトは「Gmail」で、そのシェアは増加傾向にある。

⑥Gmailでメルマガが振り分けられる「プロモーション」などのタブ閲覧頻度は、「たまに見る」が最多。「見ることはない」「メインタブ以外は非表示」も約20%を占めている。

メルマガ配信におけるGmail対策

Gmailで受信したメルマガは、基本的に「プロモーション」タブに振り分けられます。

送信したメルマガをより開封率が高まる「メイン」タブに振り分けたいとお考えの方も多いことと思います。

ここでは、Gmailのタブについての解説および受信側・送信側で「プロモーション」タブではなく「メイン」タブへ振り分ける方法について考えてみたいと思います。

【1】5種類のGmailタブ

5種類あるGmailのタブについて、以下でそれぞれ説明します。

①メインタブ

知り合いからのメール、テキストメール、他の4つのタブに分類されないメールなどが振り分けられるタブです。

Gmailにログインすると最初に表示される画面のため、目につきやすいことが特徴です。

②ソーシャル

TwitterやFacebookといった各種SNS、メディア共有サイトなどからのメールが振り分けられるタブです。

③プロモーション

セールやクーポン情報、その他マーケティングメールなどが振り分けられるタブです。

企業からのメルマガなどは、基本的にこのタブに振り分けられます。

④新着

利用しているクラウドサービス(Slackやchatwork等)の新着通知メールのほか、領収書・請求書などのメールが振り分けられるタブです。

⑤フォーラム

メーリングリストや掲示板などからのメールが振り分けられるタブです。

【2】受信したメルマガを「プロモーション」から「メイン」タブに振り分ける方法とは?

Gmailにおけるタブの振り分けルールについて、Google社は公表していません。

そのため、情報が少ない中で試行錯誤されてきた方も多いことと思います。

例えば、送信側でヘッダーのフォーマットを変更する、メール内のリンク数を極力減らす、メールに画像を挿入しないといった方法などが挙げられますが、いずれも決定的な解決法とはなっていません。

HTMLメールのほとんどが「プロモーション」タブに入ることは分かっていますが、テキストメールであれば必ず「メイン」に入るというわけでもないようです。

テキストメールにしてしまうとメルマガとしての訴求効果が限定的になることも少なくない事を踏まえると、これも根本的な解決法とは言えないでしょう。

最も有効な対策は、受信者の方でGmailの設定を変更してもらうことです。

「プロモーションに入っているメールをメインにドラッグ&ドロップする」、「メールを右クリックで選択した部位に移動でメインに移す」などの対応をしてもらうことで、以降のメールは「メイン」に振り分けられます。

しかし、送信者が受信者に設定変更を促すことはあまり有効ではありません。

受信者に設定変更を依頼するメールを送る場合、そのメールが「メイン」タブ以外に入り、受信者にメッセージが届かない可能性があります。

SNSやブログなどでお知らせすることもできますが、こちらも確実性に乏しいと言えるでしょう。

まとめ

企業が配信するメルマガは、プロモーションタブに振り分けられることが大半ですが、今のところ送信者側で「メイン」に振り分けられるためにできることは限られています。

そのため、現状で最も有効な対策は、受信者が今後も継続してメールを読みたいと思ってもらえるコンテンツの提供と言えるでしょう。

読者のエンゲージメント(メルマガおよびコンテンツに対する愛着心)が高まると、開封率が高まり、Gmailの機会学習によって「プロモーション」タブから「メイン」タブへの振り分けに変更されることが期待できます。

受信者にとって関心の高いメールであれば、「メイン」タブに振り分けられるよう自主的な設定変更が行われることも期待できるでしょう。

メルマガに期待するコンテンツとは?

グラフ⑦はメルマガで読みたい・知りたい情報について調査した結果を、グラフ⑧は株式会社Housmartが実施した「住宅購入にまつわるアンケート」から、不動産会社の営業担当者と接点を持ちたいシーンについて調査した結果について、それぞれ表したものです。

<グラフ⑦>Q.どんなコンテンツを期待してメルマガに登録するのか?

引用元:(株)ベンチマークジャパン「『日本のメールマガジン』購読状況調査2022年度版」

<グラフ⑧>

引用元:株式会社Housmart「住宅購入にまつわるアンケート」

メルマガに期待する内容(グラフ⑦)では、「最新情報、ニュース」(63.3%)、「セール、クーポンなどお得な情報」(57.9%)、「商品の情報、カタログ、メニュー」(45.3%)などの重要度が高いことが分かります。

グラフ⑧では、不動産会社の担当から得たい情報として「業界関係者しか知らない情報」(51.0%)、「プロの視点」(50.3%)、「金銭にまつわる点でわからないこと」(37.2%)などのニーズが高いようです。

また、Housmart社調査の別の設問では「複数の営業担当者から同時並行に提案を受けたい」が46.2%で最多となっており、セカンドオピニオンとしての情報提供も期待度が高いと言えるでしょう。

これらを踏まえると、プロならではの情報や分析、特にお金にまつわることや物件についての決め手になる情報がメルマガのコンテンツとして有効性が高いと言えそうです。

貴社商圏における物件価格、消費者のニーズ動向などをご紹介しつつ、「成約者の声」といった、お客様の要望に沿って適切な提案ができることが分かるコンテンツによって、実績・スキルを訴求しつつ、メールの開封率を高め、受信者にとって重要なメールであることをGmailに理解してもらうことで、より効果の高いメールマーケティングにつなげることができるでしょう。

※株式会社ベンチマークジャパン「『日本のメールマガジン』購読状況調査2022年度版」調査概要
・調査方法 :インターネット調査
・調査期間 :2022年7月26日~8月7日
・対象者  :会社員、公務員、自営業を含めた経営者、20代〜60代(回答者の年齢分布は国勢調査の人口比率に対応)
・有効回答数:4,354(事前調査)、858(本調査)

※株式会社Housmart「住宅購入にまつわるアンケート」調査概要
・調査対象:1都3県在住の住宅購入を検討している方
・対象者数:世帯年収400万円以上 単身者の方(200名)、世帯年収800万円以上 子持ちの方(200名)、世帯年収800万円以上 DINKSの方(200名) 合計600名
・調査期間:2022年5月25日〜2022年6月1日
・調査機関:自社調査
・調査方法:インターネット調査

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