測量に関する知識は、絶対に営業マンも知っておいた方がよいです。
なぜなら、知識を身につけた方が、不動産を扱うプロとして他の営業マンと差別化ができるからです。
土地や戸建を売買するとき、ほとんどの場合は測量が必要です。
基本的に不動産営業マンの方は、測量に関することは土地家屋調査士に一任していると思います。
この記事では、最低限知っておいた方がよい測量の知識や法改正、測量に関する注意ポイント解説をしていきます。
この記事を読んでいただき、測量に関する知識を深めていただければと思います。
ぜひ今後の営業活動の参考にしてください。
測量の基礎知識で他社(他者)と差別化!法改正や注意ポイントも解説
1.測量の基礎知識
ご存知な方も多いと思いますが、測量に関する基礎知識を確認していきます。
不動産の実務において測量というと「確定測量」を指すことが多いです。
確定測量とは、道路や隣地境界の所有者と立ち会いを経て、境界杭の位置を確定させる測量のことです。
確定測量を依頼すると土地家屋調査士は以下の手続きを進めていきます。
↓
法務局や役所などで資料取得や調査
↓
役所へ土地境界確認申請
↓
隣地境界立ち会いと境界承諾取得
↓
役所へ書類提出
↓
確定測量完了
確定測量完了までの所要期間は、およそ3〜5ヶ月程度かかります。
ただ、道路や隣地の境界立ち会いのタイミングによっては、6ヵ月以上かかることもあります。
売買契約する当事者だけでなく第三者もかかわるため、所要期間は事前に売主に伝えておきましょう。
また、確定測量の費用は、最低でも40万円、物件によっては100万円程度必要となります。
・前面道路が私道:通行・掘削等の承諾書の取得が必要になるため時間がかかります。
・隣地が多い場合:隣地所有者から署名・押印を取得する時間が増えるため。隣地所有者
を探す時間も必要になります。
・土地が広大:測量に時間がかかります。
・現況測量の面積:現況測量の費用は、概ね土地の面積で決まります。
・境界標設置費用:境界標の数で費用が変わります。
・基準点測量費、隣地立ち合い・確認書類作成費用、官民境界査定の有無で費用が増減します。
平成17年3月以降の改正により、土地家屋調査士の行う手続きが増加したため、測量費用は改正前に比べて高くなったと言われていますが、その分測量の精度が上がり、境界杭がなくなった場合でも復元しやすくなりました。
その点は売買する当事者にとっても安心できるため、メリットになります。
続いて、測量の法改正について解説します。
実務で使うことは多くないですが、不動産を取り扱うプロとして知っていて損はないと思います。
2.法改正の年代や内容
以下のように何度か法改正されています。
- 昭和52年10月1日以降の改正
- 平成5年10月1日以降の改正
- 平成17年3月7日以降の改正
それでは1つずつ見ていきましょう。
(1)昭和52年10月1日以降の改正
地積測量図にコンクリート杭や金属プレートなど種類が記載されるようになりました。
昭和52年以前の平板測量から徐々にトランシット(光波測距儀)変わっていき精度が上がったのがこの頃です。
隣地との立ち会いをして作成された図面も増えた時期ですが、道路など公共用地との境界確認は省略されていること多いです。
面積計算は三斜求積法が主流でしたが、計算しても合わない図面も多くあったようです。
(2)平成5年10月1日以降の改正
トータルステーションを使った測量により精度が飛躍的に上がった時期です。
トータルステーションとは、土地家屋調査士が測量の際に使用しているカメラのような測量機器です。
地積更正登記をする際は、隣地の実印による押印や印鑑証明書、境界確認書を提出する必要になりました。
この頃の分筆登記は残地差引計算で行われていることがほとんどであり、分筆後残った土地の実測面積と登記簿面積に大きな差が出ることもありました。
(3)平成17年3月7日以降の改正
この頃に三斜法から座標法に変わったことで現地復元する時の精度が高くなりました。
分筆や地積構更正登記をする際は、境界標の写真を添付して提出することになり、残地求積から全筆求積へと変わりました。
全筆求積のため、面積の合計が交差の範囲を超える場合、分筆登記と地積更正登記をセットで申請することになります。
測量図の作成は基本的に世界測地系の座標値を使用することになり、境界杭を正確に復元できるようになりました。
まとめ:有効な確定測量図の見分け方
- 座標法による測量図であること
- 平成17年3月7日以降に作成されていること
- 境界確認書(第三者継承の文言あり)が備わっていること
- 平成17年3月7日以降に法務局に備え付けられていること(境界確定されていないと備え付けられないので、判断基準の一つになります)
※注意※
平成17年3月7日以降に法務局に備え付けられているいても、三斜求積法で測量された測量図の場合があります。
座標法でなければ、有効な確定測量図にはならないことが多いで注意が必要です。
測量に関する注意ポイント
続いて、実務において測量に関する注意ポイントを見ていきます。
測量でよくトラブルになるケースは以下があります。
- 境界杭がない場合
- 越境がある場合
- 隣地トラブルがある場合
- 地積更正登記が必要な場合
1つずつ見ていきましょう。
(1)境界杭がない場合
境界標がない場合は、以前測量をした時期によって対応が変わってきます。
平成17年3月以降の座標法による測量であれば、復元できる可能性が高いです。
ただ、復元できる場合でも、隣地所有者が変わっている(境界確認書に第三者継承が入っていない等)ことや確定測量図面を紛失しているケースは、将来的なトラブルの可能性もあり買主が不安を感じる可能性がありますので、売主様に再度測量図を提案しましょう。
(2)越境がある場合
隣接地から越境がある場合も注意が必要です。
近年越境している土地に対して、住宅ローンを融資する金融機関もコンプライアンスの関係上厳しく見ています。
越境によって住宅ローンに影響があると販売にも影響が出てきてしまいます。
販売する前に測量士へ仮測量を依頼して、越境物を確認するようにしましょう。
そして、越境があった場合はタイミングを見て、隣地と打ち合わせをし、合意書や覚書を取得するようにしましょう。
(3)隣地トラブルがある場合
隣地間で過去にトラブルがあると最悪の場合、境界について承諾してもらえません。
販売する前に、売主へ過去にトラブルがあったかどうかなど確認する必要があります。
また、販売スタート後は隣地へ販売スタートの報告も兼ねて挨拶しておくとよいでしょう。
挨拶の際に隣地が販売物件を購入するというケースもありますので、忘れずに訪問することをおすすめします。
(4)地積更正登記が必要な場合
確定測量による実測面積は、ほとんどのケースで登記簿面積と誤差がでます。
買主が個人の場合は地積更正登記をしないケースもありますが、不動産会社が買主で購入後に分筆する場合は注意が必要です。
なぜなら、分筆前と分筆後の面積が誤差の範囲を超えると、分筆登記と地積更正登記をセットで申請する必要があるからです。
もちろん、分筆するためには官民境界がないとできません。
地積更正登記は、およそ5万円から8万円程度かかります。
売主には諸費用の説明時に測量費用とは別に地積更正登記費用も案内しておくと良いでしょう。
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