こんにちは!
不動産業界特化型のマーケティングオートメーションツール「KASIKA(カシカ)」の屋代です。
前回までは「失敗例から学ぶマーケティングオートメーションを導入する際の注意点」をテーマに、複数回にわたってノウハウや実際の事例をご紹介させて頂きました。
今回から不動産仲介会社様がマーケティングオートメーション(MA)を活用するための、具体的なポイントについてご説明させて頂きます。
ポータル反響でよくある悩み
ポスティングや新聞広告で見込み客を集めている不動産会社様もまだまだ多いかと思います。
一方で、購入検討客であればSUUMOなどの「ポータルサイト」、売却検討客であればイエウ―ルなどの「一括査定サイト」を利用している会社様も多いと思います。
皆さまの会社ではポータルサイトから資料請求などの反響があった場合、どのような初期対応をしていますでしょうか?
「必ず5分以内に即対応している。」
というオペレーションを徹底されている会社様がいる一方で
「営業担当者が気付いたタイミングで個別に対応している。」
という会社様も多いのではないでしょうか?
5分以内対応をしている会社様も、例えば、夜20時を超えてしまうと電話対応が心理的にも難しいと思いますし、また気づいたタイミングで個別対応という会社様は、繁忙時期などで他の業務に追われていたりすると、そもそもの反響を見逃してしまったり、対応が遅かったりしているケースも散見されると思います。
さらに電話対応の場合、そもそも相手方の購入、売却意思が薄い場合は「電話にでてくれない」、出たとしても素っ気ない対応で「来店アポや訪問査定に結びつかない」というお悩みをよく耳にします。
また、メールで返信した場合は
・マイソクや査定書などの添付ファイルを確認してくれたのか?
といった事が分からないので、結局電話をかけ
「メールをお送りしたのですが、見て頂けましたでしょうか?」
「査定書をお送りしたのですが、ご確認頂けましたか?」
と確認の電話を入れる必要があり、本当は見ていても、相手方の見込みが薄かったり、検討時期がいまではなく、先々だったりすると
「見てないです」
と素っ気ない対応をされてしまう事も多いかと思います。
「できる営業マン」への依存はリスク
第1回目の記事で、下記のようなことを書かせて頂きました。
営業を行ううえで、1番重要なポイントは何でしょうか?
それは、目の前のお客様が、物件を買ってくれる(売ってくれる)可能性が、どの程度あるのか?を見極める事です。
ポータルサイトや一括査定サイトから反響があったばかりのお客様は、物件を売る(買う)に興味がある事は分かっているものの、
・いつくらいに売却(購入)を考えているのか?
といった基本情報が不足しています。
結果が出ている営業マンは
・でなければ、何回も電話をかける。
・深夜であれば、メールを一旦送り、翌日フォローコール
といった行動を誰よりも徹底して毎日実践しています。
結果として、他の営業マンより圧倒的に行動量が多いのです。
よって必然的に商談数も多く、経験則により「問い合わせ⇒商談⇒クロージング」に至る、トータルスキルが上がっているのです。
悩んでいる暇があったら、電話しよう。
]アクションをしよう。
というのは真理ですが、会社という組織全体からみると、こうした「できる」営業マンは5%程度の出現率でしょう。
だからこそ、こうした営業マンは価値がある一方で、常に他社からの引き抜きリスクもあります。
会社全体としては、「できる営業マン」に頼りすぎるのは、リスクがあり不安が残る状態といえるのです。
MA活用事例「自動サンクスメール」
前置きが長くなりましたが、ここからMAの出番です。
MAを導入する事で、「できる営業マン」に依存する事なく、誰でも・簡単に・高いレベルで初期対応ができるようになるのです。
まず、ポータルや一括査定サイトからの初回対応については、売り・買いの反響に応じた「自動サンクスメール」での対応が効果的です。
※導入するMAによって、「自動サンクスメール」機能が備わっていない場合があります。
この機能を活用すると、
「深夜なので電話ができない。」
といった場合でも、反響があったらすぐに、漏れなくお客様へ返信ができるようになります。
また即レスする事で、開封率は最低でも40%前後は担保できます。
内容が薄いと意味がない
サンクスメールは、スピード・網羅性はもちろんながら内容も重要です。
「お問い合わせありがとうございます!担当よりかけなおします。」
といった薄い内容では、他社との差がなくメールボックスの中に埋もれてしまいます。
・会社の実績(売上、販売棟数、売買取扱い実績など)
・スタッフ情報(スタッフの顔写真、持っている資格、経歴など)
などを反映させる事で、メールを開いたあとに、じっくりと内容を読んでくれる可能性が高まります。
また、営業マンが「弊社の実績は!持っている資格は!」と口で説明するより、メールを送る方がはるかに効果的ですし、営業電話を後からかける場合も、かなりの確率でお客様はサンクスメールを読んでくれていますので、
「あ、そういえばメールくれていましたよね!」
といった直接的な反応や、
「あ、この人営業の●●さんか。確かファイナンシャルプランナ―の資格もってた人だ!」
など間接的な効果も期待でき、電話した際のお客様の温度感が全く違うケースが多く発生します。
話がはずみ、来店アポや査定アポに繋げやすくなる効果があるのです。
MAならお客様の行動履歴もわかる
さらにMAを活用したサンクスメールは
・メール本文中にある物件ページやスタッフページをクリックしたかどうか?
・クリックした先にある、ホームページでどのようなページを見ていたのか?
といった事まで把握する事が可能になります。
営業担当者にとって、電話アクションをする前に
「こんな物件に興味があるんだ。」
「自分のスタッフページみてくれてるんだな」
ということがわかると、単なる作業で追客を行うことなく、お客様の基本的な情報をある程度押さえた上で、追客の電話ができるようになります。
これは、競合他社がやみくもに電話をかけている状況からすると、非常に大きなアドバンテージになります。
まとめ
MAを活用する事で、ポータルサイトや一括査定サイトからの反響に対し、自動サンクスメールという形で、すぐに返信が可能です。
即返信の場合、お客様の開封率も高い傾向にあり、さらに自動返信なので、営業マンの手を煩わしません。
さらなるメリットとして見込みの高いお客様の場合、自動返信メールを経由して、色々な物件をみたり、スタッフぺ―ジを見たりします。
以前も伝えましたが、MAは自動で追客してくれるロボットなようなものです。
しかも、従来は優秀な営業マンが直接面談した際にしか入手できなかったような情報が、誰でも簡単に面談前に手に取るように分かるようになるのです。
1.ミスや漏れのないスピ―ド感のある自動対応
2.メールが開かれているのか中身をクリックしたのか?なども分かる。
3. メール経由で閲覧された情報は、閲覧履歴が把握できる。
これらの改善により、その後のアプローチにもつなげやすくなりますし、新規顧客のニーズを事前に把握できますから提案をしやすくなり、やみくもに営業していた営業スタイルから、確度の高いお客様に注力できるようになっていきます。
今回は「競合他社と圧倒的な差を付ける、ポータル反響の初期対応方法」というテーマで新規のお客様に対するMA活用方法についてご説明させて頂きました。
次回は皆さんから相談を受ける事がとても多い、「中長期の追客に関するMA活用方法」をご説明したいと思います。