不動産会社の経営者、もしくはマネージャーの方に常に付きまとう問題が「売れない営業マンの成績」です。
すべての社員が会社の売り上げに貢献し、最高のパフォーマンスをしてくれればこんなに素晴らしいことはありませんが、ほとんどの会社では「売れる営業マン」「売れない営業マン」に分かれてしまいます。
同じように社員教育したのになぜだ・・
と頭を悩ませている経営者やマネージャー向けに「売れない営業マンがなぜ売れないのか可視化する方法」をご紹介いたします。
売れない不動産営業マンの問題点を可視化する簡単な方法
不動産業界に限らず、営業マンの基本的なフローは
- 初回アプローチ
- ヒアリング
- プレゼン
- クロージング
- 成約
この5STEPに分けることができます。
売れない営業マンは上記の5STEPいずれかに問題を必ず抱えています。重要なのは「どこに問題があるのか」知ることです。
問題を可視化するためには以下のような表(グラフ)を作成する必要があります。
(社員名) | ||
件数 | ランクアップ率 | |
①初回アプローチ | ||
②ヒアリング | ||
③プレゼン | ||
④クロージング | ||
⑤受注件数 |
※営業マン可視化グラフはEXCELで簡単に作れます。
上記のようなグラフを利用し、「売れる営業A」と「売れない営業B」を並べると以下のようなグラフになります。
売れる営業マンA・売れない営業マンBの可視化グラフ
社員A | 社員B | |||
件数 | ランクアップ率 | 件数 | ランクアップ率 | |
①初回アプローチ | 10件 | 10件 | ||
②ヒアリング | 8件 | 80% | 3件 | 30% |
③プレゼン | 5件 | 62.5% | 1件 | 33% |
④クロージング | 4件 | 80% | 0件 | 0% |
⑤成約 | 3件 | 75% | 0件 | 0% |
いかがでしょう。
営業マンの営業フローを5つに分けて可視化することで、売れない営業マンのどこに問題があるのか明確にすることができます。
上記のケースでは「売れない営業マンB」は②のヒアリングに根本的な問題があることがわかります。
営業マンBが売れないのは②のヒアリングに問題があるわけですから、ヒアリングを改善すれば、見込み客を【③プレゼン】のステップまで引き上げることができます。
営業マンの問題点を可視化することによって問題点をあぶりだし、次のレベルに引き上げることができます。
売れる社員Aと売れない社員Bは実際にあったケースです。
営業マン可視化グラフで「売れる社員A」と「売れない社員B」のグラフを紹介しましたが、これは実際にあったケースをもとに作成しています。
5つのステップをひとつひとつ可視化し、問題を解決していくことで最終的に営業マンBの営業成績は以下の通りとなりました。
社員B(改善前) | 社員B(改善後) | |||
件数 | ランクアップ率 | 件数 | ランクアップ率 | |
①初回アプローチ | 10件 | 10件 | ||
②ヒアリング | 3件 | 30% | 7件 | 70% |
③プレゼン | 1件 | 33.3% | 4件 | 57% |
④クロージング | 0件 | 0% | 3件 | 75% |
⑤成約 | 0件 | 0% | 3件 | 100% |
怒ったり、発破をかけたりするのではなく、問題点を洗い出すことでこれだけパフォーマンスが変わります。
可視化ツールは売れない社員だけでなく、営業フローを見える化しているので、会社全体のパフォーマンス向上につながります。
今まで単純に「荷電件数」「アポイント件数」を重視していた不動産会社も、自社に沿った可視化ツールを作成してみてください。
※マネジメントも簡単に行うことができます。
売れないからといって不動産営業マンを怒ってはダメです。
売れない理由を可視化する方法をご紹介しましたが、絶対にやってはいけないのことは「売れない営業マンを叱責する」ことです。
不動産会社は体育会系のところが多いため、数字が出ない営業マンにはとにかく発破をかけたり、プレッシャーをかけ、中には他の社員がいる中で怒鳴り散らすケースもありますが、これは決して行ってはいけません。
これでは営業が頑張るどころか、委縮してしまい本来のパフォーマンスを発揮することができませんし、離職にもつながります。
特に最近はパワハラ問題がテレビやメディアでも取り上げられる傾向にありますので、「営業マンのために」という理由でも、過度な叱責は行わないようにしましょう。
【参考】生産性の高いチームは心理的安全性が高い
Googleの発表によると生産性の高いチームは「ミスをした社員を叱責したりすることなく、ミスを認めることでチームのパフォーマンスがあがる」とのデータを公表しています。
怒られない・怒鳴られないという心理的安定性があれば、結果として安定したパフォーマンスを生み出します。
まとめ
売れない営業マンの営業フローを可視化することで、問題点が明確になり対策を打つことが可能です。
今まではただ「なんでできないんだ!」と叱責していた経営者やマネージャーの方もデータを用いてマネジメントしたほうが、社員も納得感がでますし、対策を打ちやすくなります。
売れない営業マンに悩んでいる不動産会社の方はぜひ取り入れてみてください。