不動産会社を開業した時に悩むのが、不動産団体の加入です。
不動産団体はいくつかありますが、ほとんどの不動産会社が「全宅」もしくは「全日」のいずれかに加入しています。
そもそも「全宅」「全日」の違いはなんなのでしょうか?
今回は不動産団体「全宅」「全日」の違いを分かりやすく比較し紹介いたします。
Tips不動産団体は「全宅」「全日」「FRK」「全住協」の4つがあります。
宅建協会「全宅」と「全日」の違いを分かりやすく比較します。
さっそく、いくつかの項目で全宅と全日を比較していきます。
間違えないようにそれぞれのシンボルマークを掲載します。
略称 | 全宅 | 全日 |
正式名称 | 全国宅地建物取引業協会 | 全日本宅地建物取引業協会 |
シンボルマーク | ハト | うさぎ |
設立 | 昭和42年 | 昭和27年 |
加盟数 | 10万社 | 2.5万社 |
シェア | 約80% | 約20% |
加盟数は「全宅(ハト)」のほうが圧倒的に多いですね。
名前が似ているので間違えないようにしましょう!
「全宅」「全日」入会金総額を比較します(東京都)
気になる「全宅」「全日」それぞれの入会金は以下の通りです。
略称 | 全宅(ハト) | 全日(うさぎ) |
入会金 | 500,000円 | 390,000円 |
年会費 | 48,000円 | 45,000円 |
保証協会入会金 | 200,000円 | 130,000円 |
弁済業務補償分担金 | 600,000円 | 600,000円 |
保証協会年会費 | 6,000円 | 15,000円 |
その他※ | 106,640円 | 62,800円 |
総額 | 1,460,640円 | 1,242,800円 |
入会金・年会費などは各都道府県ごとに異なります。
※その他の部分はそれぞれの団体で必要な経費となります。(共通項目ではありませんのでまとめて記載いたしました。)
こうして見ると「全日」のほうが初期費用が20万円以上安いことがわかります。
では「全日」のほうがお得かというとそんなことはありません。各団体では加入者を募るために、キャンペーンを行っています。例)入会金30万円減額など
キャンペーンの内容によっては「全宅」のほうが安くなる場合もありますので、加入する時期もよく検討する必要があります。
詳細は各都道県の公式サイトをご覧ください。
そもそも不動産団体に加入するメリットは?
全日・全宅それぞれの項目を比較しましたが「そもそも不動産団体に加入する必要があるのか?」という疑問も生じます。
不動産会社を開業するのではあれば、間違いなく加入したほうがよいです。
これは宅建業法で定められた「営業保証金の供託」が関係します。
不動産会社を開業した際には「営業保証金1,000万円」を必ず供託することを義務付けられており、供託しなければ宅建業者として開業することができません。
参考営業保証金は取引相手が損失を弁済するものです。(消費者保護の観点です)
営業保証金の供託は「本店」だけでなく「支店」にも必要となります。
- 本店:1000万円
- 支店:1支店につき500万円
開業間もない場合は売上げがないことがほとんどですので、この営業保証金1,000万円を準備することが困難である場合が多いです。
そこで不動産団体(全宅・全日)の出番です。
全宅・全日に加入すれば、営業保証金を供託する代わり、"弁済業務保証金を60万円"支払うことで、開業することができます。
- 本店:1000万円→60万円
- 支店:1支店につき500万円→30万円
↑これが不動産団体に加入する主な理由です。
不動産団体「全宅」と「全日」はどちらがおすすめ?
では「全宅」「全日」どちらがおすすすめなのか?という点ですが、結論としてはどちらでも大丈夫です。
全宅・全日どちらに加入しても営業保証金1000万円を供託する必要はなくなりますし、業務に関する様々なサポートを受けることができます。
- 開業支援
- 営業支援
- 書式のダウンロード
- 実務アップ支援
- ほか
【参考】なぜ全宅のほうが加入数が多いのか
結論としては「どちらでもよい」のですが、それだけでは面白くありませんので、参考になるような情報を・・
ウサギマークの「全日」のほうが歴史があり設立年度も古いのですが、「なぜハトマークの全宅がシェア8割を占めているか」というと以下の理由が考えられます。
- 豊富なネットワーク
- ハトマークの信頼性
全宅は会員数10万名と圧倒的なネットワークを持っています。交流会や勉強会も頻繁に行われるので、様々なネットワークから仕事をに繋がる可能性があります。開業したての不動産会社にとっては思ってもみない話が転がってくる可能性が十分にあります。
もう1点は消費者にハトマークが認知されているという点も挙げられます。
ハトマークは加盟数が多いことからたくさんの場所で目にします。そのため「不動産業者=ハトマーク」と認識されている方も少なくありません。
ハトマークの信頼性も全宅が選ばれる理由といえます。(決して全日が悪いということではありませんので誤解のないように)
まとめ
「全宅」「全日」の違いを比較しましたがいかがでしたでしょうか。
結論としてはどちらでもよいので、自分が加盟したいと思った団体に加入しましょう。
最後になりますが、「全宅」「全日」は仲が悪いのかというと決してそんなことはありません。
”会員数の少ない「全日」が不利”といったこともありませんのでご安心ください。
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